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運があれば異世界最強! 〜前世最悪だった僕、運だけで無双する〜  作者: 咲夜


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運だけで魔王城に突入したら、魔王が生け捕りになっていて和平が成立しました

「ふう……ついにここまで来たんだね、アイリス」


「はい、ルーク様。目の前に見えますのが、魔王城の目と鼻の先に位置する最終拠点——迷宮街『ラストル』でございます」


馬車の御者台から前方を見つめるルークとアイリス。その視線の先には、禍々しい紫雲が垂れ込める黒石の巨城——魔王城と、その手前に広がる薄暗い街並みがあった。


ダンゼル大ダンジョンでの2週間に及ぶ修行(という名のおいしい食事と快適な睡眠)を経て、ルークとアイリスのレベルはついに上限値である【レベル999(LEVEL MAX)】へと到達していた。


Sランク冒険者の基準をも遥かに超え、名実ともに世界の頂点に立つ強さを得た2人であったが、当のルーク本人は相変わらず慎重そのものであった。


街の敷地に馬車を停め、冷えた果実ジュースを一口飲んだルークは、真剣な表情で眉をひそめた。


「いくら僕たちがレベル999になったからって、相手は世界の恐怖の象徴である魔王さまだからね。このまま正々堂々と馬車で魔王城の正面から突入するのは、さすがに危険すぎるんじゃないかな……?」


「仰る通りでございます、ルーク様! 敵の本拠地への突入において、油断は最大の禁物。いかなる不測の事態にも備える……まさに完璧なるリスク管理でございます!」


「うーん……何かこう、馬車ごと気配や姿を隠して、誰にも気づかれずにスルスルッと魔王城へ近づく方法があればいいんだけどなぁ」


ルークは腕を組みながら考え込んだ。影の魔法『影の収納室』で馬車を丸ごと影にしまうこともできるが、それでは外の様子が一切見えない。


できれば外の景色を確認しながら、安全に移動したいところである。


「よし、何か役に立つ道具がないか、街の道具屋を探してみよう!」


2人はラストルの街の中へと足を運んだ。魔王城の膝元ということもあり、街の雰囲気はどこか重苦しく、行商人の数もまばらであった。


街の隅にある、今にも崩れそうな古びた道具屋に入ると、店主の老人が欠かしがちに顔を上げた。


「へい、いらっしゃい……って、こんな終末みたいな時期に珍しい客だな。うちは怪しい魔道具くらいしか残ってねえぞ」


ルークが棚の奥を気ままに眺めていると、最下段の埃を被った木箱の中に、古びた一枚の灰色の布が無造作に突っ込まれているのが目に入った。


【運∞】の不可視の導きによって吸い寄せられるように、ルークはその布を手に取った。


店主さん、この布は何ですか?」


「ああ、それかい? それは遠い昔に変わり者の魔導技師が作った『目くらましの布』だよ。光と魔力を歪めて、布を掛けたものを周囲から完全に透明化する代物さ。ただな、大きすぎる上に魔力消費が激しくてな。誰も買い手がつかず、何十年もそこに放置されてた売れ残りのゴミさ」


「えっ! 完全に透明化できるんですか!?」


ルークは目を輝かせた。


「ええ、ですが店主殿。それほど巨大な対象を透明化するとなると、莫大な魔力を継続して消費するのでは?」


アイリスが心配そうに尋ねると、店主は首を縦に振った。


「その通りだ。馬車一両ぶんを覆うほどの大きさはあるが、維持するには並の魔法使いなら一瞬で魔力切れを起こして気絶するレベルの魔力が必要になる。だから誰も使えねえんだよ。……あんたたち、もし欲しいならゴミみたいなものだからタダで持って行っていいよ」


