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第25話 掃除
休日。
四日目。
朝日を浴びながら目を覚ましたソフィアは、小さく頷いた。
「今日は、お部屋を片付けましょう」
ここ数か月。
聖王大聖女としての仕事に追われ、掃除や整理整頓まで手が回らなかった。
本棚には読みかけの本。
机の上には書類ではないものまで積み重なっている。
衣装棚の上にも、小物が置きっぱなしだ。
部屋を見回したソフィアは、少しだけ苦笑した。
「少し散らかってしまいましたね」
袖をまくり、気合いを入れる。
「部屋の乱れは、心の乱れ」
「今日は綺麗にしましょう」
まずは机の整理。
続いて本棚。
最後に衣装棚。
手際よく片付けを進めていく。
その時だった。
「あれ?」
本棚の奥から、一冊の古びた本が姿を現した。
表紙には、可愛らしい花の装飾。
タイトルは――
『初恋物語』
ソフィアは思わず首を傾げる。
「こんな本……持っていましたっけ?」
ぱらり、と一ページだけ開く。
「少しだけ……読んでみましょう」
その”少しだけ”が、休日を丸ごと奪うことになるとは――
この時のソフィアは、まだ知らなかった。




