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運があれば異世界最強! 〜前世最悪だった僕、運だけで無双する〜  作者: 咲夜


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運だけで試練を乗り越えたら、真の勇者になりました

ダンジョン内の広い岩場で束の間の休憩を終え、ルークとアイリスは再び『モンスターの巣窟』の最深部に向けて足を進め始めた。


「よしっ、ここから先はボルトとヴォルカも一緒に戦おう!」


ルークの呼びかけに応じ機械人形『ボルト』と、『ヴォルカ』がパーティーに加わる。


背中に二本の超合金剣を背負ったボルトと、圧倒的な巨躯を誇るヴォルカ。考えてみれば、この三人+一台+一頭というフルメンバーで本格的な戦闘に臨むのは、これが初めてのことであった。


最深部へ繋がる巨大な地下洞窟へ足を踏み入れると、暗闇の中からおぞましい咆哮とともに、数千匹もの凶暴な上級モンスターの群れが波のように押し寄せてきた!


『グルァァァァァーーーーッ!!!』


「うわっ、すごい数だ! みんな、気をつけて!」


はじめはそれぞれがバラバラに戦う形となり、少しぎこちなさが漂っていた。


ボルトは二刀流の目にも留まらぬ高速剣閃で目の前の敵を斬り刻み、ヴォルカは巨躯を活かした尻尾の薙ぎ払いや激しい火炎ブレスで敵を散らしていく。しかし、後方で運命の杖を掲げた魔法使いルークが指示とバフを飛ばし始めると、戦況は一変した!


「アイリスは前方をお願い! ボルトは左後方側! ヴォルカは右後方側と上空から来る敵を頼むよ!」


ルークの言葉に応じ、仲間たちがスッと位置につく。ルークを中心に、三方がそれぞれの担当エリアを警戒・迎撃する完璧なデルタ陣形が完成したのだ!


「『アタックブースト』! 『ディフェンスブースト』!!」


ルークの杖から放たれた強力なバフが仲間たちを包み込む。さらにルークは、『戦士の試練』で覚醒した洗練された戦術眼をフルに活かし、「アイリス、右の陰から来るよ!」「ボルト、足元注意!」と的確な指示を出しながら、後方から『火炎弾(フレイムバレット)』を放って敵の動きを的確に制限していった。


そして、前線を張るアイリスは、今までにない深い感動を覚えていた。


(すごい……! ルーク様と頼もしい仲間たちが、私の背後と側面を完璧に守ってくださっている……!)


これまではルークの強力なバフを受けながらも、四方八方からの不意打ちを警戒しつつ、一人で前線を切り開いてきたアイリスであった。しかし今は、自分の背後を完全に預けられる圧倒的な安心感がある。


全幅の信頼を背に受けたアイリスの剣技は凄まじい冴えを見せ、目の前の敵だけに100%集中することで、普段以上の神速の剣閃が炸裂! 群がるモンスターを一瞬で切り伏せていった!


仲間同士の連携が完璧に噛み合い、四人は恐ろしいダンジョンを怒涛の勢いで突破していったのだった。


◇


爆速でダンジョンの最深部へと到達したルークたち。


最深部の巨大なドーム状の広場には、溢れんばかりの凶暴なボス級モンスターたちがひしめき合っていた。


「うわぁ……すごい数だね! でも、お店の人に『このダンジョンの最深部のボスを倒せば至高の魔法宝珠が手に入る』って聞いたけど……どれがその宝珠を持ってるモンスターかわからないや……」


ルークは腕を組んでうーんと唸ったあと、パッと笑顔になった。


「よしっ! どれかわからないなら、片っ端からモンスターを倒して、宝珠を全部集めちゃおう!」


「ふふっ、名案でございますね、ルーク様!」


ここから、最強フルパーティーによる怒涛のダンジョン乱破(ラッシュ)が始まった!


