アナスタシアという人7
そして、私たちは早速冒険に出ることにしたのだが…
「冒険者ギルドは全て繋がっておるからの。適当に依頼を受けておくのじゃ。」
という師匠からのアドバイスにより、依頼を受けに再び冒険者ギルドへと足を運んでいた。
「依頼って何を受けるの?どういうもの?」
正直よく分かってない。
「ほうじゃの。まあ次の目的地が近いところから適当にーじゃな。おぉい!モーヤ!モーヤはおるか!」
「うわ、うるさ。」
突然叫び出す師匠。
「はーいはいはい。毎度のことですけど、それどうにかなりません?」
受付をしていたモーヤさんが呆れた表情をしながらこちらに歩いてくる。
確かに、これ普通に迷惑だと思う。
「かー!心の狭い奴等が多いのぉ!そんくらい一々気にせんで良かろうに!」
「師匠、我儘はダメだよ。というか一緒にいる私がキツいから控えてほしい。」
「ぐぬぅ…。」
私に言われれば師匠はバツが悪そうに黙り込んだ。
「あら、珍しいですね?アナスタシアさんが言う事を聞くなんて…。」
「うっさいわい!そんなことより、ほれ!今から願いの祠に行くけぇ、その辺の依頼適当に見繕ってくれんかいの?」
「はいはい。じゃあこんなのはどうですか?アナスタシアさんなら簡単でしょう?」
パシッと一つの紙を取って私たちに見せてくる。
「ほぉ…なるほどのぉ…。」
「えーっと…魔のつくもの討伐…?」
魔のつくものってあの魔のつくものだよね?
「確かに、わしならそんな難しくはない、が!どうじゃ斬子?お主に合わせるわい。」
師匠は私の方をチラッと見てから言った。
まぁそうだよね、一緒に行くんだしそうした方が良いよね。
「でも、正直よくわからないよ。これだけじゃ。詳しく聞いても良いかな?」
「だ、そうじゃ。モーヤ、頼むぞい。」
「分かりました。少しクレアリーナ領土からは離れますが、そこのイワクヤマ魔国の辺境の地に願いの祠があります。その近辺に魔のつくものが見られると報告が入ってます。」
「えっと、具体的にはどんな奴なんですか?」
「そうですね。報告の通りですと蛇が出たとか言われてます。」
「蛇?蛇ってあの私のよく知ってるとぐろを巻いてる奴で良いの?」
師匠の方を向く。
「うむ、間違いないじゃろうな。まぁ魔の影響で特大サイズになってもおかしくはないがのぉ…。」
「はい、アナスタシアさんの仰る通りです。かなり巨大化しているようですね。」
「そうなんです、か…。」
正直気が引けるなぁ…。
「アナスタシアさんが居るから大丈夫だとは思いますけどね。」
「えっと、えっと…師匠は大丈夫だと思うの?」
「無論じゃな。何かあってもわしがおれば安心してよい。」
「そうなんだ。だったら、やろうかな。」
魔のつくものっていうのに一度対峙してみたいし、そこに着くまでにも色々と修行は出来るだろうしね。
「うむ、決まりじゃな。これを受けるぞ。処理をしてくれ。」
「分かりました。じゃあ受付表出しますから待っていて下さい。」
そう言ってモーヤさんはまた受付のところへと歩いていった。
「ホントに大丈夫なんだよね?信じるよ?」
念の為に再確認しておく。
「大丈夫じゃ!わしがお主を危険な目に合わせると思うか?」
「……うん、分かった。」
ここまで自信満々なら大丈夫なんだろうな。
「こちらが受付表です。無くしたらもちろん報酬はありませんので注意して下さいね。」
「うむ、確かに!では行くぞ斬子!」
師匠はパシッと受け取ればさっさと出て行ってしまった。
「え、ちょっと早いよ!待ってよ師匠!」
私はその後ろ姿を追いかけていく。
少しのドキドキを感じながら。




