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第40話 ありがとう
助けられた男の子が、ソフィアの前へ駆け寄る。
「お姉ちゃん!」
「ありがとう!」
その笑顔に、ソフィアも思わず微笑んだ。
「もう大丈夫ですよ」
男の子の母親も何度も頭を下げる。
「本当にありがとうございました!」
店主も深々と頭を下げる。
「店まで助けていただいて……」
「ありがとうございます」
やがて周囲から拍手が起こった。
「さすが聖王大聖女様!」
「私たちの暮らしを、いつも見守ってくださっている!」
「ありがとうございます!」
ソフィアは照れくさそうに笑う。
「そんな……」
「目の前に困っている方がいましたから」
「それだけですよ」
街の人々は、さらに温かい拍手を送る。
ソフィアは少しだけ困ったように笑いながら、小さく頭を下げた。
そして、再び歩き始める。
歩きながら、ぽつりと呟いた。
「これも……」
「仕事になっちゃうんでしょうか」
少し考えてから、自分で首を横に振る。
「いいえ」
「今日は、一人の女の子として助けたかっただけです」
その答えに、ソフィア自身が少し驚く。
けれど、不思議と心は軽かった。
穏やかな笑みを浮かべながら、ソフィアは夕暮れの街を後にするのだった。




