師匠と冒険と修行と6
「わははは!すまんのぅ。冗談じゃ。」
楽しそうにからからと笑いながら手のひらをヒラヒラとさせているアナスタシア。
意地が悪いというかなんというか……。
「はぁ……それで?そのお連れ様はどなたなんですか?」
門番の男は疲れたようにため息を吐きながらも、対応してきた。
「うむ、ちょいとそこなで拾っての。わしの冒険者パーティに加えようと思っておるのじゃ。」
「あ、あなたがパーティを……?」
男は訝しそうにアナスタシアを見た。
まるで、有り得ないモノを見るかのように。
「うむ。今回は此奴、斬子の冒険者登録とわしらのパーティ登録。そして武器の調達。そのために来たんじゃ。」
「は、はぁ……いやにわかには信じがたいですが……まぁあなたが言うのであれば逆らうことなんて出来ませんし、通しますよ。身分証はございますか?」
「み、身分証……?」
何それ初めて聞いた。
「あー……すまんが斬子は身分証を持っとらん。わしが此奴の身元を保証する、これで良いかの?」
「仕方ありませんね。冒険者ギルドにて必ず発行をお願いしますよ。」
「分かっておる。」
あ、なんか何とかなりそうだ。
「それでは、中へお進み下さい。」
私たちはそのまま門の中へと入った。
その光景はまるで街全体が工場のようだった。
歯車のような造形の家が無数にあり、それがグルグルとゆっくり回転している。
全体的に色合いが淡色で、華やかさは一切なかった。
漂ってくる鉄臭さが工場感を更に底上げしており、中学生の時に行った社会科見学を思い出すようだった。




