13 やっと1人になりました
皆と別れて、俺は静に1人で部屋の中に居た。
銀次達はレディースゴッコとかでどっかに行ったから、今は俺は1人だ。
そんな俺の部屋にチコがやって来た。
今は1人にしてくれ………。
「お兄、銀ちゃんとドコまで行った?」
うわ~、スゲえ楽しそう。
「うるせぇ」
「教えろよー」
俺はチコに身体全体で絡みつかれて、コブラツイストに近い格好になっていた。
「分かったから、絡むんじゃねぇ!」
「銀ちゃん、どんな感じ?」
離れて、何か偉そうに言うチコにココまでの話しをした。すると、まあ嬉しそうにしていたよ………。
「次はしちゃうの?」
俺はチコにデコピンをした。それでもチコはニヤけていた。
「お前は何を望んでいる?」
「お兄の幸せ」
「本音は?」
「ゴシップ」
溜め息しかでねぇ。
「それで?お前は銀次に何を聞けっていわれているんだ?」
「分かっているなら、キスをした時の気持ちを教えろよー」
手にはスマホ………筒抜けか。
「ご免、バレた」
本人を前にして悪びれないんだから幸せだよなー。
「それより、銀ちゃん来るって」
「オイ!来んのかよ!?」
「そうに決まってんじゃん。ドタバタ・コメディってやつ?」
「………お前等………」
チコは言うだけ言って去った。
「何なんだよ?………」
俺はジュースの缶を手に取り飲んだ。
そして、少しするとチコが戻ってきた?
しかも、パジャマ姿の銀次を連れて来た!?
「何だよ?お前、今日は変だぞ?」
「お兄、そんな言い方は良くないと思うよ?」
「チコ、お前は黙っていろ」
俺が言うと、チコは口を尖らせた。
「銀次、お前が俺を好きなのは分かった。それに、それだけの考えがあって女になったのも認める。でも、いったい俺にアプローチを仕掛けてどうする?」
「金ちゃんがボクを好きかどうか知りたいの?」
不安げな表情を浮かべる銀次。俺はそんな銀次に溜め息をついた。
「………好きだよ」
やっぱり、男としては逃げられずに、答えるしか無いよな。
銀次は………顔を赤くしアワアワしてんぞ!?
「お、オイ!何だその表情は!?」
すると、銀次はハニ噛んだ顔になった!?
「キス………金ちゃんからしてよ」
「チコの前で?スマホのカメラを向けているバカな妹の前で?」
「大丈夫!記念はチコが撮って上げるからさ!さあ、ズズイッとしちゃって!」
「いい加減にしろ!!」
「何でよー。早くしちゃえよ」
俺はチコの襟首を子猫の様につまんで部屋の外に出した。
「なあ、銀次?こう言う事は焦るもんじゃないんじゃないか?」
すると、銀次は泣きそうになる。
「う~………金ちゃん、ボクの事が嫌いなの?」
「違うだろ。俺はそれなりに………もっと仲を深めてからって言うか………何だよ!?」
ニタリと笑っていた銀次に俺は怒鳴った!!
「乙女だね❤」
もう、いい。
「好きに言ってろ」
「金ちゃん、男と女が2人でこうしているって事は、そう言うのもOKって事なんだよ❤」
何でコイツは大人な考えなの!?
「頼むから、静にしていろ」
「でも、でも………キスぐらいは良いでしょう❤?」
「じゃあ、銀次からしろよ」
―――チュッ❤
「お前………本当にしちゃうのね?」
俺のセカンド・キスまでされちゃったよー!?
頭を抱えていると、銀次がその胸に抱き寄せたのは何で?
「何か悲しい事でもあったの?」
「もう、諦めました………」
「こんな時はゆっくり寝よう。もう、深夜の1時だから」
「変な事をしないよな?」
「もう❤それは女の子のセリフ❤❤❤」
俺達は2人で布団の中に入って………横になったけど………。ドキドキの夜の中、俺は夢を見る事にした。
でも、眠れねぇー!!
隣からいい香りがすんぞ!?
男のむさ苦しい香りじゃなくて、何か花の様ないい香りがするー!!
隣を見ると………銀次の寝顔!?
綺麗だ………なんか俺はドキドキしているぞ!
このままじゃマズい!!
「な、なあ、銀次?俺は床で寝るから」
「………………」
寝息が聞こえる………そっと、俺が布団から出ようとする………瞬間!?強い力で背中を引っ張られた!?
「お、オイ!―――ワプッ!?」
俺は………銀次の胸の中に………抱き枕にされていた。
もう、今日は良いか………そんなに邪険にする必要なんてないしな。
黙って寝ちまおう。
俺は無言で目を閉じた………。
色々とあったな~。でも、それは俺が慌てているだけで、意外とこれも今は普通なのかもな………。




