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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第77話 ご馳走?

「もう外暗くなってるよ? 起きてよ。」


身体が揺すられて目が覚めた。


あれ? 結局オレもすぐに寝ちゃってたんだな。


「おう。しっかり身体休められたか?」


「アタシより、貴方の方がしっかり休んでるじゃないの。」


「いいだろ、探偵は身体が資本なんだ。休めるときに休むのが鉄則だ。」


「なんでそう、ただ寝落ちしただけなのに余計な説明が付くのかが不思議よね。まぁいいわ、とにかく、もう外暗くなってるよ? 屋台行こうよ。」


「よし、行くか。」


顔を洗って、外へ出た。


「1軒目から屋台で良いのか?」


「いいよ。っていうか、その、スクーゼっていうの食べてみたいんだよね。」


「あぁ、そういうことか。素朴な味でオレは好きだな。」


「あと、歌って踊れるウメちゃんって人にも会ってみたいし。」


「ライブバンドで歌うとは言ったけど、踊るとは一度も言ってないぞ?」


「歌うだけより、歌って踊れる方が絵になるでしょ?」


「いや、絵になるかどうかじゃなくて、本人がどうしてるか、だろ・・。 あ、あそこだよ、ほら、あそこに提灯が出てる屋台があるだろ。」


小さな飾りのような暖簾を持ち上げる。


「らっしゃいませー。あ、まいど。」


鉢巻き姿で細身の初老の店主がニカっと笑った。


まだ誰も客の居ない屋台のカウンターに座る。


「へぇ、今日は美しいお嬢さんと一緒なんですね。へへへ。」


「これはオレの助手だ。」


「こんばんわ、ニーニャです、はじめまして。」


ネコ娘が店主に軽く手を振った。


「おれはビール。キミはどうする?」


「うーん、アタシもビールで。」


「じゃ、ビールとスクーゼ、2つづつ頼むよ。」


「はいよ、じゃ、先にビールね。」


トンっとカウンターに瓶ビールが置かれた。


「生ビールをジョッキで飲むのも美味しいけど、瓶ビールをこの小さなグラスでクッて飲むのも美味しいのよね。」


ネコ娘がコップにビールを注ぎながら一人ごちってる。


「じゃ、かんぱーい。」


「おぉ、乾杯。」


ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ。


「ぷわー、やっぱり美味しいねー、瓶ビール。」


「はい、スクーゼ。おまちどうさん。」


「へぇ、これがスクーゼなんだ。なんだか優しい匂いだね。いただきます。」


早速ネコ娘が魚のすり身と野菜の団子を口にほうばる。


「あ、あっつ・・。」


ネコ舌のくせにガッツくからだよ。まったくネコってのは魚の匂いがするとなんでもすぐに口に入れちゃうからな。


オレはちゃんと手堅く、団子を半分に箸で割って、パクっと。


うん、味が染み染みでうまいな。


「うん、これ美味しいわー。」


ネコ娘はフーフー息をかけながら団子にかぶりついてる。


「だろ? これがここの郷土料理、おふくろの味ってヤツだそうだ。」


「うん、優しい、初めて食べるけど懐かしい感じがする。」


「お嬢さん、うれしいことを言ってくれるね。 これも食べてみてよ。」


「うわぁ、マスター、ありがとう。これは? あれ? これも団子?」


「そう、それもスクーゼ。揚げてもうまいんだよ。」


「揚げスクーゼ、ってことか?」


「それでも通じるね。 実際には特に名前は無いんでね へへへ。 うちらは、スクーゼ揚げたの、なんて呼んでるかな。」


「はい、これ。旦那も食べてみてよ。」


「お、サンクス。」


「ほんとだ、同じ団子だけど、サクフワで食感も良いね。」


「あぁ、味も濃厚になってる気がするな。」


「流石旦那、そうなんですよ、油で揚げると塩気や旨味が増すらしいですよ。」


「へぇ、そういうものなのか。じゃ、味が濃厚になってるってのは、あながち間違ってなかったんだな。」


「そうなんだ、面白いね。」


屋台でわちゃわちゃと盛り上がってるところで暖簾がふわっと開いた。


「今夜は賑やかだね。あっ、誰かと思えば、レジェンド探偵さんじゃないの。なんだい、今日は綺麗なお姉さんとご一緒で、うらやましいなぁ。」


「やぁ、ウメさん。 綺麗なお姉さんって、この子はオレの助手だよ。」


「ウメさんですか? 色々とお噂は伺ってました。はじめまして、ニーニャです。」


「ニーニャさんね、よろしく。 お噂? また、どうせ碌な噂じゃないんだろ? え? レジェンド探偵さん?」


ニコニコ笑いながら、オレの肩をポンっと叩いた。


「オレは、ライブ・アンド・ルーズでバンドで歌った話しただけだよ。」


「アハハ、そうか、オレ、出番の日だったんだな。ってか、今夜もライブの予定が入ってるんだぜ?」


「え? そうなんですか? アタシ、行きたい!」


「おぉ、おぉ、嬉しいねぇ。こんな可愛らしいオーディエンスが来てくれるとは。 よし、じゃ、しっかりエンジン温めないとな。 オヤジ、ぬる燗たのむ。」


「はいよ、後は皮骨だね?」


「おう、もちのろんだよ。」


カウンターにコップ酒と砕いた骨が乗った小皿が出される。


「えぇっ? これって、なんですか?」


ネコ娘が興味深々で皮骨の乗った皿を指さした。


「アハハ、まぁ、そうなるよな、これはな、こうやって、骨についてる肉をそぎ落として食べる皮骨ってんだよ。」


「え? 骨は食べないの? そっちが美味しそうなのに。」


「はぇ? アッハハハ。 そうか、ネコ族のお嬢さんだと、骨の方がご馳走だったか。こりゃ一本とられたな。」


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