87話 正体は
87話 正体は
アルルがペラペラページをめくっている、途端、急に手を止める。
アルル「あった!これ…」
アルルは本を立てかけてターサーに見せる。
アルル「宝石の正体は…レッドリヴァイブ…えぇっと…その宝石に眠っているものは記憶…儀式をして…蘇らせる…うーん…何かしら記憶を見ることが出来る……かな」
ターサーは少し怪訝そうな顔をする。
ターサー「何故自信がないように読む?」
アルル「え…えっと…ごめん…テルア族の使ってる字と違ってて…これ魔法使いの本だし…マジリカの街の物で分かんないんだよね…勉強…サボってたし……でも!間違いないと思う!」
ターサーはため息を吐きながらも唯一のルリィの残したものということを考え。
ターサー「そうか…それを正確に見るにはどうすれば良い?」
アルルはそれを聞いて本を指でなぞり字を読んでいく。
アルル「えーっと…賢者…に…元……ちがう…
元に…なるほど…とにかく詳しいのは賢者みたい!」
アルルは少し投げやりに言う。
ターサー「賢者…その本に居場所は書いているのか?」
アルルはそれを聞いて少し申し訳なさそうに。
アルル「ごめん…そこまではない…と思う…場所らしき記述はないし…」
アルルは目を逸らしては、チラチラとターサーに視線を戻す。
ターサーは少し考えるように腕を組み直し。
ターサー「…」
その時だった…ボワーン、と響くような音、そして光が大木の外から聞こえる。
ターサー「?」
ターサーはゆっくりと椅子から立ち上がりドアを開ける。
大木の外に休ませてる馬にかけたルリィの持っていた帽子が光っているのだ。
ターサーはゆっくりと近付き帽子を手に取る。
ターサー「…」
光が止む…。
ターサーはそれを持ったまま大木の中に戻る、すると帽子が再び強く光だして何かを照らす。
アルル「っ…何々…?」
部屋の中にあるコンパスだ。
何か光が注入されてるかのようだった、コンパスに光が送り込まれるとやがて光が止む。
ターサーはゆっくりとコンパスに近付いていく。
ターサー「…どこかを指している…針先が少し青く光っている」
アルルはハッして駆け寄って背後にくっついて見てくる。
アルル「もしかして…賢者の…場所…?でもどうして?」
ターサーは深く考える、この帽子はルリィが生きてる頃もルリィの為にずっと動いていた、今回も残った魔力がルリィ為に動いたと考えれば…針の指す先は間違いなく賢者だ。
ターサー「…分からんが、行ってみる他ないな」
ターサーはアルルに顔を向ける。
アルルはコクッとうなずく。
アルル「けど!けどね!今日は休も…ボクもうクタクタ…」
アルルは伸びをしながら階段の方へ歩いていく。
が…足を止めてターサーの方に振り返る、目は疲れているのか半目だった。
アルル「部屋案内するね」
…夜
ターサーは少し久しぶりに安心して眠っていた。
ここ最近移動ばかり、外で野宿は安心とは言いきれない、それはマジリカに限った話ではなかった。
ターサーはとにかくスヤスヤ眠っていた。
その時。
ガタン!!!
ターサーは物音にゆっくり目を開ける。
少し寝ぼけていた。
ターサーはゆっくりと近くの棚の上に置いたハンドガンに手を伸ばすも何かがいるわけではなかった。
ターサー「…」
ターサーは警戒を解いて再び寝るのだった。
ー翌朝ー
ターサーは起き上がると寝る前に外した装備を早速身につけていき部屋を出る、昨晩ターサーは部屋を案内すると言われ二階の部屋に連れていかれた、が大木は高い、必要以上に部屋を作ったのか上に上がる階段は二階にもあった。
ターサーは一階から音と何かの香りがするのでゆっくりと降りていく。
ターサー「おはよう…アルル」
アルルは背後を向けていてビクッとしてからゆっくりと振り返る。
アルルは少し眠そうにしていた。
ターサー「平気か?アルル」
アルルは少しフラつきながらもうなずく、そして思い出したように。
アルル「あ…そうだ…ご飯作ったよ!」
そう言っては何かを乗せた皿を切り株の机の上に置く。
皿の上には炒められた木の実の乗ったパンに甘い匂いのハチミツ。
アルル「えへへー!凄いでしょ!森のハチちゃん達が少しゆずってくれたんだー!」
ターサー「なるほど…」
ターサーはゆっくりと椅子に座り。
ターサー「いただく…」
ゆっくりとパンを手に取る。
間近で見ると目の前のパンの魅力が分かりやすかった、触ってから分かったのはパンがしっかり温かい事、木の実は香ばしい香り、ハチミツは甘い香り、それらが合わさり一つになって最高の朝にしようと言っているようだった。
一口、食べる前に感じた香りの何倍も良い香ばしさと甘さが襲ってくる、パンは湯気を出しながら二口目を誘ってくる。
ターサー「これは…中々美味い…」
アルル「えへへー!そうでしょ?そうでしょ?」
アルルは嬉しそうに笑っている。
…その後…
ターサーは身支度を完全に済ませて馬をよーく撫でて待機していた。
やがてアルルが出てくる、昨日会った時と違い短めのスカートを履いている。
ターサー「…旅に行くのにその格好で平気なのか?」
アルルは少しムスッとして。
アルル「これならどっかのバカみたいに性別間違えないかな~って思って」
ターサー「そりゃ賢い手だな…」
とターサーはため息混じりに言って馬に乗る。
ターサー「…こいつ、万全だって?」
ターサーは馬を見てからアルルに聞く。
アルル「待ってね…」
アルルはゆっくりと近付いて馬の首を撫でながら聞く。
アルル「今日はよーく走られそう?」
馬「ヒヒーン!」
アルルは鳴き声を聞いて微笑み。
アルル「ターサーくんの役に立つ気満々みたい…」
ターサー「そうか…」
ターサーも優しく微笑みアルルに手を伸ばす、馬に乗りやすくする為だ。
アルルはターサーの手を見てそれから顔を合わせる。
アルル「ありがと」
そうして二人馬に乗り込む。
ターサー「ところで…動物と喋られるのは…何故だ?」
アルル「それはテルア族の特徴!動物との共存が基本だったから…だからこそ…狩りも出来なかったんだけど…」
ターサー「なるほどな…あと一つ…スカートはきっと後悔するぞ」
アルル「え?」
ターサー「やぁ!!」
ターサーは掛け声と共に馬を蹴って走らせる、絶好調の馬はいつもより速く走り出す。
アルル「ちょっ!スカート!やばいって!!」
アルルのスカートは見事勢いでめくれまくっていた。
続く。




