79話 リターン
涙を拭いテントから出たターク、皆が話す焚き火の方を見ながらゆっくり歩いていく。
まだ皆が気付いていない、少し孤独な感覚があった。
少し立ち止まる。
そしてタークの背後にはスタンクがいる、勿論生きている訳ではなかった。
タークは深呼吸をする。
背後のスタンクはじっと焚き火の方を見ているだけだった。
タークは、一歩を前に出す、ずっと焚き火を眺めているだけのスタンクを置いて、一歩、また一歩と…。
時間がゆっくりに感じる。
ターク「…(色々と感じた…過去に、孤独な人間の視点も…)」
タークは徐々に微笑む、本当に信頼できる仲間がすぐそこにいるからだ。
ターク「…」
タークは立ち止まる、皆が気付いて笑ってタークを見てくる。
ターク「なんの話?入れてくれよ」
ゲマナ「ターク!!そうそう!あのさぁ!」
ゲマナが機嫌良く楽しそうに話始める。
ヴァルドは「ふんっ」と笑い、セリーヌもやれやれと笑いながら思っている感じだった。
ここが自分のいるべき場所だと再認識した。
ー次の日ー
グリンス「…」
タークとグリンスは一緒に歩いて森への狩りに行くところだった。
タークはハッし立ち止まる、グリンスはそれを見て一緒に止まり様子を伺う。
ターク「よし、ルニャB、狩りに行くぞー!」
ルニャBが耳を立てて四足歩行で走ってくる、そして目の前に来てはビシッと立ち上がり手を頭に敬礼する。
ルニャB「ボス!にゃ!行くにゃ!」
タークはそれを見て微笑む、手を後ろに組んでソニバルドの方に歩いていく。
グリンスもクスッと笑い、タークを越す直前に肘で軽く押す。
ターク「おっ…はは…」
前の日常に戻れた気がしたが、違うのは、グリンスともっと距離が近くなったことだった。
ルニャBを乗せて、砂漠を越えて森へ、綺麗な日差し
が通る森をソニバルドで移動する。
ルニャB「にゃー…久々の狩りにゃー」
ルニャBはタークの乗るソニバルドに掴まり目を瞑り風を感じていた。
ターク「別にお前一人でも行けたんじゃないか?ゲマナから聞いたぞ?魚咥えて奪って逃げてたらしいな…立派な狩りだ」
タークは笑いながらそう言った。
ルニャB「でも、あれは死んだ魚にゃ」
ターク「つまり…その…比喩でだな…」
タークはため息をつきながら笑う。
その時、振動と大きな音。
ドスン…ドスン…
グリンス「ターク、あそこの大木の近く、ゴーレムがいる、また"森"にいる」
ターク「異常生態だな、了解…ルニャB…奴には何が有効だと思う?」
ルニャBは聞かれて考えるように上を向く。
ルニャB「にゃ…水にゃ!オレが水筒で持ってるにゃ」
ターク「正解だが…小さいな…」
タークとグリンスはソニバルドから降りる。
ターク「グリンス」
グリンス「あぁ」
グリンスは双剣をゆっくり抜いていく。
グリンス「気付かれないよう回って移動していく」
グリンスはそこから姿勢を低くして静かに、素早く近付いていく。
タークは双眼鏡を持ちゴーレム付近の情報を見る。
ターク「ウォーフライなし…か…」
ルニャB「にゃ、どうするにゃ?」
タークは双眼鏡をずらしながら何かを探す。
ターク「近くに川の音がするな、よし…。」
グリンスに合図を出すターク。
…
ルニャB「にゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ルニャBがゴーレムに追いかけられながら四足歩行で走りまくっている。
ターク「よし、今の内だ…」
グリンス「あれは…平気だろうか…」
ターク「ルニャBが立候補したんだよ」
タークは川の近くでツタを切る。
ターク「太いと時間かかるな…」
ギコギコとナイフを擦り続ける。
グリンス「任せろ」
グリンスはそこに近付いて少し後ろにしナイフを取り出してズバッ!!と切る。
見事綺麗に切れる、そして丁度良い長さに。
ターク「よし!オーケー!っ…重いなっ…」
軽々しく持つグリンスと重そうに持つターク。
そしてゆっくりと川の近くにツタを置く。
ターク「持ち上げる速度が需要っと…」
タークは口笛を強く吹く。
ルニャB「にゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ルニャBは叫びながらもタークの口笛の方に反応して走っていく。
グリンス「来たぞ」
ターク「おう…」
ルニャB「ボスぅ~!!!!」
ターク「持ち上げるぞ…ぐっ…」
タークとグリンスがツタを持ち上げる。
ターク「ゴールテープだ!ルニャB!」
ルニャBはそれの下をめがけて走りくぐる。
ゴーレムもそれを追いかけるが大きいゴーレムはグリンスと頑張ったタークの強く張られたツタに足がかかり川に転ぶ。
ゴーレム「ぐぅっー!!!」
ゴーレムは水に溺れるように動く、溶けた砂が川に流れていく。
グリンス「下がっていろ」
グリンスは再び双剣を構えてゴーレムに斬りかかっていく。
…
ーベースキャンプー
ゲマナ「お!帰ってきた!グリンスー!」
ゲマナが走ってくる、なにやらベースキャンプの端で狩人達が集まっている。
ゲマナ「グリンス、なんでそんな汚れてるの?」
グリンスはそう言われ腕を振って濡れてくっついた砂を落とす。
グリンス「気にするな、何かあったのか?」
ゲマナ「討伐会議!情報班によると…また森にゴーレムが現れたんだってさー!誰が行くかってまた競ってる」
タークとグリンスとルニャBはそれを聞いて顔を合わせる。
ターク「それなら…倒した」
グリンス「偶然見かけた物なのでな」
ヴァルドとセリーヌがゆっくり背後から来る。
ヴァルド「やっぱりな、こういう時はいっつも先越してんだ…」
セリーヌ「立候補してなくて正解…」
ゲマナは腰に手を添えてため息。
ゲマナ「じゃ…会議終わらせてくる…」
続く。
PV数が増えてきている…熱いか!?




