魔のつくもの12
「メイビスが変わり果ててしもうた時あたりから存在し出した魔のつくもの。時系列はピシャリと合う。つまりじゃ、魔のつくものと魔の体質は大きく関連性があると見てまず間違いないのぅ…。」
「確かに、そいつらが出てきた原因がメイビスにあることは可能性高そうだね。」
色々と繋がった、と言うべきだろうか。
私と同じ体質のメイビス。
そして、私が召喚したシュルーフィドルと同じ感じがある魔のつくもの。
魔の体質が生まれつきのものだとするなら、私は地球に居た頃からこの体質を持っていたのか?
あの時の紗斗の言葉が蘇る。
"「んな"気持ち悪りぃオーラ"出してる奴が同じ人間なわけねぇだろーがドブネズミが。」"
私がこの世界に来てから発現したものだとしたら、この言葉はおかしい。
だって地球でも私は当たり前のように紗斗に虐められてきたのだから。
なんの大きな理由もなく…。
そして、紗斗の勇者という天職。
あいつは元から私の魔の体質を本能で感じ取っていた?
そうであるなら、今までのあいつの私に対する対応は少しは理解できる。
納得は出来ないが、理不尽に虐められてきた理由は分かる。
生まれた時から私達は相容れない存在だとしたら、この称号は神から、世界から与えられた運命であるとさえ言えるだろう。
生まれながらにして私は不幸な人生を歩むと決まっていたということになる。
なんで?どうして世界はそんなことをするの?
私の身体から黒いけむりのような何かが漏れ出す。
「斬子!!?」
師匠がその私の様子を見て本気で驚いた声を上げる。
だが、一度漏れ出した負の考えは止まらない。
それに伴って私の中の力が目覚めていくような、そんな感覚もあった。
「ありゃー、まずいっすねー。」
「呑気な反応をしとる場合か!お主は何か知っとるんか!!?」
「んー、知らね。ただ負のエネルギーによって斬子が強化されてくって事実しか分からないっす!」
「負のエネルギーじゃと?……まずい!」
師匠が私を抱き寄せる。
あれ?なんだろう。
なんだか懐かしいような…?
"生きろ"
それは私に希望をくれた暖かい言葉。
それが、私の心に澄み渡っていき。
「……師匠?」
黒いオーラは消え去った。
「なんとか、戻ったようじゃの。大丈夫か?」
師匠は私を離せば、笑顔を向けてくる。
「うん…ごめん、ありがと。なんか止まんなくなっちゃってさ。」
さっきの現象は覚えてる。
私なのに私じゃなくなったような?
理性が働かなくなったような?
原因は分かってる。
それにこれは世界がそうさせている。
まるで運命が私を物語のラスボスへと押し上げていくような、そんな風にさえ思える。
「大丈夫なら良いが…気をつけるんじゃぞ、斬子。」
不安そうに私を見つめる師匠がそれを肯定してるかのようなそんな気がして、私はなんとも言えない切なさを感じながら俯いた。
「ごめんね、師匠。」
「謝らんで良い。じゃがどうしようもなくなる前にわしに話す事!それだけ約束してくれんか?」
「うん。」
私は目を伏せながら頷いた。
現実から目を背けるように。