アイリスの神速の剣、ボルトの二刀無双、ヴォルカの圧巻の火炎ブレス、そして魔法使いルークの的確なバフと火炎弾が吹き荒れ、最深部のモンスターたちが次々と撃破されていく!


体力が尽きるまで討伐しまくったルークたちは、足元が見えなくなるほどの大量の魔導宝珠やレアアイテムを獲得したのだった。


「ふぅ〜! これくらい倒せば十分かな! よーし、地上に戻ろう!」


ルークは手に持った杖を掲げ、空間転移魔法を発動した!


「『エスケープ』!!」


眩い光がルークたちを包み込み、一瞬にしてダンジョンの外、街の街道へと無事に脱出を果たしたのだった!


◇


大量のドロップアイテムを袋に詰め込み、さっそく街の『魔導書屋』へと向かったルークたち。


「店主さん! ダンジョンの最深部で宝珠をいっぱい集めてきたよ!」


ルークが袋からジャラジャラと宝珠や魔導書をテーブルの上にぶちまけると、老魔導士の店主は目を限界まで見開いた!


「な……なんじゃこりゃあぁぁぁーーーっ!?!? 炎、氷、雷、風、土の全属性の『古代極大魔法宝珠』に……さらには滅多にお目にかかれない伝説の『光属性攻撃魔法宝珠』まであるじゃとーーーっ!?」


「えっ、これ全部すごいやつなの?」


「すごいどころの騒ぎではないわ! どれ一つ取っても超超レアアイテムじゃぞ!? それをこんな山のように持ち帰ってくるなど、一体どんな化け物なんじゃ……!?」


大驚愕する店主から手ほどきを受け、ルークは持ち帰った宝珠を使って、全属性の最高レベル極大攻撃魔法(『極大雷界呪』『極大氷界呪』『極大風界呪』『極大土界呪』など)、および神聖な『光属性攻撃魔法(シャイニングレイ)』を一瞬で全習得したのだった!


◇


全属性の極大魔法を手に入れたルークは、自信満々で再び『勇者の間』へと向かった!


魔法使いの聖衣を纏い、運命の杖を握りしめて部屋に入ると、魔法絶対耐性(魔法ダメージ99%カット)を持つ青い魔導光のゴーレムがズシンと立ちふさがる。


「よーし、今度は覚えたての極大魔法を連続で撃ち込んじゃうよ!」


ルークは杖を掲げ、全属性の極大魔法を次々と放った!


「『極大雷界呪』! 『極大氷界呪』! 『極大風界呪』!!」


天を突く雷光、空間を凍てつかせる暴風雪、すべてを切り裂く真空の嵐がゴーレムを直撃する!


ゴーレムの魔法耐性は強力であり、戦士の試練の時と同じく手で払おうとするが、ルークの着ている【勇者の鎧】には『魔導の加護(常時超高速MP回復)』が付与されている! どれだけ極大魔法を連射しても、魔力が枯渇することなく瞬時に全回復するのだ!


「まだまだいくよーっ! 『極大炎界呪』!!」


ドカァァァン! ズババババッ!


どれほど強力な耐性を持っていようとも、超高速MP回復を活かした連続極大魔法の暴風雨の前に、ゴーレムの装甲はジワジワとダメージを蓄積させていく。


激しい死闘の末、数千回におよぶ極大魔法の連射を叩き込んだところで——。


ついに青いゴーレムが膝をつき停止した!


こうして、ルークは魔法使いの戦い方を完全にマスターし、魔法使いの試練を見事に突破したのだった!


◇


魔法使いの試練をクリアしたルークは、ギルドに戻って今度は『ドラゴンマスター』へと転職した。


ドラゴンマスターとは、その名の通りドラゴンを従え、共に戦うスペシャリストの職業である。


武器を杖から【ミスリルの剣】へと持ち替えると、身につけている神具が眩い光とともに『勇敢なドラゴン騎士の鎧姿』へと変化した。


「よしっ、次はヴォルカと一緒に戦うよ!」


ヴォルカとともに『勇者の間』に入ると、今度は全身から赤熱の炎を噴き上げる『火炎耐性ゴーレム』が立ちふさがる!


