71話 今日は酷い日
ジェリス「っ!ハウィさんの家の方からだ」
ターサー「っ…」
目を塞がれたままジタバタするリリー。
リリー「な…なんですかぁ!」
ターサーはリリーの目を塞いでいた手をどけて前にしゃがみ込む。
ターサー「良いか…そこの建物の中にいろ…離れるなよ…おい!あんた!この娘を頼む!」
町民3「あ…あぁ!えっと…」
ターサーは町民の一人にリリーを預けてアサルトライフルを手に持つ。
リリー「き…気を付けてくださいね…!ターサーさん…」
…ハウィ邸の中では…。
ハウィ「ぐ…ぐぁぁぁぁぁ!!!」
ハウィの足は撃たれ床で悶えていた。
ルリィ「っ…は…離してっ…」
ルリィは黄色く目を光らせる、これは魔法の合図だ、だが…。
ルリィの首を腕で締め頭に銃を向ける…その人物はシュードだ。
先程の事だった、近くにいたリリーが溶けて大きく男のシルエットになりシュードになったのだ。
シュード「おいおい魔法使い…俺だって魔法を使えんだ、お前の魔法が酸素がなけりゃ使えないタイプな事くらい分かってんだよ…」
シュードは銃をルリィの頭に向け続ける。
ルリィ「っ…」
その時…。
ジェリス「シュードだな!中にいるのは分かってる!お前は包囲されてんだ!諦めろ!」
シュードは焦りを少し見せる。
シュード「っ…クソ…包囲?ふ…二人でか!?」
ターサー「痛いとこつかれたみたいだな…」
ジェリス「へっ……まさかお前が変形魔法を持っていたとはな!!」
ドア越しに話しかけ続ける。
シュード「ここは…魔法の国だぜ!保安官!なんでもありなんだよ…」
ギュギュ!ルリィの首を締める腕を強めるシュード。
ルリィ「ぐっ…あっ…」
ターサーはルリィの苦しむ声をドア越しに聞く。
ターサー「ルリィに何かしてる…」
ジェリス「急いだ方が良いみたいだ…」
ターサー「…中にいる二人は無事なのか」
ターサーは少し声を強めに聞く。
シュード「あぁ…あぁ…一人クッソ痛そうにしてるぜ!ははっ!バカみたいに血がでてらぁ…」
ターサー「おそらくハウィに何かあったようだ…」
ジェリス「クソ…野郎…」
ジェリスの手はさらに強くリボルバーを握る。
ルリィ「くっ…くぅっ…」
ルリィは浅い酸素の中で目の前がクラクラしだす。
その時だった、パリン!!
シュードの人質に取ってる背後の部屋から何かが割れる音。
シュード「っ…他にもいたのかっ?」
シュードは焦ってそちらの方向に銃を向ける。
そう、首を締める腕が緩む。
ルリィ「っ!」
その瞬間、ルリィの瞳が黄色に輝く。
…
グググググ!
ジェリス「こりゃ…なんの音だ…」
ターサーは聞き覚えのある音にこう言う。
ターサー「避けろ!」
ターサーの言葉を聞いてジェリスは飛び込み横に逸れる、ターサーもそのまま横に飛び込む。
その瞬間、ドアを突き破って石の壁がシュードを押し出して出てくる。
シュード「ぐ…あ…が…」
シュードは目をクラクラさせていた。
ジェリス「おっと…やれやれ…」
シュード「はっ!」
シュードは慌てて起き上がるが…。
ターサーとジェリスに銃を構えられていた。
ジェリス「またアイスみたいに溶けるか?あぁ?今なら手伝うぞ、鉛玉の熱でな…」
シュード「っ…」
シュードは再び手を上げて頭に乗せるのだった。
ターサー「ここは頼んだ…」
ジェリス「あぁ…」
ターサーはジェリスに一瞥すると小走りでハウィ邸に入る。
ターサー「随分入りやすくなったな…ルリィ…平気か…」
ルリィ「は…はい…私は…それより…」
そこには家の玄関が破壊され足も撃たれ痛みを感じてるハウィがいた。
ハウィ「は…はぐがぁっ…へ…平気…さ…ルリィ…無事で良かったと言うものだ…は…はは…」
おそらく9割本音一割は玄関の修理の事を考えてるようだった。
ターサーはハウィの足を止血しながら聞く。
ターサー「何故すぐに魔法使わなかった?」
ハウィ「っ…っく…痛い…」
ターサー「すまない…」
ルリィ「え…えっと…私の魔法は息を吸ってないと集中できず使えないんですけど…首締められてて…」
ターサーは応急措置を続けながら。
ターサー「そうか…急に使えた理由は?」
ルリィ「あの部屋から物音がして…男の人がそっちに焦って集中した瞬間、腕が緩んだので…」
ターサーはそれを聞いた瞬間ゆっくりハンドガンを抜いて向ける。
ターサー「確かか…?」
ルリィ「は…はい…」
ターサーはそっと銃を構えながら近付いてドアの横につく。
ターサー「何者だ…出てこい」
ドアの奥から声が聞こえる…
リリー「合言葉はなんですか!」
ターサー「っ……ピンクのウサちゃん…」
ガチャリと開く。
リリー「えへへ…叱ったりしない?」
ターサー「はぁ…お前には…名誉勲章を与える…」
…
ー夜ー
カンッ…と、ハウィ邸のポーチでビール瓶をぶつける二人、ターサーとジェリス。
ジェリス「ふぅ…中々、凄いことになったな…」
ターサー「あぁ…一番の被害者はきっとハウィだ」
サーッ…サーッ…と背後で玄関の木のくずを掃除しているルリィが呟く。
ルリィ「二番目は…残業してる私ですね…」
ジェリス「はっはっ…そりゃ…自分の尻拭いだぜ…嬢ちゃん。」
ルリィ「あれ以外に方法無かったんですもん!!」
ターサー「まぁ、良くやったんじゃないか?」
ルリィ「えっ…本当ですか?」
ルリィは頬を少し赤くし微笑む。
ターサー「あぁ…」
ルリィ「えへへ!」
先程よりホウキをはくスピードが上がったルリィであった。
続く。




