クレアリーナ王国9
「……最初に名前をつけた人がそうだと言ってたではございませんの。」
確かにそんなこと言った気がするが……。
「あー、もうそれでええわい。」
「ねーねー、今回はどんなおままごとするー?」
疲れたようにため息を吐くわしをよそにクレアはリーナに聞いていた。
「3人だからお母さんとお父さんと子供でいいんじゃないかな。」
「いーねー!あ、でも私メイビスちゃんには王女様やってほしい!」
「王女様ですの……?」
「うん!キラキラしてて、いっちばん偉いんだよ!すごいんだよー!」
「よく分かりませんわ。」
「絶対メイビスちゃんは王女様が似合うと思うなー。私家来やる!リーナはメイドさんね!」
「う、うん。」
ムードメーカー的存在なのじゃろうな。
クレアは悪くいえば自分勝手ではあるが、周りを引っ張って元気にしてくれるような、そんな雰囲気があった。
そこから始まったおままごとはクレアから「メイビスちゃん!もっと美しく!」「メイビスちゃん!良いよ!偉い人っぽいよ!」とさながら映画監督の如く指摘をしつつ進んでいた。
そしていつの間にか陽が傾き始めていた。
「あー楽しかったー!メイビスちゃんどうだった!!?」
「王女様、悪くはありませんでしたわ。」
「で、でもメイビスさん、凄く良かったと思います。」
おままごとをひと段落させて、笑い合う少女達。
うむ、こういう光景はやはり癒されるのぅ……。
「良かったー!ねーねー!メイビスちゃん将来王女様になっちゃうんじゃない?」
「お姉ちゃん、それありそう。」
「だよね!」
「そう言われましてもよく分かりませんわ。王女様になる方法なんて……。」
メイビスは少し困惑している様子だった。
そんなメイビスを見てクレアは人差し指を立てて左右に振りつつ「チッチッチッ」と前置きをしてから。
「簡単だよ!いっちばんになれば良いんだよ!だって国でいっちばんなんだから!」
そう簡単な話でもないじゃろうに……。
と思いながらも、子供の言うことじゃ…とわしは声に出さずに暖かく見守った。
「分かりましたわ。私将来王女様になりますわ。」
メイビスは言っている意味を分かっているのか分かってないのか……。
恐らく姉妹の表情からこう言っておいた方が喜んでもらえるとか、その辺りが理由だとは思うのじゃが……。
「おぉ!メイビスちゃん!絶対!絶対だよ!はい指切り!」
クレアは興奮したように飛び跳ねた後に小指をすっとメイビスに差し出した。
メイビスは指切りのことを知っていたみたいで、同じように小指を出せば小指を絡ませていた。
「んもぅ、お姉ちゃんったら……。」
それをリーナは呆れたように見つめているのであった。




