師匠と冒険と修行と5
それから道中。
野営をする際に気をつけるべきことを指示されながら、夜を過ごしたり。
軽く護身用の体術を教わったりなどして過ごしたりしていた。
正直思ったよりも辛くはなかった。
今までが今までだったのもあるが、こんな生活が楽しいと思い始めていた。
最初は感情の起伏が少なかった私もこの道中で笑うことが出来る様になっていた。
とはいえ、アナスタシアと一緒でなければこんなにも楽しい時間を過ごすことは叶わなかっただろう。
アナスタシアにはそういった人間的魅力がかなりあると思う。
本人は否定するけれど、彼女はとても子育てに向いているように思える。
「かーっ!ようやくじゃな!」
山脈を登り切ったところで、アナスタシアは大きく伸びをしていた。
「ふふっ、そうだね。」
その姿を見て私は思わず微笑んでしまう。
飾り気のない素直な感情が出せるアナスタシアはいつ見ても魅力的だ。
私もあんな風になれたらなぁ……。
性格的に不可能であることはわかってはいるが、どうしてもその眩しい姿に憧れてしまう。
「さて、斬子よ。まずは何をしたら良いと思う?」
ニヤリとしながら私を見てきた。
ああ、その顔の時は決まってあれだな。
「飯!だよね?」
「正解じゃ。」
私の答えに満足したように笑えば、アナスタシアは前へとズンズン進んでいき、大きな門の前についた。
「おーおー今日もべっぴんさんじゃのう!」
アナスタシアはその門番の1人に気さくに話しかけにいった。
「あ、アナスタシア様!!?」
その門番はかなり驚いたようで、焦りながらたじろいでいた。
「なんじゃ、久しぶりに旧地の英雄が帰ってきたというのにその反応は!」
「え、あ、す、すみません!その、とても驚いてしまいまして……。」
「相変わらずじゃのう……このような所で門番をしとる姿もじゃが、やはり勿体ないのぅ。」
確かにアナスタシアと比べても遜色ない美人さんだった。
ピンクの艶々とした綺麗な髪は、頭の上でお団子にまとめられており華やかさを感じる。
パッチリとした目はくりっとしており、穏やかな雰囲気を周りに与えて、整った顔立ちをしていた。
そして、武装している上からでもわかる豊満な胸に引き締まった身体付き。
どんな所へも嫁に行けるだろうと思えるほどの可愛らしさだった。
「お戯れはよしてください。本日のご用件をお尋ねしても?」
その会話の中に割って入ってきたのは、もう1人の門番さんだった。
金髪オールバックで、かなり堀の深い顔をしている彼は、私から見ると正に外国の人と思わせるような感じがした。
「かーっ!お主も相変わらずじゃな。その硬さが抜ければマインとも付き合えるじゃろうに。」
「アナスタシア様!!!」
アナスタシアの軽口に顔を赤くしながら叫ぶ男の門番さん。
マインさんという人は恐らくこの人の気になっている人なのだろう。