店主は手をヒラヒラと振ったが、ルークは慌てて首を横に振った。


「そんなわけにはいきません! こんなに素晴らしい魔法道具なんですから、ちゃんとお金を払わせてください!」


「そうかい? 奇特な客だなあ……じゃあ、銀貨1枚でどうだい?」


「ありがとうございます!」


銀貨1枚を支払って無事に『目くらましの布』を手に入れたルークは、さっそく街の外に停めてあったホバー馬車のもとへと戻った。


畳まれた布を広げると、伸縮自在の魔導糸で織られており、愛馬アルシオンと巨大な馬車全体を覆い隠すほどの大きさへ広がった。


ルークが布に少量の魔力を通すと——シュンッ! という音とともに、光が屈折し、アルシオンも馬車も、そして乗っているルークたち自身も、周囲の景色へ完全に溶け込んで目視できなくなったのである!


「うわあ! 本当に消えちゃった! 外からは何も見えないのに、中からは外の景色がスケスケで丸見えだよ!」


「な……なんと恐ろしい魔道具……! 音も魔力波も完全に遮断されております! まさに完全無欠の光学迷彩でございます!」


「せっかくだから、このまま布を掛けた状態で消えたまま魔王城へ向かおうよ!」


「承知いたしました!」


透明化した馬車は、静かに浮上し、魔王城へと続く街道の上空をスーッと滑らかに進み始めたのだった。


◇


一方その頃——ラストルの街の入口。


黒いマントを風になびかせ、街道のど真ん中に仁王立ちしている男がいた。


全身から禍々しい闇のオーラを放ち、冷酷な眼光で街道を見つめるその男こそ——魔王軍の頂点に君臨する『魔王』その人であった。


第1将軍バアルを含めた四将軍全員から「だったら魔王様ご自身で行ってみたらどうなんですかーっ!!」と凄まじい決起で詰め寄られ、内心「えっ、ごめん。そんなに怒らないで……」と日和ってしまった魔王。


消えかかる己の威厳を必死に保つため、魔王はたった一人で街の入口へと出向き、予言の男を待ち伏せしていたのである。


(フハハハ……! 愚かな予言の男め。四将軍を退けたことで気をご破算にしているだろうが、まさかこの魔王自らが街の入口で待ち構えているとは夢にも思うまい!)


魔王は周囲の空間に広大な警戒陣形を張り巡らせ、蟻一匹逃さない集中力で街道を注視していた。


(来い……予言の男! 貴様がこの街に入り込もうとしたその瞬間、我が絶対の闇魔法で塵一つ残さず消し去ってくれるわーっ!)


凄まじい威圧感を放ちながら、ドヤ顔で街道を睨みつける魔王。


——と、その時。


魔王の頭上数十メートルの上空を、『目くらましの布』によって完全透明化したルークたちのホバー馬車が、風を切る音すら立てずにスーッと優雅に通り過ぎていった。


「あ、アイリス。下に何かすごい黒いマントを着た人がポーズを決めて立ってるよ?」


「ふむ……何か怪しい不審者でございますね。関わると面倒ですから、そのままスルーして参りましょう」


それから十数分後。


街の入口で微動だにせずポーズを決め続けていた魔王のもとへ、息を切らした魔王軍の偵察兵(または予言者)が慌てた様子で飛んできた。


「ま、魔王様ーっ! 大変です! 大変にございますーっ!」


「ぬ? どうした? 予言の男が街道に姿を現したか!?」


魔王がニヤリと凶悪な笑みを浮かべると、相手は青ざめた顔で絶叫した。


「い、いえっ!予言者が『予言の男はすでにこの街を出て、魔王城へ向かった』と言っております!!」


「……は?」


魔王の顔から笑みが消えた。


「な、ななな……何ィィィーっ!? いつの間にーっ!?」


魔王は目を見開いて叫んだ。自分は街の唯一の入口で、全神経を集中させて待ち構えていたのだ。目視はもちろん、魔力感知にも一切引っかかることなく通り過ぎるなど、絶対に不可能なはずである。


