魔のつくもの8
「ほうじゃの。Sランク指定の依頼をされとらんところを見ると被害はそこまで出とらんということじゃが…。強さはまず間違いなく一級品じゃのぉ…。」
「そ、そうなんだ…。」
それを言われると少し不安になる。
「ま、大丈夫っすよ。あくまでも人間の基準で見たらそこそこ強いってだけっす。」
それに比べてシュルーフィドルのこの余裕そうな感じはなんだろう。
もしかしてだけど私が召喚したこの子とても強い…?
「人間の…か……。後でお主には聞きたいことがある。」
「あはっ!なんなんすかね!ちょーっと楽しみになってきたっす!まあ……この状況を1人でなんとかするところを見せてくれたら、何でも聞いてくれて良いっすよ?」
シュルーフィドルはケタケタと笑った後にいやらしい笑みを浮かべていた。
「その言葉、忘れるでないぞ!」
その言葉を合図としたかのように、師匠は疾走していた。
以前の私ならまず間違いなくその姿を見失っただろうが、何故か今のわたしにはその動きが見えていた。
これはシュルーフィドルが何か関係しているのか?
「はあっ!」
師匠は化け物の前で高く飛翔し、頭と思われる所に踵落としをした。
しかし……。
『シィィィィ…!』
「かったいのぉ!此奴!」
化け物はまるで堪えた様子もなく、外傷さえ見当たらなかった。
『シィィィィ!』
ドゴォン!!!!!!
そして師匠を初めて認識したかのように、今までの少しのろのろとした動きが嘘だと言わせるような速さで師匠に突っ込んでいた。
「師匠!!」
それは師匠を直撃した。
あの巨体での体当たり…無事なはずが……。
「アレが全力の速さなら問題ないんじゃがのぉ……。」
「えっ!?」
だけど師匠はいつのまにか私の隣まで戻って来ており、息を整えていた。
「だ、大丈夫、なの?」
私は震えた声で師匠に話しかけていた。
「うむ……じゃが普通に殴ってもダメージが通らんのがちと厄介じゃのう。少々疲れてしまうが、上位スキルを使う必要がありそうじゃの。」
「おぉ!今のは凄いっすね!ボクでも見逃しちゃったっす!」
隣ではパチパチと手を叩いて拍手するシュルーフィドル。
やたら楽しそうな感じなのが凄い場違い感を出していた。