「ヴォルカ、いくよ!」


ルークはヴォルカの背に跳び乗り、空中から指示と攻撃を繰り出した!


火炎耐性を誇るゴーレムに対し、ヴォルカの圧倒的な巨躯による爪撃や尻尾の薙ぎ払い、そして背に乗ったルークの鋭い剣閃が絶妙な連携となって打ち込まれる!


ヴォルカとルークの絆が生み出す息の合ったコンビネーションは、耐性を持つゴーレムを圧倒! 数千回に及ぶ連続攻撃の末、ついにゴーレムは膝をついて崩れ去った!


続いて、ルークはギルドで4つ目の職業『聖職者』へと転職した。


再び杖を握り締めると、今度は神聖な光を纏った『高貴な大聖職者の法衣姿』に変身!


ダンジョンの宝珠で習得した『光属性攻撃魔法』を胸に、最後の試練の部屋へと向かう。


『聖職者の間』に入ると、ゴーレムは全身におぞましい暗黒の瘴気を纏い、闇の力を繰り出して襲いかかってきた!


「光の力よ! 『シャイニングレイ』!!」


ルークが掲げた杖から、眩い聖光の濁流が解き放たれ、ゴーレムの闇の瘴気をバチバチと激しく浄化していく!


神聖な光属性魔法を惜しげもなく連打し、数千回の浄化攻撃を叩き込んだところで——暗黒のゴーレムは光の中に包まれ、静かに停止したのだった!


◇


主要4系統の試練をすべて最高ランク(スペシャリスト)で完全踏破したルーク!


ギルドに戻り、受付の水晶玉に手をかざすと——。


職業に勇者が選べるようになった。


早速職業を勇者に変更すると、


【名前:ルーク】 【レベル:999(カンスト)】 【現在の職業:勇者】 【職業ランク:初心者】


「うわあぁぁ……! 職業が『勇者』になったよーーーっ!!」


ルークに確かな直感と手応えが駆け巡った。


(……あ! これでついに、7つ目の神具である『勇者の剣』を扱える唯一無二の存在になれたんだ!)


そう——7つ目の神具『勇者の剣』は、ただ手に入るだけでは使うことができず、四つの試練を越えて【職業:勇者】となった者だけが抜くこと、そして真の力を解放することを許された特別な聖剣だったのである!


「やったね、アイリス! これで僕、名実ともに本物の勇者になれたよ!」


(みんなと連携して戦う楽しさもわかったし、本物の勇者になれて本当に良かったなぁ〜!)


ルークが無邪気に喜ぶ横で、一部始終を見届けていたアイリスは、胸に手を当てて深々と感動の涙を流していた。


アイリスの脳内で、今回も圧倒的な深読みが完成していたのである。


(……なんという完璧なお覚悟……! 単に試練を突破されるだけでなく、仲間との絆、多様な職業の神髄、そして勇者としての格を完璧に修められるとは……! やはりルーク様はどこまでも完璧なお方……!)


ギルドを出ると、ボルトとヴォルカ、そしてアイリスがルークを囲み、祝福の笑顔を向けた。


「さあ、ルーク様! 名実ともに真の勇者となられた今、最後に残された7つ目の神具『勇者の剣』を探しに行きましょう!」


「うん! みんなで一緒に出発だーっ!」


【勇者の盾】【勇者の兜】【勇者の鎧】【勇者の小手】【勇者の靴】【勇者の宝珠】——6つの神具を纏い、頼もしい仲間たちとともに、ルークの冒険はいよいよ最後の神具『勇者の剣』が眠る地へ向けて、希望の光とともに走り出していくのであった!


——この時ルークが手に入れた【職業:勇者】の圧倒的な力と、仲間の絆こそが、後に世界を恐怖に陥れる邪神との最終決戦において、世界を救う最大の鍵になるとは、今のルークは知る由もなかった——。

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