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怨讐の拷問塔  作者: ころぶくん
1章
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秩序の始まり

 この世界には何もなかった。




 いや、正確に言えば何も面白みがなかった。




 ただひたすら無秩序に本能で生物たちが跋扈(ばっこ)する。




 そんな世界だった。




 その世界を観ている神。




 いや、事実上神とされた人物がいた。




 当時その神は怠惰であった。




 何も考えず世界を見つめるだけ。




 その世界の中でその神だけが異質だった。




 本能とともに理性を持っていたのだ。




 しかし、怠惰であるが故に何も考えることがなかった。




 そんな世界にも転機が訪れる。




 神はふと思い立ったのだ。




 この者らが行なっている行為に何か意味があるのではないかと。




 そして、ずっと動かなかった神はついに重い腰を上げたのだ。




 食事を摂った。




 時には目を閉じて、眠るという行為をしてみた。




 そうすることによって神は思った。




 なるほど、こうすることによって生きていく為の糧になるのだと。




 脳を休めることによってこの者らは休憩をしているのだと。




 自分には不必要な行為ではあったが、とてつもなく感動したという。




 そして自分とは違う、しかし動いている動物たちに興味を持ったのだ。




 観ているうちに神は考えた。




 自分と同じとまではいかなくとも自分と同じような生物を生み出せないものかと。




 それを観察してみたかった。




 同じ行動しかしないこの者らより、遥かに無限の可能性が無限の興味が…。




 そう考えたのちに神は初めて自分の力を試してみようと、自分にはどんな事が出来るのだろうと考えたのである。




 神が出来たのは創造。




 つまり何かを創り出すことだった。




 それを知った神は鳥肌が立ったという。




 自分がたった今思い立った事をこなす為には持ってこいのスキル。




 そうか私が存在していたのはこの為だったのか。




 生まれ落ちた時より自分はこの役割を与えられたのだと。




 それは一体何者なのだ?




 そもそもこの世界はどのようにして出来て、何故動物達がこのように闊歩しているのだ?




 考えても分かりようはずが無い。




 何故なら私もこの世界の歯車の一部なのだから。




 そして神は自分に与えられたであろう役割をこなすことを決意したという。




 最初はただの気まぐれにすぎなかった行動。




 それはいつしか自分のやるべき事とそう強く思ったのだ。




 何も考えず、ただそこに居るだけでも朽ちることもなく、意味もなくそこに在った神。




 怠惰であった神はその時から人間という動物の原点となったのであった。

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