アナスタシアという人10
「……どうかしたか?」
慌てて裾を掴む私を事も無げに見つめてくる。
「えっと!その!聞きたいことがあるんです!」
「……アナスタシア。」
「何じゃ?」
ノーブルは私の必死な姿を横目に師匠の方へ向いた。
「……ちょっとヤバいかも。」
「我慢せい。それと話はきちんと聞いてやれ。」
「?」
謎のやり取りに私は先程の勢いを失って固まる。
我慢?え?どゆこと?
「……分かった。」
ノーブルは頷くと私に向き直った。
「……何でも聞くと良い。」
少し強張った顔で。
「え、えと…単刀直入に聞いてみますけど、地球って聞いたことありますか?」
その様子を少し不思議に思いながらも、私は質問した。
なんていうか聞いちゃいけない気がするし。
「……アースからそういう名の別世界があるというのは聞いた。」
なるほど、そういう認識なのか。
「その、私はそこからメイビスの力でこっちに来ちゃったみたいなんですけど、帰り方に心当たりとか何かあったら聞いてみたいんですけど…良いですかね?」
「……分からない。だが、地球という場所の座標が分かればあるいは。」
「そう、ですか…。」
少しは期待してたけど、仕方ないよね。
そう簡単にいったら苦労はしないか…。
「ほうじゃの。確かにチキュウとかいう場所が何処に存在しておるか、皆目検討つかんからのぉ…。」
「……(コクコク)召喚自体メイビスしか実行者がいない。」
師匠とノーブルは2人して頷きあっていた。
かなり昔から生きているこの2人でさえこんな反応なのに、メイビスは一体どういう経緯で私たちの世界を特定して、召喚までに至ったのだろうか?
メイビスの規格外ぶりに改めて恐怖した。




