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怨讐の拷問塔  作者: ころぶくん
1章
99/100

世界最高戦力vsSランク冒険者3


 ユウジはとにかく鍛えた。


 誰にも負けないように、自分の正義を貫き通すために。


 とはいえいくら力を手に入れたとて意味なんてない。


 警察を力で制圧するなど、無意味だ。


 それどころか達成に至る前に寿命を迎えてしまうのが関の山だろう。


「ははは……なんだったんだ、僕の人生は……。」


 乾いた笑いだけが響く。


 世の中を正す為に必死になって警察官になり、上に立つ為に更なる努力を重ねた。


 警察のトップになれば何か変わるんだろうが、ユウジの思想は警察組織の中では異端だ。


 感情を抑制することも難しいユウジにとって己が思想を押さえつけるなどという苦痛には耐えられない。


 だからユウジでは成り上がれない。


「どうすれば……。」


 ユウジの中では完全に手詰まりだった。


 もうどうしようもなかったのだ。


 数日後……。


「くああああああ!!!」


「ぬぐううう!!?」


 不意打ちで次長を仕留めるユウジがそこに居た。


「な、何をしている!!!?」


 すぐさま上司に見つかるユウジ。


 だが、これで良かった。


「これが僕に出来る最期の世直しです。」


 全身次長の返り血を浴びながら狂気の瞳を滾らせて、佇むユウジ。


「さよなら、生きてきた世界。父さん、母さん、ごめんなさい。生まれてきて……ごめんなさい……。」


 ザシュッ


 ユウジは躊躇いもなく凶器を自分の首筋に押し当て、一息に動脈を断ち切った。


 辺りに赤い飛沫を撒き散らし。


 その生に幕を閉じた。


 その人生を過ごしたことを自覚したのは、転生してからすぐだった。


 ユウジはこの世界が自分が過ごした世界とは別物だと理解するのに時間はかからなかった。


「ユウジ、君は何の為に力を求めるんだい?」


 10歳のその日、ユウジは師匠となった人から問われる。


「メイ先生。僕は僕の正義のため、目に見えるすべての間違いを正しくするために力を求めます。」


「あの子と同じようなことを言うんだね。良いよ分かった。君を世界屈指の冒険者にしてあげよう。」


 クスクスと笑うメイと呼ばれた女性。


 見た目はかなり幼いのに、何十年何百年と生きた貫禄を醸し出していた。


「はぁ……はぁ……」


 ユウジはどんなに辛いことだろうと全てを受け入れ、全てをこなした。


 成すべきことを為すために努力をし続ける狂気は前世譲りだ。


 6年後、7人目のSランクとして名を馳せるのは必然と言えた。


「ユウジ、君に教えられることはもうないよ。君に比肩する者はごく一部と言っても過言じゃない。」


「ありがとうございます。そうだとしても、僕はまだまだ研鑽を続けます。」


「良いね。それでこそだ。ただ一つだけ忠告をさせて欲しい。」


「何ですか?」


「あの力を解放させるのはやめてほしい。」


「…………必要とあらば使うかもしれません。」


「ダメだよ。必要となる場面なんか考える必要はないけど、万が一を考えて封印させてもらうよ。」


「え……。」


 辺りを薄青い光が包む。


「君はこれを思い出す時、それは死ぬ時だろう。だけど、死ぬその瞬間だとしても解放しないことを願うよ。」


「……?」


 ユウジにはもう理解出来てない。


 そうユウジにはまだ秘められた力があったのだ。


 ((((((((((((((((((((

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