師匠と冒険と修行と12
「っかー!食った食った!」
「汚いよ師匠。」
食べ終わるや否や盛大なゲップをしているアナスタシアを呆れたように見ていた。
こういうのを残念美人って言うのかな?
「細かいことは気にするな!わはは!」
「ご機嫌だね……。」
「腹がいっぱいになったからのぅ!」
「う、ていうか結構量あるんだねこれ……食べきれないかも……。」
別に私は大食いってわけじゃない。
出てきたハンバーグは1kgは超えてると思うし、こんなの食べ切れないや。
「最悪残せば良い良い。そんなことより、じゃ。」
そんな私を笑い飛ばした後、アナスタシアは突然真面目な表情になる。
「なんかあったか?」
「っ!」
アナスタシアの鋭い声色に箸が止まる。
「やっぱりか……様子が少しおかしかったからのぅ……わしにも話せんようなことか?」
「え、えと……。」
話しても良いのだろうか。
アナスタシアには嘘をつきたくない。
でも、こんなこと……受け入れてくれるのだろうか……。
不安が頭の中をぐるぐると回っている。
「……わしのこと、まだ信用は出来んかの。」
「そ、そんなこと!」
哀しそうなアナスタシアの声に反射的に反論をする。
「そんなこと……ないよ……。」
唇を噛む。
こんな風に不安になる自分が悔しかった。
この人を悲しませたく、ない。
だったら言おう。
「ギルドカードって称号が、出るよね…?」
「そうじゃな。」
意を決して口を開く。
それに対してアナスタシアは優しい声音で答えてくれる。
「そこに、ね……魔の体質って書いて、あったの……。」
言ってしまった。
魔のつく者。
それを退治したり、原因解明をしたりしないといけない立場のアナスタシアだ。
私は怖くてもうアナスタシアの方を見ることができなかった。
信じてはいても怖かった。
身体が震えて仕方がなかった。




