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80話 魔力は復習心

ガヤガヤ…ベースキャンプから砂漠、砂漠から森を抜けると港のある街につく。


レンガ造り、レンガの道、屋台…街:ルシアン…


前に一度利用したことがあり、それは狩人の館に行った時の事だった。


ターク「ふぅ…久々の感覚だ…」


タークはグリンスとゲマナと一緒にソニバルド2体で引く馬車に乗っていた。


グリンス「ターク、私達はあっちの方で物資の受け取りをしてくるが…君はどうする?」


グリンスは首を傾げて聞いてくる。


ターク「ん?いや…俺も…」


その時だった…カッ…カッ…。


タークは視線の先に杖をついてる女性を発見し、少し固まる。


グリンス「ターク?」


タークはハッとしてグリンスに視線を戻す。


ターク「俺は少し街を見る、終わったらベースキャンプに行ってて良い…」


グリンスとゲマナは顔を合わせて首を傾げながら。


ゲマナ「あんま遅くならないよーにね?」


と、ゲマナは言ってくれて馬車から降りる。


ターク「おう…じゃ」


手の平を見せて振っては振り返り先程見た女性を見逃さないように少し小走りに走る。


ゲマナは馬車の運転席のサイド肘をついて寄りかかり頬杖をつく。


ゲマナ「なーんか怪しいな」


グリンス「そうだろうか?」


ゲマナは少しニヤリとしてグリンスの方を向く。


ゲマナ「もしも、タークが二人目の女性を作ってたとしたら…グリンスどうする?」


グリンスはクスッと笑う。


グリンス「ないな」


そして手綱を振ってソニバルドに当てては再び馬車を動かして店へ向かう。


ゲマナ「そうだけどさー…」


ゲマナは再び頬杖をついてタークの背中を目で追う。



ー路地ー 


ターク「…(ここを通ったと思うんだがな…)」


周りを見ながら進んでいく、ほとんど人はいない、タークは活気のある音の方へ進み続ける。


路地を抜けた先には青い制服を着た明らかにこの世界のこの街での警官らしきやつがいる。


タークは自分が怪しまれるとも気にせずに女性を見つける。


ターク「あ…いた…」


タークは女性を遠目に見つめ続けて尾行を続ける。


しばらくすると大通りの馬車が通っているような場所に来る、そこでタークは気付く、先程から別の警官であるものの視線を感じると。


ターク「…(なーんか遠目で見られてんな…そりゃ夢中に見ながらついて行ってたらそうか…次で決めよう…)」


タークは女性を観察し続けて再び路地の前を通りそうになってるのに気付く。


ターク「…(しめた…人通りの少ない場所なら…)」


タークは追い付くように早歩きになる。


勿論警官はタークに集中する。


女性は路地まで約13m…。


7m…3m…ここだ!


ターク「おっと…」


遠目に見ている警官に見えるように地面の石ころを拾って女性を追いかけるように小走りに路地裏までついていく。


ターク「…(名付けて…落とし物届けに行ってますよ作戦)」


警官は遠目に見ながら完全に警戒を解いた訳ではないもののそれによりタークへの興味がなくなったのか視線を別に向けるのだった。


そしてタークは路地を進んでいく。


ターク「…」


女性が前を歩いている、少し強めに地面に石ころを投げて音を鳴らす。


女性は杖を止めて立ち止まりゆっくりとこちらを向いてくる。


女性「…なんでか、私をつけてる男がいるみたいなんだけど…あなたかしら?」


女性は振り返りながらそう言った。


目の前の女性を良く見ると短めの黒いタイトなスカートに、半袖のフード付きの青のラインの入った白のパーカーのような服、髪は黒く長くサラサラしていて瞳は赤い。


ターク「その杖…瞳も…どこかで見覚えがある…何かを…俺に渡したろ」


女性は目を細めて杖をカチカチと地面を二度突く。


すると黒い霧のような人形になり素早くタークの目の前に来て霧を晴らして元に戻る。


ターク「っ…(やっば…)」


タークは少し後ろに下がり腰後ろのホルスターにあるナイフに手を掛ける。


女性「やっぱり…あなたは何か変だったのよ」


ターク「…何か?」


タークはナイフから手を離して首をかしげる。


ターク「どうやら…俺にあの過去を見せる石を渡した張本人で間違いないみたいだな…」


女性は少し感心したかのようにフッと笑いタークの周りをゆっくりと歩きながら話し出す。


女性「ふむ…私はあなたとあの女性に確かに記憶を消す魔法を掛けたはず…なのにあなたは覚えている…」


女性は続けて。


女性「私の記憶魔法は相手に敵意がなくて、私の魔法に気付かなければこの世界の誰でも私に関しての記憶を消せる…つまり…あなたは…」


やがて女性はタークの目の前で立ち止まり指を指してくる。


女性「この世界の人間ではない」


ターク「…良い推理だな…確かにそうだ、どのみち…それがどうのこうのって言う必要はないだろうけどな…」


女性は続けて笑い呟く。


女性「確かに…」


ターク「しかし疑問がある…何故姿が違う…かなりの老婆だったはずだ」


女性は口角を少し上げて顎に手を添えて言う。


女性「そこは見抜いてないのね…まぁ、当然か…」


女性は杖を両手で持って見せながら言う。


女性「あのおばさんはただ私の魔法で作り上げた姿、別に私と関係なんてない」


ターク「面影あるけどな…」


タークは思わず呟いてしまう。


女性「なんですって?」


ターク「別に!何も…」


女性「ふん…まぁいいわ…特別な人間のあなたには説明するけど…私の本来の目的は確かに人間の過去、けどその用途は魔力の強化…」


ターク「強化?」


女性は少し暗い顔をして俯きながら話す。


女性「私はある男を探しているの…」


ターク「男?」


女性「男は恐ろしいほど強力な軍人…、昔に大戦があった事は把握してる?その大戦中…魔法使いを殺害した回数が未知数な男がいるの…その中で…私の友人も殺された」


女性は苦笑して言う。


女性「友人内で残ったのは私だけ、だから決めた、あの男を殺害するために強くなる…けどその思いを持ちながら何度も同じ魔法を出しても限界を感じるばかり…けど、私の扱っていなかった魔法の一つ…相手に過去を見せる能力を使わせる事で強くなっていった…」


ターク「…(魔力…魔法…出身はマジリカで、間違いなさそうだな…)」


女性の赤い瞳は少し揺れて潤いながら。


女性「…人は過去を踏み台にして強くする、私はそんな他人の過去を利用して踏み台にする…けど、ウィンウィンでしょ?追体験は後悔がなくなるのがほとんどで、私は…魔法を強化できる…」


タークは顎を少し撫で手を腰に添えて聞く。


ターク「で…言っている軍人ってのは誰なんだ」


女性は少し目を逸らすもタークに再び目を合わせて答える。


女性「アルサ…ターサー・アルサ…」


続く。

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