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SHADOW BIRD  作者: 下野 遊々
1章.闇討ち烏は闇夜に嗤う

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後日譚:悪魔の腹の底の底

「そういえば、彼にはなんと伝えたんだい?」

「何の話~?」


 ここは1区の支部長補佐室。


 来客用のソファーには寝そべり、サボる少女が一人。お気に入りの小悪魔パーカーを羽織り、足をばたつかせながら適当な返事を返す。


「君のお気に入りの子の、探し人のことさ」

「なに、やきもち? 先生かわいい♡」


 茶化す少女は非常に愛らしい。


 自身の可愛さをよく分かった、それでいて憎めないポーズだ。しかし、男はそれに何を返すでもなく、ただ静かな微笑みを以て少女を見つめ返すだけだ。



「ん~~~~……っもう!」


 根負けしたのは少女のほうか、ソファーにあったクッションをボンボン叩き、むくれた表情を隠そうともせず答える。


「普通にもう死んでるって。()()()()()()()

「ふむ」


 そのまましばしの沈黙。男の書類を捌く音だけが、室内に響いている。


「だって」

「ん?」


 ソファーからピョンと立ち上がった少女は、部屋を出ていく前に、置き土産とばかりに言葉を残す。


「私もまだ死にたくないし」


 直後、拒絶を示すドアの音と共に、彼女はその姿を通路の暗闇に消した。



 *



 愛しの少女にへそを曲げられた男は、一人苦笑する。


 作業がひと段落付いたのか、男は近くの端末を手に取った。無限の命を持つ少女すら遠ざける理由が、そこにある。


 古い事件の記録だ。


 Sランク以上の能力者でなければ閲覧できない、最高ランクの機密。その記録には、首謀者の死亡によって、事件が終結したと記されていた。それ自体は特別珍しいことではない。ただ一つ、その記録をまとめた人物を除けば。


「…………【空帝(くうてい)】、そして【不死王(ふしおう)】。確かに最悪の組み合わせだね」




 ・【S級案件】裁きの天秤 報告書


 ――

 ――

 ――


 ――以上を以て、この事件は終結したものとする。


 記録者

 3区支部長 百合(ひゃくあ) (しん)

 4区支部長 影川(かげかわ) 鏡夜(きょうや)

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