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怨讐の拷問塔  作者: ころぶくん
1章
62/97

秩序の始まり3

 長い間話し、分かったことがあった。




 自分の複製を創ったアースだったが、実際のところ細かい部分は違うということ。




 特に大きく違ったのは考え方や感じ方。




 自分のと同じように魂も創ったはずなのだが、そういった違いも出てくるのか。




 とこれまたかなりの感動を覚えたという。




 そしてスキル。




 ジャンには言葉を意図して発する事により、その発した言葉と同じ現象が実際に起こってしまう。というスキルを持っていた。




 例えば大きな岩に対して「砕けろ」と頭に思い浮かべながら声に出せば目の前の岩が砕けたりするようなものだ。




 これほどまでに違うのだ。




 必然的に次の話題となったのは新たな人類だった。




 そこでアースは3人目を創った。




 緑色のパッツンで癖毛も一切ないピシッとしたストレートショートヘアーに鋭さは残る瞳ではあるが、キリリとした顔立ちだった。




 身長は自分達よりも少し見上げるくらいの大き目で筋肉はそこそこに普通の体型で創り上げた。




 アースは名をフェブラと名付けた。




 そして、言葉を教えてスキルを調べる。




 今まで自分達が見つけたもの感じたことを全て伝える。




 フェブラは愛を求めた。




 2人と話してフェブラは寂しさを感じたらしい。




 もっともっとたくさんの人との交流を、温もりを求めだした。




 その要求にアースは悩んだ。




 もっと様々な色んな人、と言われても自分にはまるで想像出来なかった。




 想像出来ないことを創造することは不可能だった。




 そこでフェブラは提案した。




 我々だけでも創れるようにしたら良いと。




 アースはもっと悩んだという。




 スキルを渡すことは不可能。だとしたらどうすれば良いのか本当にわからないのだ。




 それに対し、フェブラは言った。




 「それならば我々の遺伝子情報を混ぜれば良い」と。




 アースはフェブラには何か具体的な考えがあるのだろうことを感じて詳しく話を聞き始めた。




 曰く、混ぜるためには繋がるようにしなければならないと。




 曰く、人体を通して出さねばならないために、途中までの成長で止めて体外へと出てくるようにしなければならないと。




 曰く、まだ未熟であるがために簡易的に必要な栄養を与えるための方法を編み出さねばならないと。




 アースは確かにそれならば可能かもしれないと感じた。




 こうして3人の試行錯誤の末、完成したのが現在の性行為という。




 アースはジャンに陰茎を与え、フェブラに膣とそこに繋がる穴を与えた。




 もちろん普段は外気に晒されて身体に異常が出ないように工夫をしたという。




 そして、栄養を与えるためフェブラに乳房を与え、子が為された際に、栄養が液体で作られるようにした。




 ここまでしたら完璧かと思いきや色々と弊害があった。




 その行為をすること。それ自体に苦痛を伴ってしまうこと、陰茎が膣に入りにくいこと、普段から陰茎が硬いままだと過ごしにくいこと。




 細かいことを挙げ出したらキリがなかった。




 アースはジャンとフェブラに意見を聞きながら、その行為を快感に思うよう人体を調整したり、この先もその行為が途絶えてしまわないように性欲を与えたり、膣に入りやすくするために性欲を感じた時は濡れるようにしたり等々色々と試行錯誤を繰り返しながら…。




 もちろん最初の方は産まれた子も動かなかったり、動いたとしても乳房からの栄養を飲まなかったりと失敗続きだった。




 動いたことが分かりやすいように産声を上げるにはどうしたら良いか、本能として母乳を与えるためにはどうしたら良いか。




 課題は山積みだった。




 長い長い試行錯誤の末ついにフェブラは思い通りの完璧な子を産む事に成功したのだった。




 アースはその子をマーチと名付けた。




 そこからは観察をしていくしかない。




 その子にスキルはあるのか、我々と同じように自由に動けるのか。




 ある程度自力で動けるようになったら、身体を構成する主な栄養素を含む肉を与えてみたり本当に色々と試したのだった。




 そう、栄養を取る必要のない我々とは違うのだ。




 過去、口からモノを食べたことがあるのが大きかった。




 そういう風に使えることもあるのだな、何事も気になればやっておくに越したことはなかったのだな。と自分自身を肯定したり、あるいはあの時こうしていれば…と否定したり…。




 こうして出来上がった人間が不完全なのはもう仕方のないことだった。




 もちろんいつかは寿命が我々にも来るのかもしれない。




 だが、この子はたかだか数十年程しか生きられない。




 そこは諦めるしかなかった。




 マーチはその人生の中でアース達に衣食住を学ばせてくれた。




 食べること、安全な場所に住む事。




 ここら辺に関しては自然と大切である事と身についたが、恥じらいや寒暖差から身を守るための物である衣服に関しては不完全であるマーチだからこそ本当に大切であると気付かされたのだった。

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