「バカな……! 吾輩の完璧な警戒陣を、気配すら残さず通り抜けたというのかーっ!?」


あまりの恐怖と混乱にパニックに陥った魔王は、黒いマントをバサつかせながら、慌てて魔王城へと全速力で引き返していったのだった。


◇


魔王城——最深部の玉座の間。


ドタバタと凄い音を立てて扉を押し開き、息を切らして玉座の間へと飛び込んできた魔王。


しかし、玉座の前に到着した魔王の足が、ピタリと止まった。


そこには——腕を組み、仁王立ちで魔王を睨みつける四将軍(バルバトス、ザガン、アガレス、バアル)の姿があった。


全員がそれぞれ、便器磨き用デッキブラシ、風呂掃除用スポンジ、皿洗い用布巾、庭園用竹ホウキを手にした四将軍が仁王立ちしていた。


重苦しい静寂の中、筆頭である第1将軍バアルが、低く凄みのある声で問いかけた。


「……おい、魔王。予言の男は捕まえたのか?」


「い……いや……」


魔王は冷や汗をダラダラと流しながら、気まずそうに目を泳がせた。


「逃げ……られました……。いつの間にか街を通り抜けられたようで……」


その言葉を聞いた瞬間、四将軍の額に青筋が一斉に浮かび上がった。


「「「「……は?」」」」


第4将軍バルバトスがデッキブラシを地面に叩きつけた。


「おいおいおい! 『吾輩が自ら出向こう!』とか格好つけて出かけておいて、一瞬で逃げられただと!?」


第3将軍ザガンがスポンジを激しく握りつぶした。


「俺たちがどれだけ不条理な目にあってきたか分かってんのか!? 自分だって手も足も出なかったんじゃねえか!」


第2将軍アガレスが皿洗い用の布巾を魔王の足元へ投げつけた。


「俺たちの苦労が分かったか!? ああ!?」


凄まじい迫力で詰め寄る元部下たちに、魔王は思わずガクガクと膝を震わせ、玉座の前でペタンと『正座』させられた。


「……は、はい……申し訳ありませんでした……」


消えかかる威厳どころか、尊厳すら完全に粉砕された魔王は、正座をしたまま小さくなって平謝りするしかなかった。


すると、四将軍の筆頭バアルが、冷酷な笑みを浮かべて竹ホウキを構えた。


「フン、不甲斐ない奴め。……罰として、貴様をそのまま予言の男に突き出してやる。俺たちはもうこんな理不尽な職場、真っ平御免だからな!」


「は、はい……仰せのままに……」


もはや反論する気力すら失った魔王は、正座をしたまま首を垂れるのだった。


◇


——と、その時である。


正座する魔王と、それを取り囲む四将軍の目の前の空間が、突然ゆらりと歪んだ。


スパーンッ! という軽快な音とともに『目くらましの布』が取り払われ、そこには——完全手ぶらのルークとアイリス、そしてアルシオンと馬車が姿を現した。


実は、ルークたちは数分前にすでに玉座の間に到着しており、透明化したまま今の一連のやり取りを最初から最後までじっくりと鑑賞していたのである。


ルークは控えめに手をあげると、正座する魔王に向かって申し訳なさそうに声をかけた。


「あのー……僕たち、魔王を討伐しに来たんですが……」


四将軍が一斉に振り返り、ルークたちを見ると、バアルがあっけらかんとした様子で正座する魔王を指さした。


「おう、予言の男か。それなら、そこで正座している情けない男が魔王だ。自由に連れて行っていいぞ」


「えっ? あ、はい……」


ルークは馬車から頑丈な麻ロープを取り出すと、正座したまま動こうとしない魔王の身体をモソモソと縛り上げ、そのまま馬車の後部座席へとヒイヒイ言いながら乗せた。


「よしっ、結び終えたよ。……なんか、思っていたよりずっとあっけなく捕まっちゃったね」


ルークがぽかんと首をかしげている横で、アイリスは複雑な表情で刃に手をかけていた。


(……本来であれば、亡き友の仇であり世界の宿敵である魔王の首を、今すぐこの手で跳ね飛ばしたいところ……。しかし、こうして完璧に生け捕りにしてしまった以上、王様のご指示や法的な裁きを経ずに私闘で処刑することは叶いません……)


