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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第108話 調べ箱

 1階のプールへ降りる。


「プールって深いのかな? アタシ、子供用の方が良いかな?」


「さぁな、オレもここのプール入ったことないから、深さとか知らないけど、あ、一応、書いてあるぞ、あそこに。」


「ほんとだ。こっちが1.1で、向こうが1.3って書いてあるね。」


「深くても1.3メートルなら、普通に立てるだろ。 たぶん、胸のちょっと下位までの深さじゃないか。」


「そうなんだ。じゃ、入ってみようっと。」


ネコ娘がプールの梯子をゆっくりと降りていく。


しかし、ネコって水嫌いじゃなかったかな?


「ひゃー冷たい!」


プールに入ってピョンピョン飛びながらはしゃいでる。


生まれて初めてのプールって言ってたから、楽しいんだろうな。


オレは、デッキチェアで軽く昼寝でもするかな。


 ピチャピチャピチャ・・。


ん? なんか冷たいものが・・。


目を開けると、ネコ娘がオレの顔を覗き込んでいた。

髪から水がオレの顔に落ちてきてる。


「うわ、なんだよ、冷たいな。」


「ねぇ、アタシ、部屋に戻るけど、貴方はまだ、寝てる?」


「いや、オレも部屋へ戻るよ。」


部屋に戻ると、時間は12時少し前だった。


「なんだ、もう昼飯の時間じゃないか。 結構プールで遊んでたんだな。」


「貴方はずっと寝てたけどね。」


「オレは昨日、遅くまで仕事だったからな。」


「奇麗なママと飲んで話す、素敵なお仕事ね。」


「だから、そんなんじゃないって。」


「ふーん、どうだかねー。 まぁ、それはそれとして、そろそろランチに行かない? ついでに市場にも行ってみようよ。」


「そうだな、市場は街の縮図だからな。」


ホテルを出て、市場へ向かって歩く。


「あれ? 魚の匂い、そうね、魚を揚げた匂いがする、それも沢山。」


「そうなのか? オレは感じないけど、キミがそう言うならそうなんだろうな。」


「あ、見て、揚げ魚って書いてある店があるわ。あ、あっちにもある。」


「揚げ魚が昼の定番なのかもな。入ってみるか?」


「もちのろんよ。」


「キミの鼻を信じるから、どこの店にするか選んでくれよ。」


「任せて、これはね、新鮮な魚の匂いがする店を選べば良いのよ。 クンクン、こっちね。」


何件か、揚げ魚って看板が出てる店があるけど、ネコ娘は一直線に、白い暖簾が出てる店に歩いて行った。


店の扉は開きっぱなしの開放的な店だ。


店の入り口のキッチンには大きな鍋にたっぷりの油が熱せられて揺らめいていた。


窓際の席に座ると、店員の初老の男性が壁を指さした。


「いらっしゃい、今日のメニューはあれね。」


壁には黒板が掛かっている。


「揚げ魚定食、ポテト・酢漬け・タルタル・スープ付き。で、本日の揚げ魚が、白身魚、川マス、青魚なんだ。 アタシは青魚にするわ。貴方は?」


「オレは白身魚だな。」


「青魚と白身魚ね。ちょっと待っててね。」


初老の店員がキッチンにオーダーを伝えると、すぐに大きな鍋に魚が入り、ジュワっという音が店内に響いた。


「はい、おまたせ。青魚と白身魚ね。」


揚げ魚とフライドポテト、酢漬けが乗った木皿とタルタルソースの入った小さな皿、それとスープのお椀がテーブルに並んだ。


「揚げたての魚、美味しそう。いっただきます。 ハフっ、熱い・・。 でも、美味しい、これ最高だわ。」


「揚げ物は揚げたてが一番うまいからな。」


パクっとな。


「お、ホクホクしててこれ、全然悪くないな。」


「出た。悪くない星人め。」


揚げ魚定食を堪能した後は市場の散策だ。


街の市場とは比べ物にならないくらいの種類豊富な香辛料が並んでる。


「ここ歩くだけでも、スパイスの香りが身体全体に絡んでくる感じがするわね。」


「あぁ。目で見てるだけでも楽しい。本当にいろんな種類があるもんだな。」


スパイスエリアを抜けると、雑貨のエリアだった。


「素敵な箱ね。なんだろうこれ?」


「お嬢さん、開けてごらん。」


店のおばあさんがニコっと笑ってる。


パカっ


蓋を開けると澄んだ金属音が小さく鳴り始めた。


「わぁっ、音が鳴った、なにこれ?」


「フフフ、これはね、調べ箱っていうんじゃよ。遠い遠い国で作られてる珍しい箱なのさ。奇麗な音色じゃろ?」


「うん、すごく奇麗。 ・・・ねぇ?」


「買わないぞ。」


「まだ、何も言ってないじゃないの。」


「じゃ、そのまま何も言わない方が良い。」


突然、ネコ娘がわき腹を突っついてきた。


「うわ、なんだよ。」


また、突っつく。


「なんなんだよ、何か言えよ。」


「言っていいの?」


「なんだよ。」


「これ、欲しいな。」


「オルゴール買っても使い道ないだろ。」


「オルゴール?」


「あぁ、これはオレの居た世界ではオルゴールっていう。ゼンマイの力で回転する筒が、金属の歯を順番に弾いて旋律を作る機械だ。」


「へぇ、貴方って、なんでも知ってるのね。だから、みんながレジェンドって呼ぶのかしら。豊富な知識でどんな難問題も解決するレジェンド探偵さん。 家にもいろんな素敵なものが置いてあるんでしょうね。調べ箱とか。」


「・・・わかったよ。買ってやるよ。色んな曲があるんだろ? 好きなの選べよ。」


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