イワクヤマの女王様3
村の中へと進んでいき、大体中央の辺りだろうか。
荘厳な雰囲気の建物が見える。
私たち3人は流れるようにその中へと入る。
「おい!会議室を使う!私が良いと言うまで誰も入れさせるな!」
美人さんは中で作業している人たちを怒鳴りつけながら、とある一室に入っていく。
私たちもそれに続いた。
「そこに座れ。茶は出ないからな?」
奥の椅子にどかッと腰掛けると私たちには向かいの椅子に座るようアゴで指示する。
「お主もうちっと余裕を持ってじゃな……。」
「黙れ放蕩娘。お前のために時間を取ってやろうと言うのに一々気に障ることをさえずるな。」
「むぅ……。」
引き下がるアナスタシア。
「まずは自己紹介だったな。イワクヤマ国のトップをしているカタストロフィだ。」
「う、うむ。こちらはキリコ。異世界よりメイビスによって召喚された奴らの1人じゃな。」
「よ、よろしくお願いします……。」
さっきから何この怖い雰囲気。
流されるように自己紹介をされたのでとりあえず答えておく。
「ほう?あの最強王女が呼んだ奴か。面白そうだ。」
カタストロフィはニヤリと笑う。
この何でも強気な人をもってしても最強と称されるメイビスはやはり凄い人なのだろう。
「そうじゃ、まあ純粋にキリコの目的としては元の世界に帰ることじゃ。その方法を探しとる真っ最中でのぉ。」
本題に入っていく師匠。
「ふむ……私からオクタムの居場所でも探ろうとかいう魂胆か?」
「さすがじゃな。」
「話の流れからして分かるさ。だが、そうだな……。」
鼻で笑うカタストロフィ。
そして、少し考え込むように腕組みをして……。
「条件がある。」
またしてもニヤリと笑いながら私たちに向き直った。
「条件じゃと?」
師匠は訝しげにカタストロフィを見た。
なんだろ、いつもは素直に教えてもらえるのかな。
「ああ。実は私の妹が行方不明でな。お前たちに救出を頼みたい。それが出来たらオクタムの居場所くらい教えてやるさ。」
カタストロフィは目を鋭くさせながらそう言った。
「む、フィーリアがか?」
「私が忙しくしている隙にな。全く不覚だったよ。」
悔しそうな表情を見せるカタストロフィ。
「おそらくここにいるであろう予想は立てている。魔のつくものの気配も感じている。厄介なことだ。」
「なるほどの。お主ほどのものがやられるとは一大事じゃな。」
師匠の表情も少し険しくなる。
「私が動けるならすぐにでも助けに行くのだがな。立場上ここを空けるわけにもいかん。アナスタシアお前なら任せられる。頼んだ。」
「オクタムのこともあるしの、わしとしてもフィーリアが心配じゃ。承ったわい。」
立ち上がり、師匠の肩をポンと叩くカタストロフィ。
それに対して快く引き受ける師匠。
なんというかすごく信頼を感じるなぁ。
「というわけじゃキリコ。」
「うん、依頼だね。」
「急ぎ向かうとしよう。」
私たちは双方にアイコンタクトを交わしながら立ち上がる。
前回の討伐依頼とは違って救出依頼だ。
難易度は高いだろうけど、自分のためにも頑張るぞ!




