↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
122/131

第122話 控室

 ジュッ・・。


マスターが丸パンを切って鉄板に乗せると、バターが溶ける音とともに香ばしい小麦の香りが広がった。


「ふーん、ここの店のゲートサンドは、パンを焼くんだ。 ゲートサンドってバリエーションが多いんだね。」


「なるほどな、ゲートサンドって料理じゃない。『文化』なんだ。」


「へぇ。」


「同じ名前でも、店ごとにまるで違う。だから競い合ってるんじゃない。それぞれが、自分のゲートサンドを作ってる。」


「それって普通じゃない?」


「・・・」


「お待たせしました、森の恵み、カリカリと香ばしめ。あと、コーヒーとミルクティーね。はい、ごゆっくり。」


マスターが料理をテーブルに置いた。


「うわ、やっぱりここのゲートサンドもボリューム凄いね。 よしっ、頑張って食べないと。 いっただきまーす。」


「まずはコーヒーからだろ。」


コーヒーを一口飲む。


「これ、バターがジュワーってしてきて美味しいわ。」


「そうか? それじゃ、オレも頂いてみるか。」


パクっとな。


「ほぉ、なるほど、そう来たか。 悪くないな。」


「でた、『悪くない』。」


朝からボリューム満点のゲートサンドで満腹になって店を出た。


「さて、と。宮殿へ行くか。」


ゲート前の馬車乗り場へ向かって歩く。


ふと、ゲートの詰め所を見ると、顔なじみの衛兵が居た。


「朝倉殿! ニーニャ殿!」


衛兵もオレ達を見つけたのか、詰め所から出てきた。


「お疲れ様です! 本日はどうされましたか?」


「お疲れ。 いやなに、いまからガラハッド騎士団長の所へ報告に行くところさ。」


「それでしたら、もうすぐ定時巡回の馬車が出ますが、同乗されますか?」


「そうか? それは助かる。」


「では、こちらへ。」


衛兵と一緒に詰め所裏の騎士団の連絡用馬車へ向かう。


「アサクラ殿とニーニャ殿、ガラハッド騎士団長の特命担当のお二人だ。宮殿までお送りしてくれ。」


衛兵が馬車のドアを開けてくれる。


「ありがとう、助かるよ。」


「ご苦労様です。ガラハッド騎士団長にもよろしくお伝えください。」


衛兵の敬礼を受けながら連絡馬車が出発した。


「ねぇねぇ・・」


ネコ娘がわき腹を突いた。


「なんだ?」


「昨日の馬車の方が乗り心地良かったよね。」


耳元で小声でささやいた。


「そりゃ、騎士団の連絡用の馬車なんて、いわば軍用モデルだから、乗り心地より強靭さだろ。」


「今度から普通の馬車で行こうよ。」


「はぁ? 最初にこの馬車乗った時はえらく感動してたのに、贅沢になったもんだな、おネコ様は。」


「だって、あの時は、まだ馬車乗ったのなんて、数えるほどしかなかったもん。」


「だけどな、この馬車だと、宮殿の中まで入れるんだぞ? 普通の馬車じゃ、馬車乗り場から歩かないといけないんだぞ?」


「それもそうね・・。」


馬車の中で小声で話をしているうちに、馬車が宮殿の中に入った。


騎士団詰め所の前で馬車が止まる。


カチャッ


「ご苦労様です。」


宮殿の衛兵が馬車のドアを開けた。


馬車を下りて、ガラハッド騎士団長の部屋へ向かう。


「コンコンコン」


騎士団長の部屋の扉をノックする。


「・・・」


反応が無い。もう一度。


「コンコンコン」


「騎士団長なら会議中ですよ?」


騎士団長の隣の部屋のドアが開いてメイド服姿の女性が顔を出した。


「あら? アサクラ殿とニーニャ殿じゃありませんか?」


「あーっ、光る茸の料理の時の!」


ネコ娘がメイドの手を取って握手した。


「はい、貴賓室にお泊まり頂いたときにお世話させて頂きました。今日はガラハッド騎士団長にご用事ですか?」


「そうなの。でも、会議中なのね?」


「はい。そうだ、こちらでよろしければ、お茶でもご用意しましょうか?」


「それは助かるわ。」


「それではこちらへどうぞ。」


部屋へ入ると、メイド姿の女性たちと執事姿の男性たちが居た。


「ここは使用人の控室なんですよ。 さ、こっちの椅子を使って下さい。」


使用人たちの休憩用のスペースだろうか、イスが4脚置いてある小さなテーブルに案内された。


「お茶でも入れましょうか。ガラハッド騎士団長は定例会議に参加されてるので、昼前まではかかると思いますよ。」


「あらら、それはしばらく待たなきゃだね。」

「それじゃ、すまんがここで待たせてもらおうか。」


「それじゃ、お茶淹れ来ますね。」


メイドさんが奥の方へ行ってしまった。


「昼前まで会議ってことは、また、一緒にランチしながら話しようってことになるんじゃないの?」


「そうかもな。 なんだか嫌そうだな。」


「だって、あの固い黒パンと塩っけしかない肉の塊かもしれないんだよ?」


「しょうがないだろ、食事を楽しみに来たわけじゃないんだから。」


「それはそうだけど。 それじゃ、ここでのランチミーティングが終わったら、この前行った、フルーツサンドの店に連れてってくれる?」


「フルーツサンドって、今朝ゲートサンド喰ったろ。またサンドか?」


「あのね、ゲートサンドとフルーツサンドは全然別物。フルーツサンドはデザート枠ですからね。」


「わかったよ。終わったら連れてってやるよ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。