騎士としての理性と葛藤するアイリスであったが、すぐにハッと目を見開き、隣に立つルークへと深い眼差しを向けた。


「ですが……ルーク様。こうして一切の流血も生じさせず、魔王を生け捕りにできたのは、すべてルーク様のおかげでございます!」


「ええーっ!? いやいやアイリス、僕はただここに来たら、勝手に魔王が正座して捕まっていただけなんだよ!?」


ルークが慌てて手を振って否定するが、アイリスの脳内ではすでに完璧な解釈が完成していた。


(……お優しいルーク様はご自身のお手柄を口にされませんが、私は知っています。ルーク様が旅の途中で各地の魔王軍拠点をことごとく撃破し、四将軍の作戦をすべて完膚なきまでに打ち破ったからこそ……魔王軍の組織は内部崩壊し、魔王の求心力は完全にゼロになったのです……!)


アイリスの瞳に、神を見るかのような圧倒的な崇拝の光が宿る。


(武力で力づくでねじ伏せるのではなく、敵の組織構造そのものを無無力化して自滅させる……まさに神の領域のご深謀遠慮……! このお方こそ、世界を真の平和へと導く絶対の存在……!)


(う~ん、アイリスがまた何だかすごい感動した顔で僕を見てるけど……まあ無事に終わったなら良かったのかなぁ?)


ルークが呑気に考えていると、四将軍たちが歩み寄ってきた。


バアルがルークに向かって、深々と頭を下げた。


「予言の男よ。感謝する。これで俺たちもあんな理不尽な上司から解放された。……正直に言おう、我々魔王軍は、元々人間と全面戦争をするつもりなどなかったのだ」


第2将軍アガレスも頷いた。


「そうだ。前魔王からの慣習でダラダラと戦っていただけだ。……そなたの王に『魔王軍は人間と全面和平を結びたい』と伝えよ」


「えっ! 和平を結んでくれるんですか!?」


ルークは顔をほころばせた。


「ありがとうございます! 人間と魔物が仲良く暮らせるようになったら、すごく素敵ですね!」


こうして、ルークは一度も剣を交えることなく、運と成り行きだけで『魔王の生け捕り』と『魔王軍との全面和平の成立』という歴史的偉業を成し遂げたのだった!


◇


「よし、それじゃあ王都へ帰ろう!」


ロープでぐるぐる巻きにされた魔王を馬車の後部座席に乗せ、ルークたちは馬車を発進させた。


帰りは敵の妨害も一切ないため、白銀の天馬アルシオンが本領を遺憾なく発揮した。


行きは何ヶ月もかかった道のりを、アルシオンの爆速飛行によって、なんとわずか『1週間』という驚異的な最短時間で駆け抜けてしまったのである!


