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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第128話 コンシェルジュデスク

「え? なんでまた展望台なのよ。」


「なに言ってるんだ、ゲートの街と言えば、城壁の向こう。 それが見える展望台がメインなんだぞ。」


「ホテルの屋上からも見えるよ?」


「・・・ いや、ほら、ホテル屋上の展望台とは高さが違うだろ。見える範囲が違うんだよ。 ほら、行くぞ。」


「ねぇ、買い物するのブロックしたいだけでしょ?」


「違うぞ。城壁の向こう、広大な世界が見たいんだ。 この街の中だけを見ていたんじゃ、世界の本当の姿は分からないからな。」


「・・・なんか壮大なこと言ってるけど、要するに市場から離れたいだけでしょ?」


「確か、展望台にはソフトクリーム売ってたよな?」


「行こう! 展望台。」


展望台へ続く長い階段を登る。


しまった、この階段のことを忘れてたよ・・。


「ほらほら、早く。」


ネコ娘はピョンピョン跳ねるように階段を駆け上がっていく。


「ちっ、ネコは身軽だよな。」


ようやく階段を登り切って展望台へ出ると、ネコ娘は既に売店の前に立っていた。


「はい、お疲れ様。 暑いし喉乾いたでしょ? 早速食べよ、ソフトクリーム。」


「・・もう喰うのかよ。」


「アタシはチョコとバニラのミックスにする。貴方は?」


「ちっとは人の話聞けよな・・。 オレはバニラだ。」


「すみません、ミックスとバニラ、一つづつ下さい。」


「オレは先にあっちのベンチ行ってるぞ。」


「了解。」


城壁の向こう側が見渡せるベンチへ座った。


やべぇ、膝がガクガクしてるぞ。これはしばらく休憩しないと。


「はーい、お待たせ―。」


バニラソフトクリームが手渡された。


「あの森の中で盗賊が出るってことよね。」


「あぁ、そうだな。もう少し奥の方だろうけどな。」


「え? 場所わかってるの?」


「いや、知らん。 でも、ここから見える範囲位まで来てれば、外で野営なんかしないで、ゲートくぐってこっちに来るだろ。確実に安全なんだから。」


「あ、それもそうね。流石レジェンド探偵様、読みが深いわ。」


「なぁ、軽く馬鹿にしてないか?」


「してないよー。 それにしても、何も事件も問題も無ければ、ここから見てるだけだと奇麗な森なのにね。」


「そうだな。人の強欲さが自然の美しさを破壊してしまってる例だな。大体、人間っていうのは、生物としての生きる、ということだけじゃなく、感情と・・・。」


「ねぇ、あっちが南よね? この紫バナナはあっちから来たのよね。」


「なぁ、マジで人が喋ってるときは、上から被せるなよな。 それに、今バナナどうでもいいだろ。」


「そう? アタシは、この紫バナナが実際に生ってるところを見てみたいけどな。 貴方は見たことあるの?」


「いや、オレも見たことは無いな。」


「世の中の全てを把握せしモノだけがレジェンドと呼ばれる資格があるのだ、とか言わないの?」


「そんな中二病を拗らせたようなこと、言う訳ないだろ。」


「・・・それ、貴方が言う?」


「オレは、どっちかって言うと、バナナの生ってる所より、違う街が見てみたい。」


「あぁ、それはアタシもそう思うな。ヴァンダニアとここしか知らないからね。それにヴァンダニアじゃ、ほとんど牢獄に居たから、街の様子とかよく知らないし。」


「確か、シャドーディーラーは、2日位で次の街って言ってたよな。」


「そうね。」


「その位の距離だと、馬車って幾らくらいするんだろうな。」


「え? 隣の街に行くの?」


「興味はある。だいたい、オレはこの世界自体初めてだからな。」


「じゃ今度、値段聞いてみようよ。 どこに行ったらわかるのかな?」


「いつもの馬車乗り場には、ゲートの外へ行くような馬車は無いしね。」


「ホテル帰ったら、フロントで聞いてみるか。」


「いいわね、じゃ、今からホテル戻る?」


「は? 今直ぐ聞くのか?」


「善は急げって言うでしょ。」


「別に、どこも、全然、全く善じゃないだろ?」


「良いじゃないの、どうせ今日はずっとこの街に居るんでしょ? で、たいしてすることも無いんでしょ?」


「そりゃ、まぁ、そう言われると否定は出来ないけど。」


「じゃ、決まり。 ハイ、行こう。 ほら、ちょうどソフトクリームも食べ終わったし。」


ネコ娘に急かされるように展望台を降りる。


ホテルに戻ると、真っすぐにフロントに向かった。


「ちょっといいかな。隣の街までの馬車について、教えてもらいたいんだけど。」


「あ、あちらのコンシェルジュデスクに資料もありますよ。」


スタッフがフロントの脇の小さなテーブルを指さした。


「隣の街までの馬車の資料を見たいんだが。」


「長距離馬車ですね。どちらまでの馬車をお探しですか?」


「いや、どこへ行くかもまだ決めてないんだ。」


「それでしたら、こちらの地図をご覧になりますか?」


コンシェルジュがテーブルに大きな地図を広げた。


「ここがシュバリア王国で、ゲートはここです。」


トントンと指で地図を指す。


「ゲートからの長距離馬車は3路線ありまして、ひとつは、西へ向かってラーデン王国へ行く路線、もうひとつが北のグラニド共和国へ向かう路線で、最後は南東のセルファン王国へ行く路線です。」


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