81話 連鎖反応
81話 連鎖反応
回想…狩人の館に居たときの事…。
司令官「忠告というのは…我々の国から兵士が
一人…亡命したのです…それも今で百年経ちました…」
セリーヌが少し笑いながら。
セリーヌ「待って…百年?何で今さら私達にそんな事を…?」
司令官「最近判明したことが…まず…こちらの写真を…」
テーブルに写真を置く司令官。
写真は少しボケていて男の顔が見えないものの…
分かることがいくつかあった。
まず軍人のような格好をしている。
銃を持っている。
そして目に何か巻かれた金髪の少女を抱えていた。
ターク「なんだこれ…誘拐ってことか?」
司令官「…。ええ…そうでしょうね…元々気性の荒い兵士でした…ただそれだけではありません」
…
ターク「ターサー…アルサねぇ…もし俺の聞いたことのある軍人だとしたら、凄い男になる」
女性「私はアルサをずっと探してる…最終的に彼の首を取るつもりよ」
女性の赤い瞳は覚悟が決まっているからかより光ってるように見えた。
ターク「…なぁ、言って意味があるか分からないが、復讐ってのはさ、成せる時…そこに近付く程…どうしてこんなことをしているんだろって思ってまうもんだ…だから─」
女性は食い気味に言う。
女性「教育なんて頼んでない…」
そう言うと振り返って少し怒ったように去ろうとする。
ターク「名前は?あんたの名前」
タークは少し声を張って聞く。
メガイラ「メガイラ…」
カッ…カッ…
メガイラはそう呟くと続けて杖を鳴らしながら去っていく…背を向けたまま、タークは去る姿と歩く度に鳴る杖の音だけが脳に響いていた。
…
カッ…カッ…
そんな靴の綺麗な乾いた音を鳴らしながら歩くルリィ。
マジリカでは数日かけてハウィの家の修復を終わらせることが出来た。
ガチャリ、チャリンチャリン…ドアを開けると客を知らせるベルが鳴る、そこは食料の売ってる雑貨店。
店主「おぉ…らっしゃい!」
ルリィ「おはようございます!おつかいに来ました!」
ルリィはあの一件から町の信用を得ることが出来た、町を救った実例を手に入れたのでハウィはそれを材料に町の人々を説得してくれた、それにはジェリスもターサーも協力してくれたのだった。
ルリィは今や町を歩いていれば笑顔で挨拶をしてもらえるのだ。
ー保安官事務所ー
ジェリスは保安官事務所で牢屋の近くに寄りかかり自身のリボルバーの表面を拭いたりし手入れをしていた。
そして作業を続けながら胸ポケットに手を伸ばす。
ジェリス「っ…しまったな…タバコを切らしちまってたんだった」
ジェリスは牢屋のある地下から階段を上がり保安官に話す。
ジェリス「少しタバコを買ってくる…見張り頼んだ」
保安官「おう!了解!」
ジェリスは扉のドアノブに手を掛けて一度振り返る。
ジェリス「本当に平気か?新人」
保安官「心配すんなよー、俺だって一人前志してる…」
ジェリスはフッと笑いながらブーツを鳴らし。
ジェリス「そうかい…」
保安官事務所から出ていくのだった。
…
ジェリスは町を歩いていると。
ジェリス「お、ルリィじゃねぇか…おはようさん」
ルリィはジェリスに気付いて笑顔で少し荷物を重たそうに抱えながら駆け寄る。
ルリィ「おはようございます!」
ジェリス「持ってやろうか?」
ジェリスは手を腰に添えてそう聞いた。
ルリィ「いえ…やっぱり、強い女性になるべきなんで…これも修行の一種だと思うことにします!」
ルリィは目を輝かせてそう言う。
ジェリス「そんなこと言ってよぉ、ターサーに持ってやるよって言われたらすんなり渡すだろ?」
ルリィ「っ…それは…」
ルリィは少し頬を赤らめ目を逸らし。
ルリィ「やっぱり…可愛い乙女でいたいですから…」
ジェリス「気にしすぎだってのー…男は力強い女でも、可愛い女でも、どんな姿でも尻さえデカけりゃ良いってのー…」
ジェリスは笑いながらそう言いルリィを後にする。
ルリィ「っ…もう……」
ルリィは荷物を持ちながらも自分のお尻を確認するように。
ルリィ「………頑張りますよ…ルリィちゃん…」
…雑貨店ー
ガチャリ、チャリンチャリン…ベルが再び来客を知らせる。
ジェリス「おはよう、いつもの二箱」
店主「二箱?へぇ?自重し始めたのかい?ジェリス」
ジェリスは帽子を直し後頭部を掻きながら。
ジェリス「新人の野郎が煙たそうに見るからよ、少し減らすことにしたんだよ」
店主「ハッ…ま、優しさがあるわけだな…首吊りの刑は切れ目の入ったロープかなんかになるのか?」
ジェリス「それ良いじゃねぇか、死ぬ前に見れるようにこう切れ目を入れる…[Have you used the restroom yet?]」
店主は笑いながら。
店主「そりゃ良いナイフ裁きだ…さ、他にいるもんは?」
ジェリス「十分だ…どうもな…」
保安官事務所。
ドスン!!!
???「助けて!!!助けて!!!」
保安官「んだー?まったく…」
保安官はよそ見から牢屋へと視線を戻す。
牢屋の中に可愛い女の子が入っていた。
保安官「っ…あ!?に…逃げられたか!?」
保安官は牢屋の中にいないシュードに慌てながら牢屋の鍵を開けて入る。
その時だった、女の子がドロドロに溶けてシュードの姿になる。
保安官「っ!」
保安官はその瞬間に反応して腰にあるホルスターのリボルバーに手をかける…。
パンッ!!勿論至近距離のシュードに阻止され命中しない。
ドカッ!!シュードはおもいっきり新人の保安官をぶん殴る。
保安官「がはっ!?」
シュード「ふぅぁ…ったく…」
ドカッ!!ドカッ!!
何度も爪先の硬いブーツで保安官の腹を蹴るシュード。
そうして反抗できなくなった保安官をよそに落としたリボルバーを拾い上げて出ていくシュード。
…
ガチャ…キィィィ…ゆっくりと開く保安官事務所。
ターサー「クリア…」
ターサーが銃を構えながらゆっくりとクリアリングしていく。
ジェリス「…」
それはジェリスも同様だった、二人はPIT式のクリアリング法を扱いながら安全に進んでいく。
ターサー「…これはただの予想だが、おそらく奴だな」
ターサーは階段の下に銃を向けそう言う、ジェリスは同じく階段の下に片手でリボルバーを構えながら。
ジェリス「…間違いねぇ」
そう言ってよ二人は進んでいくと…
ジェリス「っ…おい!平気か!」
ジェリスは牢屋に倒れた新人保安官に気付いて走っていく。
ターサー「…鼻が折れてるようだ」
保安官「…す…すまない…ジェリス…」
ジェリス「っ…くそ…奴め…」
…
ーある家の近く…。ー
シュード「…」
ドロドロ溶けて…形成される人の姿。
シュード(ハウィの姿)「…(さてと)」
そのある家の中には…別室で休んでいるハウィと、ウキウキで料理をしているルリィがいた…。
続く




