魔のつくもの7
「そうじゃの。先ほどからいやーな気配が漂っとる。気を引き締めい。」
師匠も普段?の真剣な表情になっている。
正直、魔のつくものっていう存在のいやーな感じというのがよく分からなかったが、実際に感じてみると嫌でも分かる。
ゴキブリに対峙した時によく似ている。
こう、なんていうか生理的に受け付けない感じだ。
『シィィィィ……。』
空気が抜けるような音を出しながらそれは姿を現した。
全長は20mくらいだろうか。
私の知る蛇とは明らかに違うモノだった。
その大きさもさることながら、顔に当たる部分がおかしかった。
目がない…鼻と思しき穴もない。
ただソレは大きな大きな口?をゆっくりと動かしながら鳴いていた。
口というよりハサミに近い鋭利さを持ったそれは全体的に金色に光って硬そうな甲皮も相まって生き物というよりそういう機械のようにも見えた。
そんな姿を目の当たりにしているのだが、私は自分が思うよりずっと冷静だった。
今まで化け物という化け物を見たことがなかったにも関わらず、気持ちは落ち着いていた。
何故かはわからない。
得体の知れない動く物体に、嫌悪感。
どうしてこんなに穏やかで居られるのかさえ自分でも分からない。
さっきのシュルーフィドルのような超常現象?みたいな出来事だと慌ててたはず。
それ一回で慣れたとは考えにくい。
じゃあ自分でも気づかない内にこう言ったモノに耐性があった?
思い浮かぶのは魔の体質という称号。
「ほぉ…これはまたいつもよりヤバそうなのが出てきたもんじゃのぉ…。」
と…そんなことを考えるような余裕はなさそうだった。
その化け物はずる…ずる…と少しずつ間合いを詰めてくる。
『シィィィィ……。』
近づけば近づくほどそれの威圧感は増してくる。
私も武器を構える。
「ふーん、こりゃなかなか強そうっすね。ランクで言えばSランクってとこっすか?」
すたすたと祠からシュルーフィドルが出てきた。
てっきり帰ったものだと思っていたが、普通に居た。




