第125話 困ったときは屋台?
「はい、これ半分ね。」
ネコ娘が自分の皿から3種のベリーサンドを半分渡してきた。
「お、サンキュ。じゃ、こっちも半分な。」
デザートと言うにはかなり多すぎた感じのデザートを終えて店を出た。
「美味しかったね、大満足のランチだわ。」
「美味しかったは良いんだけど、とにかく、喰い過ぎだよ。今朝だって、かなりボリュームあるゲートサンド喰ったんだぞ?」
「たまには良いじゃない、折角王宮まで来たんだから、ね。」
「・・で、どうする? ゲートに戻るか?」
「そうね、こっちは昨日も来てたから、今日はもう行くところ無いかな。」
「それじゃ、帰りは連絡馬車じゃなく、普通の馬車に乗りましょうか、お姫様?」
「えぇ、それでよろしくってよ。」
「へ、なにが、『よろしくってよ』だか。ほら、馬車乗り場行くぞ。」
カタタン、カタタン・・
小気味よい音を立てて馬車が進む。
「うん、やっぱりこっちの方が乗り心地良いね。」
「はいはい、ご満足ですか? ネコ姫様?」
「よいよい、余は満足じゃよ。 それより、帰ったらどうするのじゃ?」
「帰ったら? 一旦ホテルに帰って良いんじゃないか? それとも、キミ、何かすることある?」
「うーん、まぁ、アタシも特にないな。 じゃホテルに戻る、一択だね。」
馬車を降りてホテルの部屋へ戻った。
「はぁ、沢山食べた後のごろ寝って、最高だわ。」
ネコ娘は早速ベッドへ転がった。
「キミは毎日毎日、喰っちゃ寝、喰っちゃ寝ばっかりだな。」
「へぇ、じゃ、貴方は昼寝しないのね?」
「もちろん、昼寝なんて時間と人生を無駄にするようなことはしないさ。オレはシンプルに体力回復を目的として一時的に身体を横にす・・」
「お・や・す・み。」
「あのな、人の話は最後まで聞けって何回言ったら理解するのかな。 なぁ。」
Zzzzz...
「今度は狸寝入りかよ。まったく、ネコなんだか狸なんだか、忙しいな、キミは。」
「ねぇ。ねぇってば。」
身体が揺さぶられている。
・・あ、寝てたんだ。
「うん? どうした?」
「どうした、じゃないわよ。いつまで寝てるのよ。 貴方って昼寝じゃなくって、ガチで寝ちゃうから凄いわよね。」
「いや、寝てないぞ。オレは、体力回復のために、致し方なく身体を横・・。」
「ほら、もうそれは良いから、外見てみてよ。すっかり夜だよ? 食事はどうするのよ?」
「キミの関心毎ってのは、いつでも食事のことばっかりだな。」
「貴方が今まで昼寝じゃなく、致し方なく身体を横にしてたのは、体力回復でしたよね? それなら十分な栄養も必要ですよね? その栄養はどうやって補給するおつもりなんですか、レジェンド探偵様?」
「わかったよ。晩飯にしよう。何か喰いたいものでもあるのか?」
「うーん、特には無いんだよね。」
「それじゃ、とりあえず外出て、店を見てみながら考えるか。」
「うん、そうしよ。」
ホテルを出て市場の方へ向かって歩く。
「やっぱり、こっちって、王宮城下町と比べると規模が小さい街だからか、あまり店の選択肢も無いね。」
「そりゃ需要と供給のバランスってのがあるから、客の居ないところに店は出来ないだろうよ。 でも、こっちはこっちで、やっぱり国境の街っぽい感じがあって、オレは気に入ってるけどな。」
「アタシも街は好きよ。ただ、食べるところが少ないのよね。」
「確かにな。あ、そうだ、昔から困ったときは屋台って言うだろ、行ってみるか?」
「そんなこと言われてたっけ? まぁ、いいけど。だいだい、屋台なんてあった?」
「ほら、初日に昼飯で喰っただろ。ロティスとかって、肉の塊みたいなの焼いてる店で。」
「あー、ビーフとマトン買ったね。アタシはマトンの方が好きだわ。」
「あそこなら、他にも屋台が色々出てたろ。 で、夜だったら、ビール売る店位出てるんじゃないか?」
「そうかもね。じゃ、行ってみよ。」
屋台が並ぶ一角はカラフルな電飾で飾られていた。
「あら、この辺って、夜はお祭りみたいな雰囲気になってるのね。」
「お、やっぱり夜は飲み物の店も出てるぞ。ここで色んなもの買って食べるってことで良いんじゃないか?」
「そうね。なんだか夜の方が賑わってるみたいだしね。」
「結構人も出てるな。空いてる席あるのかな?」
「うーんと・・ あ、あそこは? ちょっと見てくる!」
ネコ娘が少し離れた席の方へ走っていった。
「空いてたよー。」
両手を振りながらピョンピョンと跳ねてる。
元気だな、ネコって。
「どうする? オレが座ってるから、先にキミが食べ物買ってくるか? それとも、キミが残ってオレが買ってこようか?」
「アタシ買ってくるよ。」
なぜかノリノリで屋台の方へ向かっていった。
「お待たせ。 とりあえず、ジャンボ腸詰め、干潟貝の串焼き、野菜焼き麺買ってきたよ。あとは、今ビールが来るからね。」
「ビールが来る? 飲み物は席まで持ってきてくれるのか?」
「普通の飲み物は自分で持ってくるんだよ。 でも、今頼んだものだけは、持ってきてくれるんだってさ。」
「うん? 何を頼んだんだ?」




