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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第113話 ルームサービス

「ママ、そろそろ帰るわ。こっち、おあいそしてもらえる?」


ガロンさんが大きく両手を挙げて欠伸をしながら言った。


「あ、それじゃ、オレ達もそろそろ帰るかな。」


ミックさんとボルトさんも帰り支度を始めた。


「あ、お店って何時までなの?」


「あ、まだまだ全然大丈夫よ。皆さん、商売されてて朝早いんで、あまり夜遅くならないうちに帰られるのよ。」


「おぉ、全然気にせんでくれ。逆に、みんな帰っちまったら、ママが悲しむわな、アハハ。 それじゃ、お先に。」


ガロンさんが大きく手を振って店を出て行った。


「じゃ、お休み。」

「またね。」


ミックさんとボルトさんも続けて店を出て行ってしまった。


「急に静かになると、なんだか時間が止まったみたいに感じるわよね。」


ネコ娘がロックグラスを軽く回してる。


「オレ達も、明日の朝早い訳じゃないけど、そろそろ行くか?」


「そうね。それなら、〆に何か食べてからにしない?」


「そうだな、それ位がちょうど良いかもな。ママ、なにか〆で食べるようなもの、あるかな?」


「そうね。ご飯だったら焼き味噌飯、麺だったらバターリーナとかどうかしら?」


「バターリーナ? リーナってなんだ?」


「あ、そうよね、この街初めてだったわよね。 これ、この麺がリーナ。」


ママが後ろの棚から乾麺の束を取り出して見せてくれる。


「平打ちのパスタみたいな感じだな。 オレは、このリーナにする。」


「それじゃ、アタシも同じものにするわ。」


「はい、バターリーナね。これ、直ぐに茹で上がるんで、ちょっとだけ待ってね。」


ママがバターリーナの準備を始めた。


「ねぇ? アタシちょっと気になってるんだけど、夜の盗賊って、夜眼水晶が関係あったりしないのかなって。」


「うん? 夜眼水晶・・? でも、あれは確か、生き物しか見えないから、夜の移動では役に立たないって・・。うん? 移動に使うんじゃなくて、商人が野営してる場所がわかれば良いだけか。 使えなくもないか? でも、まぁ、関係ないだろ。」


「そうかな、なんか気になるのよね。」


「はい、バターリーナ、お待たせ。」


ママが黄金色のバターリーナが盛られた皿を置いた。


「うわぁ、美味しそう。いっただきまーす。 熱っ。」


「慌てて喰うなよ、ネコ舌なんだから。 それじゃ、オレも・・。 熱っ。」


「まぁまぁ、なんだかんだ言って、仲の良いお二人ですこと。フフフ。」


「仲良くありません。」

「それはないな。」


バターリーナをサクッと平らげて店を出た。


「バターリーナ、美味しかったけど、この時間に食べるのはちょっと背徳感よね。」


「あぁ、名前の通りだけど、バターが凄かったな。」


たわいもないことを話しながら、夜道をホテルへ向かう。


「ただいまー。うわぁ、気持ちいいー。」


部屋に入ると直ぐにネコ娘が自分のベッドに飛び乗った。


食べてすぐ寝ると牛になるぞ、と言いかけたが、それを言うと、ネコなんだか牛なんだか人なんだか訳ワカメになりそうだったんで、やめて、オレも自分のベッドに横になった。



 カラカラカラカラ・・


うん? 聞き覚えのあるような音だな。 あ、これは窓の音だったな。


窓が開く音で目が覚めた。


外の方を見ると、やっぱりネコ娘がベランダに居た。


時間は? 8時か。早くもないし、遅くもないな。 それじゃ、起きるか。


ベッドから起き上がってベランダへ出た。


「あら、おはよう。」


「あぁ、おはよう、今朝もベランダから外見てるのか?」


「うーん、外見てるっていうか、ここに居ると、風が気持ち良いのよ。 あ、そうだ、ねぇ、今日の朝ご飯だけどさ、ルームサービスっての頼んでみない?」


「はぁ? ルームサービスで何を頼むんだ?」


「だから、ルームサービス頼むのよ。」


「いや、だから・・ ルームサービスで何を頼むんだって聞いてるんだよ。」


「へ? 何度も言ってるじゃないの。ルームサービスを食べてみたいのよ。」


「・・・もしかして、ルームサービスって、料理の名前だと思ってないか?」


「そうだよ? さっき見たもん。」


「見た? どこで見たんだ?」


「さっき、プールの周りを散歩してきたのよ。 その時、階段で大きなトレーに料理を載せて運んでるスタッフとすれ違ったのよ。 で、美味しそうだったから、それなに? ってきいたらルームサービスですって言ってたんだもん。」


「・・・アハハハ。そういうことか。あのな、それは料理の名前じゃないぞ。ルームサービスってのは、料理を部屋まで持ってきてくれるサービスのことだぞ。」


「えーっ、そうなの? それじゃ、あの料理の名前が分からないじゃないの。」


「いや、朝飯だろ? たぶん、モーニングセット的なものじゃないのか? 聞いてみればいい。 館内電話でレストランに電話すれば教えてくれるぞ。」


「そうなんだ。じゃぁ、今朝は、そのルームサービスっていうの頼んで良い?」


「あぁ、なんでも好きにしてくれ、毎日市場で食べても飽きちゃうしな。 あ、オレにも、モーニングセットのメニュー教えてくれよ。」


「了解っ。」


ネコ娘が館内電話の受話器を取った。


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