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スキル【急所蹴り】を獲得した主人公

 私は先ほど果物屋の店主に投げ飛ばされたバイブを見つめる。

 バイブの電源を入れる。

 「ウィーンウィーン」

 その音は不思議と小動物が私を慰めてくれているようにも聞こえた。

 「私の味方はお前だけかよ」

 「よしよし」

 そんなことをしていた私は、裏路地で何か硬いものにぶつかる。


 「なんだてめえ?ぶつかったくせに挨拶もなしか」

 見上げるとそこには、三人の男性。その三人は背丈だけを見ると大きくなったズッコケ三人組のようでもあった。年は私より少し上くらいで、真ん中に立っている男のぎらついた眼が地元のコンビニ裏でヤリマンとアンパンでラリっていたヤンキーを思い出させる。

 まずは異世界での【第一ミッション 腐ったミカンを撃退せよ!】が始まってしまったようだ。

 「私の異世界skillが発動しちまうか?やんのかクソヤンキーどもが」

 「何言ってんだこいつ?てかこの坊主ちょっと顔可愛くねえか。ちょっと俺たちと遊ばねえか?」

 私の目の前にいる大柄の男が誘うような動作をしながら言った。

 「お!私の魅力に気づくやつがいるとはな。やるではないか、だがお前らに私はまだ早い。中高陸上部で鍛えたこの足技を見よ!アチョー」

 私は生まれてこの方誰も殴ったことも蹴ったこともない。そのためか間合い管理というスマブラでもストリートファイターでも普通の喧嘩であっても大事なことを知らなかった。私の中途半端に伸びた足はゆったりと一番近くにいた大柄なヤンキーの股のあたりに伸びていく。そして柔らかい何かをはじくみたいにそのまま蹴り上げる。

 「ウッッッオ!」

 異世界ヤンキーであってもその痛みは万国共通、スキル【急所蹴り】が発動する。大柄の男が絶叫しながら悶絶する。

 「キャーチンコ蹴っちゃった」

 思っていたことがそのまま口から出てくる。

 「キャー!俺の、俺のキャン玉がー!!!」

 「すまん、またつまらぬものを蹴ってしまった」

 私は格好をつけながら言った。さながら気分は五右衛門である。

 「おいこいつのキャン玉二つしかねえんだぞ!どうしてくれるんだ!」

 中くらいのアンパン吸ってそうなヤンキーが私に怒鳴りつける。

 「すまんかった、体がでかかったから四つくらいあるかと思ったんだ、、、これで許してくれるか?」

 そういった私は大柄な男に近づきその男の股にバイブを乗っける。そして電源ボタンを押す。

 「ウィーンウィーン」

 無慈悲な鳴き声が響く。

 「キャー!俺の、俺のキャン玉がー!!!誰か誰かこのアホを止めてくれ」

 

 

 「て、てめえ!舐めやがって!」

 中肉中背の地元のヤリマンとアンパンでラリってそうなヤンキーがギラリと光る刃物を取り出す。

 私はその威光に当てられその場でうずくまり地面を頭にこすりつける。


 つまり私の第二の刃土下座だ。殺せんせーが謝ることで下に落ちた第二の刃が見えると、赤羽業に教えていた。私もそれに見習った、ちなみに私の自認は潮田渚だ。彼らにはナイフという第一の刃しか見えていないのだろうなと内心少し見下した。

 「すんませんマジすんません。足でもなんでも舐めますんで、えっぐいプレイとかも付き合いますんで、うちにあるプレステ3譲りますんで許してください!」

 何故こんな風に謝ったか理由は怖いからだ。私は単純だった。怖いものの足はなめる。それが人間というものだろう。

 「なんだこいつ?マジで意味わかんねえ」


  そこに銀色の小さな物体が入ってくる。

 「ちょっとごめんよーワッショイワッショイ」

 それは一人の小さな少女だった。その少女は銀髪で長い髪の毛をしており髪の毛を後ろで束ねており右腕に女物のパンツのような布を巻いている。この場の状況を見て、その少女は少し唖然とする。それもそのはず大柄の男が股間を抑えてうずくまっている横で、ナイフで脅されている私が土下座をしているのだ。自分で言っていても意味不明だ。

 「なんか変態そうだけど、エロく生きろワッショイ」

 その少女はスタコラスタコラと私を置いていってしまった。

 「今ので毒気抜かれたりしてませんよね?」

 「んなわけねえだろ、お前に抜いてほしいくらいだぜ」

 「ですよね~」

 私まだ何もしてないよ。異世界に来てチンコ蹴ってバイブ鳴らして終わりかよ、そんなのってないぜ。


 「そこまでだZE悪党どもGA、お前らの事を、、、愛ゆえに遭いゆえに哀ゆえに許さない。これは総てIのためDA。何が足りないってそうお前らには相が足りない。」

 私が見上げるその先にいたのは露出の高い服を着た一人の女性だった。金髪をきらめかせるその女性は高らかにこの場に咲いた一凛の花のようでもあった。

 

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