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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第107話 ゲートサンド

「そうだ、お礼ってほどじゃないけど。ちょっと待ってて。」


ママが冷蔵庫を開けた。


カウンターに小皿が置かれる。

クラッカーの横に、淡いクリーム色のなにかがのっていた。


「これ、自家製のレーズンバターなの。」


「へぇ、ママの手作り? それはうれしいな。 それじゃ早速頂くとしようか。」


クラッカーにレーズンバターを塗って、口に入れた。


「お、これは美味いな。口の中いっぱいにレーズンの甘みとバターのコクが広がる。バーボン・ロックにピッタリだ。」


「あら、そんなに褒めて頂けると嬉しいわ。」


「レーズンバターが美味すぎて、バーボンが足りないな。もう一杯頼むよ。」


「あら、レジェンド探偵さん、お酒も強いんですね。」


「その、レジェンド探偵っていうのは止めて、アサクラって呼んでくれないか。 レジェンド探偵って呼ばれると、どうも仕事モードに戻っちまうから。」


「はい、わかりました、アサクラさん。」


アサクラさん、か。こんな風に呼ばれたのは久しぶりだな。

カウンターの端の客と談笑しているママの横顔を見ながら少しニヤけてしまった。


しかし、あの客も、もう一人の客も、なんとなく、オレをチラチラと見てる気がして、落ち着かないな。

新客の癖に、ママと親しげに話すなよってことなのか?


もう一杯だけバーボン・ロックを飲んで、店を出た。


帰りも馬車に乗ってゲートまで帰る。


ホテルの部屋に戻ると、ネコ娘は既にベッドで眠っていた。


さて、オレも寝るとするか。


今までの宿よりも数段ふかふかのベッドに横になると、すぐに睡魔が襲ってきた。


 カラカラカラカラ・・


うん? なんだこの音?


軽い、何かが転がるような音で目が覚めた。


ゆっくりと目を開けて、音の方を見てみる。


大きな窓が開いて、ネコ娘がベランダに居た。


あぁ、窓を開けた音か。


まだ少し眠いけど、2度寝をするほどではない。

よし、起きるか。


ベッドを出て、ベランダへ出る。


「あ、おはよう。」


「あぁ、おはよう。 何か見えるのか?」


「ううん、別に。 風が気持ちいいんだよ。」


「もう朝飯は喰ったのか?」


「まだだよ? 貴方が起きるの待ってたよ?」


「オレを? そうか。それじゃ、なにか喰いに行くか。」


ホテルを出て、市場の方へ向かう。


「この辺、ゲートサンドって書いてある店が多いね。」


「なんだ? ゲートサンドって?」


「アタシも知らない。 食べてみる?」


「あぁ、多分この辺の名物なんじゃないか?」


「じゃぁ、あそこの、角の店にしようよ。」


「キミに任せるよ。」


ネコ娘に続いて店に入る。


小さなテーブルが6卓だけのこじんまりした店だけど、店内は明るくい感じで、良い雰囲気だ。


「いらっしゃい。」


すぐにスタッフが薄い木の板のようなメニューを持ってきた。


「へぇ、ゲートサンドは焼き立て丸パンにレタス、トマト、チーズ、特製ソースなんだって。 それに、追加していくみたい。 えっとね、肉がハム、ベーコン、ソーセージで、卵が目玉焼き、スクランブルエッグ、オムレツで、野菜はオニオン、ピクルス、アボカドだってさ。 アタシは、ソーセージとアボカド入れてもらおうっと。」


「そうだな、じゃ、オレは、ハムとオニオンとピクルス入りにする。」


「ソーセージ、アボカドと、ハム、オニオン、ピクルスですね。」


スタッフが調理場へ戻っていった。


「お水はセルフサービスみたいだね。アタシ取ってくるよ。」


ネコ娘が、大きめなガラスポットとコップが並べてある台へ向かった。


「ねぇ、ここのお水、ハーブウォーターなんだよ。」


コップを2つ持ったネコ娘がニコニコしながら戻ってきた。


「へぇ、こじゃれてるな。」


「なんか、ハーブが入ってるとヘルシーな感じがしない? あと、香りが良いから飲みやすいし。」


「そうだな。特に飲んだ翌朝とかな。」


「なんかそれ聞くとおしゃれ感がなくなるなぁ。」


「おしゃれより健康だろ。」


「・・・」


「お待たせしました。こっちがソーセージ、アボカドで、こっちがハム、オニオン、ピクルスです。」


スタッフが大きな白い皿にのった、大きな丸パンの塊みたいなものを持ってきた。


「・・・なんだこれ。 大きいね。」


横に切られた丸パンから、具材が思いっきりはみ出してる。

かつ、具材も多いんで、丸パンの切り口が45度位に開いちゃってる。


「これはオレでも口に入らないぞ。 もしかして、お上品にナイフで切って食べるものなのか?」


「いや、そんなことないみたい・・。」


ネコ娘が周囲の客の様子を見た。


皆思いっきりかじりついてる。


「なるほど、良いマナーだな、よし、じゃぁ。」


はみ出した具材、パン、色んな部分にかじりつく。


「これはメッチャボリューミーで食べ応えあるな。」


「朝から凄い量だよね。」


「流石、旅人の街ってことか。」


相当満腹になって店を出た。


「アタシ、ホテルに戻って、プール行ってみたい。」


「プール? そうだな、午前中はゆっくりするか。」


ホテルの部屋に戻る。


「へへへー、もう準備してあるんだよ。」


ネコ娘が水着を取り出して見せてきた。


「へぇ、いつ買ったんだ?」


「昨日の夜、夜市で買ったんだ。」

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