表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/85

第78話 赤くなった?

「さて、と。 しっかりエンジンもあったまってきたし、そろそろ出番なんで行くけど、本当に聞きに来てくれるのかい?」


「もちろん、行きますよ! ね?」


ネコ娘がオレに同意を求めるように振り向いた。


「あぁ、オレも行くぞ。」


「それはありがたい。今夜は楽しいライブになりそうだ。 じゃ、オヤジ、ごちそうさん。」


「マスター、ご馳走様でした。」


「それじゃまた。」


3人で屋台を出て夜道を歩く。


「確か、この辺だったな、例の『今夜の星は綺麗か』って男が寄ってきたのは。」


「あー、声かけてきたのが、暴力バーの用心棒だったやつだよね。」


「え? 暴力バー? なんじゃそりゃ?」


「あぁ、ウメさんにはまだ話して無かったっけな。ほら、この前この辺でウメさんに『今夜の星は綺麗か』って声かけてきた妙な男が居たろ。 あれ、実はメインストリートの裏道にある暴力バーの用心棒だったんだよ。」


「えぇ? それじゃ、ガチでヤバいじゃないか。」


「あぁ、オレはかなり臭いと思ってる。」


そんな話をしながら歩いているうちに、ライブ・アンド・ルーズって大きな文字の看板が見えてきた。


今日もしっかりバンドの音が店の外に漏れて来てる。


「なんだか入る前からワクワクする店ね。」


何故かネコ娘は鼻を突きだしてヒクヒクさせてる。


ドアを開けると、生バンドの音の圧が押し寄せてくる。


今夜も店内にはかなり客が居た。


席に座るとすぐにウメさんがスタッフを呼んだ。


「ラム酒、ロックで。」


「バーボン、ロック。」


「ラム酒とバーボンかぁ。じゃぁ、アタシはブランデー。ロックで下さい。」


「ラム酒、バーボン、ブランデーですね。少々お待ちくださいね。」


スタッフが小走りにバーカウンターへ向かっていった。


「ウメさんの順番は?」


「このバンドの次、かな、たぶん。」


「そっかー、楽しみだな。」


「お待たせしました、ラム酒ロック、バーボンロック、ブランデーロックです。」


さっきとは違うスタッフが飲み物と、カラカラの実のローストが乗った皿をテーブルにドン、と置いて行った。


「それじゃ、改めて、乾杯だ。」


「かんぱーい。」


「乾杯。」


大きめのロックグラスがカチンっと良い音を響かせる。


バンドの音が止まり、ライトが落ちた。


「あれ? もう終わっちまったか。まだ飲んでないのに。」


そう言ってウメさんはラム酒ロックを一気に半分飲んで、席を立った。


真っすぐにステージに向かうと、軽くジャンプしてステージに上がって、バンドメンバーからマイクを受け取った。


「壊れたままでいい――俺は、まだ鳴っている」


うぉー。


ウメちゃんの声がマイクに乗った瞬間、店内から歓声があがる。


前回と同じように3曲を歌いきって席に戻ってきた。


「うん、ちょうど良い頃合いだ。」


ロックグラスをクルクル回して、歌ってる間に溶けた氷とラム酒を雑に混ぜて、半分残ってたグラスのラム酒を一気に飲み干した。


「くー、喉を使った後の直接アルコール消毒、これが気持ちいいんだ。」


ウメさんは口を半開きにして上の方を見つめてる。


「酒で喉を焼く魂のロックシンガーって感じだな。」


「おぉっ、レジェンド探偵さんよ、なんか凄い良いこと言ったね。 それじゃ、もう少し喉焼いとこうかな。 あ、ラム酒、ロックで。」


ウメさんがニカっと笑いながら、通りかかったスタッフを呼び止めて追加をオーダーする。


「こっちも、バーボンロック。」


「じゃ、アタシもブランデー、ロックで下さい。」


すぐに小さな丸テーブルに大きめのロックグラスが3つ置かれた。


「それじゃ、ウメさんの歌に乾杯しましょ、はい、かんぱーい!」


「おう、ありがとう、乾杯!」


「乾杯。」


その後もなぜか4杯、いや4回ほど乾杯が続いたあと、店を出た。


店の前でウメさんと別れて、ネコ娘と二人で宿へ向かう。


「ここって、『今夜の星は綺麗か』男の現場よね?」


「あぁ、さっきも通ったな。」


「うん、この道って、別に店が多いわけでもないのに、何故か結構人が通る気がしない?」


「・・そう言われてみれば、そんな気もするな。」


「もしかして、ここが取引で有名な場所だったりするんじゃない?」


「あぁ、ここに来ればバイヤーが居る、みたいな場所か。あり得なくはないな。」


「だって、店もないのに、こんなに人が通るって変じゃない?」


「確かに。みんな一人で歩いてるってのも妙だな。」


「ちょっと観察してみようよ。 えーっと、そこ。そこの植込みの所に二人で立ってれば、カップルがじゃれあってるみたいに見えるんじゃない?」


「カップルがじゃれあってるって、オレは孤高のレジェンド探偵だぞ? 人前でいちゃつくとか、あり得ないだろ。 それもキミと?」


「あのね、これは仕事。情報収集でしょ。なに急に顔赤くしてるのよ。」


「はぁ? 赤くなんかなってねーよ。」


「なってるわよ。もしかして緊張してるの?」


「はぁ? なんでキミみたいなネコ娘相手に緊張するんだよ。 赤くなったのは、バーボンロック飲んだからだろ。」


「もしかして、やっぱりデートとかしたことない感じ?」


ネコ娘がニヤっと笑った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