魔のつくもの2
「?」
師匠は慌てる私を見てキョトンとしていた。
そりゃそうだ、私だって師匠の立場なら絶対おかしいって思うし!
「と、とにかく!大丈夫だから!うん!」
自分の中にある黒い感情。
ずっと抑え込めてると思ってたんだけどなぁ…。
『おーい。』
改めて願わなきゃ。
なんていうかこのままだと気持ち悪いし。
『おーいってば。』
「ちょっと集中したいから黙っててくれない?」
「わしは何も言うとらんが…。」
「え?」
バッと振り向く。
そこには師匠しかいない。
あれ?さっきのはやっぱり師匠だったの?
『おーい!』
再度、頭の中に直接響くような声。
どう聞いても師匠の声なんだけど、師匠の口は動いてない。
どういうことだ?
「師匠、ホントに何もしてないよね?」
「何を訳のわからんことを言うとる?そもそも魔法系ではないわしが何か特殊なことが出来るわけがなかろう?」
そ、そっか…そういえば天職でスキルが決まるんだった…。
じゃあこの声は一体…。
『気付いてるっすよね!!?』
「なになに!?怖い!!」
「斬子!」
誰も居ないはずなのに響く声、師匠の声なのに師匠じゃない。
私は恐怖のあまりその場にうずくまって、頭を抱えていた。
それを見た師匠がこっちに走ってきて、その上から覆い被さるようにしながらも周囲を警戒していた。
まるで意味が分からないけど、どこか聞き覚えのあるようなないような…そんな話し方だったことは心の片隅にだが浮かんでいた。




