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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第82話 潮籠

「どこか寄ってく?」


「いや、朝から市場とか結構歩いただろ。オレはもう宿へ戻りたいな。」


「それもそうね、戻りましょうか。」


宿の部屋に入ると、ネコ娘が自分の窓際のベッドへ腰かけた。


「はぁ、散歩して、お腹もいっぱいで、気持ちいい風が吹いてて、幸せだよね、こういう時間って。 せっかくだから、ちょっと横になっちゃおうかな。」


すぐにゴロっとベッドに横になった。


「ホントにキミはいつでもどこでもすぐに寝るな。」


「だって、気持ちいいじゃん。」


「まったく、おネコ様はお気楽で良いな。」


「はぁ? そういう貴方だって、どうせすぐ寝ちゃうでしょ?」


「オレはキミみたいに惰眠を貪ってるんじゃなく、探偵としていつでも全力で動けるための体力を常に意識してるから、意図的に身体を休めてるんだ。」


「はいはい、お休みなさい。」


ネコ娘が顔をプイっと横に向けた。


特に昼寝がしたい、とかではないが、体力温存のために横になろうか。仕方がない、こうやって身体を休めるのも大事な仕事のうちだからな。


 「ねぇ、起きてよ。ねぇってば。」


身体が揺さぶられる。


「例の道行くんでしょ? 起きてよ。まったく、貴方はいつでもどこでもすぐに寝ちゃうんだから。」


あれ? 寝ちゃってたか。ってか、ネコ娘に言ったこと、そのまんま返されたな・・


「あぁ、行くよ。 今何時だ?」


「もう5時半だよ。外暗くなり始めてるよ?」


そうか、昼飯喰って横になったら、ガッツリ夕方まで寝ちゃってたか。


「そうか? ちょうどいい時間じゃないか。出かける準備、するか。」


「アタシはもう出られるよ?」


「よし、じゃ、ちょっと待ってろ、顔だけ洗うから。」


さっと顔を洗って、シャツを着替えて外へ出た。


「ねぇ、結局どこへ行くことにしたの? 屋台は行かないんでしょ?」


「特に考えてないな。いい店だと思ったら入れば良いんじゃないか? それより、キミは市場の人達から色々話聞いてるんだろ? おススメの店の話とか聞いてないのか?」


「そうねぇ、辛い火鍋屋の話と魚屋直営の魚料理の店の話は聞いたな。」


「辛い火鍋と魚料理か。 キミはどっちが興味ある? って、そりゃ魚料理だよな。」


「なにそれ、アタシがネコ族の末裔だからってこと? 別にアタシは魚じゃなきゃ嫌なんてことないよ?」


「じゃぁ、辛い火鍋屋行くか?」


「えっとね、その魚料理屋は市場からすぐの場所にあるんだって。」


「・・・火鍋屋無視されてるじゃないかよ。 わかったよ、そこでも良いよ。」


市場を通り抜けて少し歩いたところでネコ娘が指さした。


「あ、ほら、あそこだよ。『潮籠』って看板の店。」


大きな縄のれんをくぐって店内に入る。


「らっしゃっせー。 2名さま、こちらへどーぞー。」


頭に手拭いを巻いた店員が窓際の席を指さした。


席に座ると、店員がメニューを持ってきた。


「こちらメニューっす。あと、本日のおススメはあっちの黒板にありますんで、よろしかったらどうぞ。」


店員が指さす先の大きな黒板には『シロカガミ 炙り/柑果締め ギンセイ 霧酢締め アカハダ 炙り/香草包み クロエラ 塩熟し』と書かれてる。


「なるほど、魚毎に料理方法が違うのか。面白いな。」


「アタシ、シロカガミの柑果締めとアカハダの炙り、下さい。」


「それじゃオレはレギュラーメニューから頼んでみるか。 この、香草包み3種盛り合わせと魚と海草の和え物、それとこの潮煮ってのをもらおうか。」


「はい、喜んで。 ドリンクはどうしますか?」


「アタシはビール。」


「それじゃ、オレもビールにするか。」


「はい。ビール2つも喜んで!」


店員がキッチンに戻っていった。


「ここのメニューって本当に魚系だけなんだな。漬物とか、フライドポテトみたいな一般的なのも置いてないって、結構攻めてるな。」


「魚天国だね、良いじゃない。アタシは好きだよ?」


「そりゃそうだろ、キミが魚が好きなのは皆が知ってるさ。」


「だから、ネコ族の末裔だから魚が好きだってわけじゃないんだよ?」


「はいはい、辛い火鍋屋選ばなかった時点で、もう既に答えが出てるだろ。」


「違うよ、アタシ、辛いのはちょっと・・だからだよ。」


「はぁ? キミ、激辛なんとか、とか好きじゃないか。」


「そう? だったっけ? ふんふーん・・」


突然鼻歌歌い始めたぞ、この嘘つきネコ。


「お待たせしました、お先にビール2つ。これは今日のお通しのアカハダの甘辛煮です。」


店員がジョッキのビールと小鉢を置いて行った。


「へぇ、突き出しまで魚尽くしか。相当拘ってるな。」


「美味しそうじゃないの。頂きましょ。 さ、乾杯!」


「乾杯。」


ビールをグビっといったあと、アカハダの甘辛煮を食べてみる。


「ほほう、これ、結構身が締まってる魚なんだな。それに、しっかり味も染み染みで、旨いな。」


「うん、おいしいよ、これ。」


「お料理、お待たせしました。シロカガミの柑果締め、アカハダの炙り、香草包み3種盛り合わせ、魚と海草の和え物です。 あ、潮煮は後でコンロ準備しますんで、もう少しお待ちください。」


テーブルの上に料理が並んだ。それも、魚ばっかり。

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