アナスタシアという人6
「ごめんね、師匠。取り乱しちゃった。」
「自分の常識の外の情報が身近にあるとは誰しも思わんものじゃ。気にするでない。」
スッと師匠は私を離しながら言った。
これ以上迷惑かけたくないな…。
「では話の続きじゃが、アースの創った人類は12人じゃ。その12人は生まれた時の姿から一切変わっておらん。所謂朽ちぬ老いぬな肉体じゃな。」
「それが完璧な肉体ってことだよね?」
「うむ、彼奴らは言うてしまえばホムンクルスという存在じゃ。そして彼奴ら同士で生まれた子供でも知っての通り長くても80年程度までしか生きとらん。」
「そうだね、確かマーチだっけ?厳密に言えばそれが最初の子孫だもんね。」
ということは、師匠がこれまで生きてきたという事実は…うん、話が見えてきた。
「だいぶ理解してきたようじゃの。そして、完全なる生命体として産まれたのはわし含め3人じゃな。」
「へぇ…だったら何億年と存在してきてるのは16人ってこと?」
アースとアースに作られた12人とその3人ってことだよね?
「あくまでもわしが知る限り、という前置きが入るがの。」
「それもそっか。」
それなら師匠が色々と知っていることにも納得が出来る。
「まあ、成長がどこで止まるかというのは人それぞれじゃがな。」
「なるほどね。師匠は今の姿で止まっちゃったんだね。」
「ほうじゃの。まあそこはどうでも良いことじゃ。重要なのはそこではないじゃろう?」
「ん、そうだね。私も色々納得できたこともあったし、ここまでかな。今後の方針だけど、少なからず私の元いた世界との繋がりはあると思うし、アースって言う人には会ってみたいかなって思ってる。」
そのためには色々段階を踏まなきゃいけないことは分かってるけどね。
「うむ、それが良いかもしれんのぉ…。何処におるかは正直検討がついとらんのじゃが…。」
それはそうだと思う。
私もすぐにどうにかなるんて思ってないし。
「分かってるよ。だからこその冒険でしょ?ノーブルって人は何か知ってるかな?」
「彼奴か…色々適当じゃからなぁ…。」
師匠はため息を吐きながら頭を掻く。
「聞いてみるに越した事はないでしょ?」
「ほうだのぉ…んじゃま、聞いてみるかのぉ…。」
1番聞きやすそうな気がするのに、すごく微妙な反応をする師匠。
なんでだろ?




