33/46
第31話 暇です
休日。
五日目。
朝。
気持ちの良い朝日が窓から差し込み、ソフィアはゆっくりと目を覚ました。
身支度を整え、温かい紅茶を淹れる。
一口飲んでから、小さく息をついた。
「さて……」
「今日は何をしましょう」
少し考える。
街へは昨日までで十分楽しんだ。
美味しいスイーツも食べた。
市場も歩いた。
恋愛劇も観た。
掃除もした。
本も読んだ。
料理にも挑戦した。
やってみたかったことは、一通り終えてしまった。
「…………」
静かな部屋に沈黙が流れる。
窓の外では、小鳥のさえずりが聞こえる。
ソフィアは紅茶をもう一口飲みながら、小さく呟いた。
「……暇ですね」
聖王大聖女となって以来、毎日が仕事で埋め尽くされていた。
だからこそ、何も予定がない一日をどう過ごせばいいのか分からない。
「皆さんは、お休みの日に何をされているのでしょう」
真剣に考えてみる。
しかし、良い案は浮かばない。
「困りましたね」
休日も五日目。
ソフィアは人生で初めて、
「暇」という贅沢な悩みに頭を抱えるのだった。




