師匠と冒険と修行と9
そして別室。
「それではそこへお掛けください。」
私はコクリと頷くと木で作られた椅子に腰掛けた。
「では簡単な質疑応答を行った後に登録をしますので、私の質問に答えてくださいね?」
受付嬢は私の向かい側にそう言いながら座る。
というかいちいち仕草がエロいなこの人。
座る時に着物の中が見えそうで見えないような、わざとやってたら凄いな……。
ていうか面接官?もこの人がやるんだ。
「あの?出来れば返事をいただきたいのですが……。」
「あ、は、はいっ!」
思った以上に緊張してたみたいだ。
その証拠に声裏返っちゃったし!
緊張と恥ずかしさで顔を赤くしながら俯いてしまう。
「……ふふふ。そんなに固くならないで?登録するときの情報を纏めたいだけなの。」
私のそんな状態を見れば、受付嬢は崩した話し方になりつつ、柔らかい感じでゆっくりと笑顔で話し始めた。
あー…気を遣われてるー……。
「はい…お願い、します……。」
「まだ硬いわね?あ、私モーヤって言うの。あなたのお名前聞かせてもらっていいかな?」
「え、えと、斬子です。」
そんな雰囲気の相手に徐々にではあるが、身体の力みが取れていく感じがした。
「キリコちゃん、ね。ふふふ、いい名前ね。じゃあ冒険者って結構荒事が多いんだけど、キリコちゃんって戦える方?」
「お、お恥ずかしながら…まだ修行中の身でして……。」
「ふふふ、そうなのね。まぁあのアナスタシアさんですし、心配はしてないけど護身術くらいは早目に身につけておいて損はないわよ?」
「はい、精進します。」
「よろしい。それで、天職の判定は終わってる?」
「はい、召喚士と……。」
「召喚士……?聞いたことないけど…どんなことが出来るのかしら?」
やっぱりそういう反応になるよね……。
ここは、包み隠さず話すべきだろう。
「はい、その…オンリーワンの天職みたいなんですけど……その、いくらやっても鉄屑みたいなのしか生み出せなくて…とても使えたものじゃないんです……。」
「…ふーむ。どのくらいの期間練習したかにもよるけど、まだまだ未知数っぽいわねぇ…。分かったわ。嘘を言ってる風でもないし、人柄も問題ないし、これで登録しておくわね。」
モーヤはすくっと立ち上がって、そのまま何処かへ行こうとしていた。
「あ、あの!私はどうしたら…。」
「とりあえずそこで待ってて、ね?すぐ戻ってくるから。」
モーヤは唇に人差し指を当てながらウインクして、そのまま出て行ってしまった。
しばらくすると、モーヤは何かカードを持ってきた。
「はいこれ、あなたのギルドカードよ。」
「あ、あの白くて何も書かれてないんですけど……。」
「ふふふ、今から説明するわね?まず、それをしっかりと持って自分の左胸に当ててみなさい。」
言われるがままにやってみると……。
「わっ……!何これ……!」
突如光が私を包む。
そして、それが持っているカードに収縮していき、消えた。
私は恐る恐るカードを見てみる。
【登録名:キリコ
天職:召喚士
ランク:F
パーティ:なし
称号:異世界からの来訪者、魔の体質、英雄の弟子】
緑色になったカードを見て私は絶句した。




