84話 希望
84話 希望
ターサー「っ…?」
酒場…外は雨の音が鳴り止まない。
そんな中…目の前の帽子が光っている。
青く光っている。
傍のネックレスの赤い宝石が一瞬光った気がする。
ターサー「…」
ターサーはゆっくりとネックレスを持つ。
何かが一瞬見えた気がするのだ、それはルリィがいて…こちらを見ていたような気がした。
ターサー「ルリィは…何かを俺に残した…」
下を向いていた周りの住民が顔を上げてターサーを見る。
リリー「どういうこと…?」
リリーが涙を流したまま聞いてくる。
ターサー「分からない…だが…」
ギュッ…強くネックレスを握る。
ターサー「二人が亡くなった今…次にやることは…それしかない。」
ジェリスがゆっくり立ち上がる。
ジェリス「平気なのか…ルリィ程の魔法使いはそうそういないぞ…知りたけりゃ…そいつを知る人物を探す必要があるって事だ…」
ターサーはネックレスに向けた視線をジェリスに向ける。
ターサー「やらない訳にはいかない」
リリー「私も行きます…」
ターサーはそれを聞いてゆっくりリリーの前に膝をついて肩に手を置く。
ターサー「お前は…ここにいろ、あいつが残した何かを俺は突き止める…」
リリー「…」
リリーは目を逸らす。
ターサー「目を見てくれ…」
リリー「…ターサーさんまでいなくなるのはいやです…」
ターサーは一瞬目を伏せるも、次は覚悟を決めた目でリリーを見る。
ターサー「必ず戻る…約束だ」
ターサーはゆっくり立ち上がり。
ジェリス「ここは俺に任せろ…ターサー、俺がみんなを守る…。」
その時。
先ほど胸にカウボーイハットを当てていた男が。
男「俺だって…もう戦える、頼りすぎたから犠牲が出ちまったんだ…」
そして…
店主「もう…俺も恐れない、町長に、一人の女性が代わりに亡くなったと考えては戦わない理由がない!」
雑貨屋の店主だ。
周りの住民が声を上げていく。
ジェリス「お前ら…」
ターサー「より安心感が増した…そうとなれば…俺は行く、皆…任せたぞ」
皆ターサーを見て頷く。
そうしてターサーは雨の中馬を走らせて再び旅に出るのだった…。
…数日が経過した。
天気は晴れ、馬は元気バッチリ。
日に照らされながら馬を走らせているターサー。
心なしか、馬の後ろに乗せた帽子がターサーの背中に寄った気がした。
続く。




