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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第83話 目印?

「うっわー、良いねー、魚天国だねー。」


「へぇ、柑果締めって、これ、生だよな。刺身食べる文化があるんだな、この世界にも。」


「サジミ?」


「いや、刺身って言って、魚を生のまま、切り身にして醤油とワサビで食べる料理があるんだよ。」


「へぇ、それも美味しそうだね。」


「あぁ、うまいぞ。 それを酢飯を握ったのの上にのせて食べる、寿司ってのもあるんだぞ。」


「そんな面白そうな食べ物があるなら、貴方の居た世界にも行ってみたいわね。」


「あぁ、他にも色々、美味い食い物があるぞ。 なんだよ、話してたら食べたくなってくるな。」


「貴方、元の世界に戻りたいと思ってる?」


「もちろん思ってるさ。でも、ここもなかなかエキサイティングで飽きないぞ。」


「アタシはね、もちろん今の生活の方が全然楽しいわ。貴方が来なかったらまだマグメトリア監獄に居たでしょうしね。ちょっと感謝してるわ、貴方には。」


「そうだろ? オレみたいなレジェンド探偵じゃなかったら、あの監獄から脱出しようなんて考えも・・」


「コンロお持ちしました。ここに置いちゃって良いですか?」


「だから人の話に・・。って、あれ? 店員さんか。 あ、どうぞ、ここに置いてください。」


テーブルの真ん中に小さなガスコンロが置かれた。

その上にすぐに細長い鍋が乗せられる。


「火を付けますんで、手とか気を付けてくださいね。」


カチカチカチ・・・


店員がスイッチを捻るとコンロに火が付いた。


「こちらの潮煮、一度沸騰したら、もうあとは極弱火、冷めない程度にしてお召し上がり下さい。 煮込んでしまうと身が硬くなってしまいますので。」


「はーい、わかりました。」


ネコ娘がコンロを覗き込んで炎の大きさを確認したようだ。


潮煮ってのは、もっと、鍋料理っぽい感じを想像してたけど、どっちかっていうと、アクアパッツァ的な料理なんだな。


鍋がグツグツしてきたところでネコ娘がコンロの火を弱めた。


「はい、もう食べられるよ。」


ネコ娘が鍋のガラスの蓋を開けた。


「お、バターとコンソメの香りだ。やっぱりアクアパッツァだな、これ。」


「なにそれ? よくわからないけど、なんだかおいしそうな匂いだわ。」


「洋風の魚の煮物ってところだな。まぁ、この世界で洋風って概念があるかは知らんけどな。」


「やっぱりよくわからないけど、美味しそうってことは分かるわ。えへへ。」


ネコ娘が早速潮煮を食べ始めた。


「ハフハフ・・ うん、美味しい。こういう魚料理もあるんだね。」


 魚尽くしの料理を堪能して、ビールもオレが4杯なのにネコ娘は6杯も飲んで店を出た。


「やっぱり魚料理は良いねぇ。 世の中の全てが魚料理になれば良いのにね。」


ネコ娘、珍しく酔っぱらってるのか?


「何言ってるかよくわからんが、そろそろ例の場所へ着くぞ?」


「おっけー、役割分担とかあるの?」


「いや、分担はしない。どっちも右腕の袖を捲って歩いてみようと思ってる。」


「それで誰かが声かけてきたら?」


「今回の確認は目印と符丁だ。だから、ブツも用意してない。もし、『今夜の星は綺麗か?』、って声かけられたら、『光は長くは続かない。』で終わりだ。 もちろん、出来ることなら、もし持ってた場合の値段も聞いては見たいがな。」


「おっけー、わかったわ。 聞けるなら金額も聞いてみるってことね。」


例の通りの入口まで来た。


「よし、ここからは別行動だ。しっかりヤレよ。」


ネコ娘は返事の代わりに右手の親指を立てて颯爽と通りに入っていった。


じゃ、オレも戦闘開始だな。


シャツの右の袖を捲り上げる。


すっかり夜の帳が下りた道の真ん中をゆっくりと歩く。


歩く。


歩く。


道の端まで来ちゃったよ。


Uターンして、もう一度、ゆっくり歩く。


歩く。


歩く。


あら、元の場所まで戻ってきちゃったよ。


その後も道を3往復してみたけど、誰も声をかけてこない。


「どう?」


ネコ娘が近づいてきた。


「いや、誰も声かけてこないな。」


「アタシもよ。目印、違ってるのかな?」


「あんまりこの辺ウロウロしてるのも目立つから、今日はこれで撤収するか。」


「何往復も歩いたから喉乾いちゃった。ね、あの屋台行かない?」


「ウメさんと飲んだ、スクーゼの屋台か?」


「そうそう。アタシ、あれ気にってるんだ。」


「まぁ、あれ魚のすり身だからな。」


「魚だからじゃなくて、味が気に入ってるの!」


「味って、魚の味だろ?」


「ほら! 行くよ!」


ネコ娘に手を引っ張られて屋台へ向かう。


 小さな飾りのような暖簾を持ち上げる。


「らっしゃっせー。あ、まいど。」


鉢巻き姿で細身の初老の店主がニカっと笑った。


「よう、お二人さん。」


カウンターの端にウメさんが座ってた。


「あーっ、こんばんわ。」


「よ、お嬢ちゃん、今日も綺麗だね。」


「やだー、ウメさんったらー。」


ネコ娘がウメさんの肩を軽く叩きながら隣に座った。


「今夜は歌わないの?」


「今日は歌わねえな。ウチらのバンド、だいたい週に2、3回位しか出番が来ないんだよ。出演回数も人気順なんでさ。オッサンバンドじゃウケないんだよ ハハハ。」

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