絶望……そして希望22
「元気がないのぅ。まああの状況だと無理はないかの……。」
私の近くで女性は腰を下ろした。
私も上体だけは起こした。
「あの……私どうなってたんですか…?」
恐る恐る聞いてみた。
どんな状況で私はここにいるのか気になってはいたからだ。
「そうじゃのぅ……簡単に言えば沼で埋まっとるのを偶然わしが見つけて連れ帰った。が正しいかのぅ……。」
大体予想した通りではあったが……。
「私の他に…その、誰か居ませんでした、か?」
「ふむ?わしが来た時には嬢ちゃんが沈んどるだけで他にはおらんかったが……やはり、何か訳ありのようじゃのぅ?」
「……はい。」
なるほど、あのあと私はあそこで放置されてしまったのか。
反応がなくなったおもちゃは面白くもなんともないのだろう。
「嬢ちゃんの今までを話せとは言わん。じゃがこれだけは言うとくぞ。」
女性は私の方へと向き直り、肩を掴めばしっかりと目線を合わせてくる。
「生きろ。」
「……。」
生きろ……か。
私はそんなにも死にたがっているように見えたのだろうか?
「笑うことも泣くことも怒ることも何もかも生きてこそじゃ。死んだら何も残らん。」
女性は優しく私を抱き寄せた。
「っ!」
私は驚いて身を硬直させていた。
「辛かったじゃろぅ……もう…安心じゃ。もう寝て起きても今までような思いはしなくて良いんじゃ。」
そして優しく頭を撫でられた。
こんなに優しくされたのはいつ以来だろう?
過去にもあったはずなのに、まるで初めて包まれたかのような温もりを感じる。
身体の力が抜ける。
「今までよく頑張った。今は今だけは何もかも捨ててええんじゃ。」
今度はギュッと思いのこもった抱擁をされる。
私はその瞬間頰に一雫の涙が流れた。
ああ、私はこんな、温もりが…欲しかったんだな。
彼女は初対面のはずなのに何故か信用出来るような雰囲気を感じた。
私は私自身の気持ちを自覚して、夢じゃないことを確認するかのように彼女の身体をしっかりと抱きしめ返した。
そこにある存在を感じた瞬間だった。
涙はどんどん溢れてきて、私は嗚咽をこぼしながら泣き喚いた。




