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第20話 号泣
劇が終わった。
劇場内には、静かな余韻が流れている。
「うぅぅ……」
一人だけ、すすり泣く声が響いていた。
ソフィアだった。
「幸せになって……」
「よかったですぅ……」
主人公たちは数々の困難を乗り越え、最後には結ばれた。
互いを想い続けた二人。
最後に交わした約束。
そして、祝福に包まれる結婚式。
そのすべてが、ソフィアの心を揺さぶっていた。
「うぅぅぅ……」
涙が止まらない。
ハンカチで拭いても。
拭いても。
次から次へと涙が溢れてくる。
「本当に……」
「よかったですぅ……」
鼻まで赤くなっていた。
周囲の観客が、ちらりとソフィアを見る。
「あの人……」
「すごく泣いてる……」
「そこまで感動したの?」
「いや、私も泣いたけど……」
「さすがに、あそこまでは……」
少しだけ引かれていた。
それでもソフィアは気付かない。
「うぅぅ……」
「よかったです……」
主人公たちが幸せになったことが、自分のことのように嬉しかった。
気付けば。
劇場で一番泣いていたのは、史上初の聖王大聖女だった。




