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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第90話 正解

「はい、とりあえず先に焼きトウモロコシと貝の煮込みね。あれ? 飲み物まだ買ってなの?」


ネコ娘が席に戻ってきた。


「いや、もう頼んだよ。席まで持ってきてくれるんだ。」


「そっか、じゃ、他の食べ物の買ってくるね。」


「あぁ、頼む。オレはここに居ないと飲み物受け取れないから。」


「了解。」


ネコ娘がもう一度つまみ調達に行く。


「ビールタワー、お待たせです。」


お兄さんがでかいタワーを持ってきた。


この辺の席でこのタワー立ててるの、ここだけなんで、ちょっと目立つな。


「はぁぁ? なにこれ?」


両手に料理を持ったネコ娘が席に戻ってきて目を大きくしてる。


「凄いだろ。ビールタワーだぞ。」


「アタシ、こんなの初めて見た。どうやって飲むの、これ?」


「ここに注ぎ口があるんだよ。自分で注いで飲むんだってさ。」


「うっわ、おもしろそう。アタシもやってみたい。」


「おう、もうつまみも結構そろったんだろ? 始めようぜ。」


「あ、そうだった。 はい、これ揚げ芋、こっちは小魚フライ、これは香草ソーセージだって。後で焦がし肉団子鍋も来るよ。」


「良い感じじゃないか。ほら、キミが注いでくれよ。」


グラスをネコ娘に渡す。


「これが注ぎ口なのね。 レバーを引くのかしら? ギュッと。 あ、出た。」


トトトトトト・・


ビールタワーの台の部分からビールが注がれる。


「なんかお店の人になったみたいで面白いわ。 はい、どうぞ。」


ビールがなみなみと注がれたグラスが手渡された。


「サンキュー。」


「つぎはアタシの分ね。 ギュッと。」


ネコ娘が自分の分のビールを注ぎ終わると、グラスを持ちあげた。


「かんぱーい。」


「乾杯。」


「くーっ、自分で注いだビールは格別だねー。」


「このタワー、見た目もインパクトあるし、面白いな。」


「でも、2人だけの席でタワー立ててるのウチらだけだね。フフフ。」


「まぁ、ほとんどキミが飲んじゃうんだろうから全然問題ないだろ。」


「えー、そんなことないよ。ほら、それより、食べようよ。この小魚フライ、おいしそうでしょ?」


「魚だからな・・。」


「あー、またネコ扱いだ。アタシは焼きトウモロコシも好きなんだからね。」


うん、一人でバーボンロックが基本ではあるけど、こんな風にワチャワチャしながら飲むのも楽しいもんだな。これが俗にいうリア充ってやつなのか?


「おまたせしました、焦がし肉団子鍋です。 今火をつけるので、煮立ったら火を弱めて少し煮込んでくださいね。」


スタッフが小さな火鉢のようなものに乗った平鍋をテーブルの真ん中に置いた。


「へぇ、なんだか辛そうな鍋だな。」


「そうそう、肉団子の焦げと辛みが合うんだってさ。」


食欲無いって言ってた割にはテーブルにずらっとならんだつまみ達と、異様に目立つビールタワーもしっかり無くなったところで屋台村を出た。


「よし、準備は良いか。軽く仕事片づけないとな。」


「準備万端だよ、ほら、腕時計、そして、腕まくりっと。」


「オッケーだな。念のため、符丁の確認だ。『今夜の星は綺麗か?』、って声かけられたら、『光は長くは続かない。』だぞ。」


「おっけーよ。ついでに聞けるなら金額も聞く、でしょ。」


例の通りの入口まで来た。


「よし、リベンジ開始だ。」


ゆっくりと道の真ん中を歩く。


お、前から歩いてくる男がチラチラとこっちを見てるぞ。


更に歩く速度を落としてみる。


あきらかに男の視線を感じる。


男が近づいてきた。


「よぉ、今夜の星は綺麗か?」


来た、遂にきた。


「あぁ、悪いな光は長くは続かないんだ。」


「そうか。じゃまた。」


会話をする隙も無いくらい、サッと男が立ち去って行った。


ブツを持ってない以上、これ以上うろつくのは目立ってまずい。


道の端まで来たところで腕まくりを下ろしてネコ娘を待つ。


直ぐにネコ娘が寄ってきた。


「来たよ! 目印、正解だよ!」


声は小さいが、興奮して話してる。


「あぁ、オレのところにも来た。目印は確定だな。それで、何か追加の情報は手に入ったか?」


「ううん、それが全然。 光は長く続かないって言ったとたんにスッと居なくなっちゃったよ。」


「まぁ、取引自体あまり見られたくないだろうから、ここでそれ以上の情報を掴むのは難しいかもな。でも、ともかく目印まではたどり着いた。」


「任務完了だね。じゃ、行こう、ウメさんライブ。」


「だな。ちょうど良いくらいの時間じゃないか?」


一旦大通りへ出て、更に歩く。


見えてきた、ライブ・アンド・ルーズの看板だ。


ドアを開けると相変わらずの音圧が押し寄せてくる。


「あれ?いつもより混んでない?」


「そうだな。席開いてるか?」


店の奥まで進んでいくと、顔馴染みになった店名入りTシャツのスタッフが寄ってきた。


「今日はちょっと混んでるんで、こっちに席作りますよ。」


そう言って観葉植物をちょっとずらして、小さなテーブルと椅子を2つ置いてくれた。


「あとでどこか席空いたら移動してもらうんで、ちょっと狭いですけど、ここでお願いします。」


「サンキュー。いや、もう充分だよ、テーブルなんてグラスが置ければそれで充分さ。あ、オレはバーボンロックを頼む。」


「アタシはラム酒、ロックで下さい。」

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