「うわあーっ! 王都が見えてきたよーっ!」


雲を突き抜け、眼下に広がったのは、燦然と輝く白亜の王都であった。


入口の警備隊に魔王を生け捕りにして連れて帰ってきたことと和平の話を伝えたところ、警備兵は大慌てで大声で叫びながら王宮に向けて駆け出した。


「英雄ルーク様が魔王を生け捕りにして帰って来たぞー!」


「魔王軍との和平が成立したぞー!」


この話は一気に町中に広がり。


「おい見たか!? 英雄ルーク様が、魔王を生け捕りにして帰ってきたぞーっ!!」


「魔王軍との全面和平も成立したらしい!!」


「凄すぎる! 人類史上最大の英雄だーっ!!」


王都全体が狂喜乱舞のお祭り騒ぎに包まれる中、ルークとアイリスは王城の最深部——王の間へと足を踏み入れた。


玉座の前で、ぐるぐる巻きの魔王をドサリと差し出し、四将軍から託された和平の書状を手渡すと、国王はガタガタと震えながら玉座から立ち上がり、涙を流して叫んだ。


「お……おおお……! なんということだ……! 宿敵魔王を生け捕りにし、戦わずして世界に永遠の和平をもたらすとは……!」


国王はルークの前に歩み寄り、深々と頭を下げた。


「ルーク殿! 貴殿を単なる『大英雄』の称号に留めるは不敬! 本日ただ今より、世界を救いし『勇者ルーク』として称えることを、我が全霊をかけて誓おう!」


「「「「勇者ルーク様万歳ーっ!!」」」」


王の間を満たす大臣や騎士たちの割れんばかりの拍手と歓声。


「えへへ……勇者だなんて、なんだか照れちゃうなぁ」


ルークが鼻の下を擦って照れていると——突然、王の間の重厚な扉がバーンッ! とけたたましい音を立てて開け放たれた!


「た、大変です王様ーっ!! 大変な占いの結果が出ましたぞーっ!!」


息を切らして飛び込んできたのは、長い髭を蓄えた宮廷預言者であった。


王が眉をひそめて問いただす。


「何事だ預言者よ! 今は勇者ルーク殿の勝利を祝う宴の最中だぞ!」


預言者は青ざめた顔で、手に持った水晶玉を指さして叫んだ。


「それどころではございません! これより『1年後』、太古の昔に世界を滅ぼしかけた『太古の邪神』が復活するとの不吉な予言が出ました!」


「なに……!? 太古の邪神だと……!?」


「はい! 現在はここから遥か南の果てにある『封印の地』に封印されておりますが、その封印が急速に弱まっております! 今すぐ再封印を施さねば、1年後に世界中の街と村が消滅します!!」


「「「な、なんだとーっ!?!?」」」


静まり返る王の間。場に絶望的な空気が漂いかけた——その時。


国王の視線が、今まさに魔王を生け捕りにして帰ってきたばかりの『勇者ルーク』へとゆっくりと向けられた。


「……勇者ルーク殿」


国王は縋るような目で、ルークの手をぎゅっと握りしめた。


「お願いです……! 世界を滅ぼす太古の邪神を、再度封印してきてはいただけないでしょうか……!? 世界を救えるのは、数々の奇跡を起こしてきた貴方しかいないのです……!」


「えっ……ええーっ!?」


ルークは思わず声を裏返らせた。


(た、たった今魔王を捕まえて旅が終わったと思ったのに、今度は太古の邪神の再封印……!?)


断りたい気持ちは山々であったが、王をはじめ、アイリスや王間の全員から期待に満ち満ちた熱い視線を向けられ、ルークは「えへへ……」と引きつった苦笑いを浮かべるしかなかった。


「……は、はい。僕で役に立つなら、頑張って南の果てまで行ってみます……」


「おおお! 引き受けてくださったか! かたじけない、勇者ルーク殿ーっ!」


歓喜に沸く王の間で、国王はすぐに配下の者に命じ、ずっしりと重い皮袋をいくつも運ばせてきた。


「これは、魔王生け捕りと和平成立の報酬、そして邪神封印の旅の準備金として贈る『金貨1000枚』である! 受け取ってくれ!」


「き、金貨1000枚ーっ!?」


目の前に積み上げられた山のような金貨の袋を見て、ルークは目が飛び出そうになった。


金貨1枚で普通の人間の1ヶ月分の生活費になる世界である。1000枚など、一生遊んで暮らせるどころか小国の国家予算レベルの超大金であった。


(こんな大金、重くて馬車にも載せきれないよ……持ち歩くのも危ないし、とりあえず冒険者ギルドの口座に全部預けちゃおう……)


またしても使い切れないほどの巨万の富を手に入れてしまったルークは、頭を抱えながら苦笑いするのだった。


こうして、魔王軍との戦いは平和的に幕を閉じ、ルークとアイリスの新たな冒険——『太古の邪神・再封印の旅』が、新たなる幕を開けるのであった!

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