クレアリーナ王国10
「あ、そーだ!メイビスちゃんが王女になったら絶対私をメイビスちゃん付きのメイドにしてね!」
「どうしてですの?」
「だってだって!王女様だよ!?私王女様の近くで支えて行くのってなんかすごいカッコ良くて憧れてるんだー!」
平民のこんなちっぽけな村の出身であるクレアでは無理な話ではあるのじゃが、それでもクレアはそんな未来を信じて止まないような表情をしておった。
「ふーん…分かりましたわ。私が王女様になった時に迎えに行きますから、待っておいてくださいまし。」
「ホント!?ありがとう!」
「じゃ、じゃあ私もお姉ちゃんについて行きたい。」
「もちろんだよ!ね、メイビスちゃん!リーナもいいでしょ!!?」
「お友達ですもの。当たり前ですわ。」
今度は3人で指切りを交わし合っていた。
「じゃあねー!また明日ねー!」
わしとメイビスは姉妹と別れたらそのまま神社へと戻った。
「ねぇ、王女様ってどうやってなったら良いんですの?」
「……聞かれるとは思っておったわい。」
というか本気で目指す気じゃな。この目は。
「いっちばん偉いと言われましてもよく分かりませんわ。アンなら何か知ってるのではなくて?」
「正直に言えばほぼ不可能に近いじゃろうな。」
「それはどうしてかしら?」
「王女様というのは現在の国王の嫁にあたる存在じゃからな。王女様になるには今の王子と結婚しなくてはならんのじゃ。」
「いっちばん偉いって関係なくありませんこと?」
「そうじゃな。まあそんな方法なくはないが、女性がやるようなことではないからのぅ……。」
「教えなさい。」
ハッキリとわしの目を見ながらメイビスは即答した。
答えられん訳ではないのじゃが……うーむ……どう伝えたものかのぅ……。
「メイビス自身が新しい国を作るのが一つの方法でもあるのじゃが……。」
「それにしますわ。」
「即答か……。」
「えぇ、そっちの方が簡単そうですわ。」
「言うほど簡単ではないのじゃ。まず1人では国を作れぬ。それも10人とかそんな規模の話ではないのじゃ。メイビスの下について働きたい。そう思わせるような奴らを何万と集めねばならんのじゃ。」
「……なるほどですわ。」
「それにの。もう既に決まった国が沢山あるし、それぞれの土地もあるのじゃ。お主1人どうにかしようとして出来るものではないのじゃぞ?」
「そもそもどうやって国はできたんですの?」
「集団で行動した方が効率良く技術が発展するし、食料調達とかもしやすいじゃろう?1人よりみんなでやった方が出来る事も増えるし、結果やりたいことがやれるのじゃ。」
「そういう人たちが集まってできたんですの?」
「そうじゃな。そして、それぞれが意見を言い合うだけではまずまとまらん。1人の代表を立ててまとめ役をする人が必要になるじゃろ?」
「それが国王なのですわね。」
「うむ。そしてその国王になる為には皆にとって信頼が出来るものでないといかんし、尚且つ何かに秀でてないといかんのじゃ。」
「何か、とは何でもよろしくて?」
「あくまでも他の皆に認められるものでないといかんがな。」
「……ありがとうございますわ。」
メイビスはそれだけ言えば、そのまま考え込むような表情をしたまま部屋の隅へと向かった。
わしは正直いくら優秀とは言えメイビスが国を発起できるとは思ってはおらんかった。




