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65話目 向こうの空は

朝、テントの外はいつも通り小鳥のさえずり…なんだか今日も早くに目が覚める、理由は前と同じだろう、タークはゆっくりと身体を起こす、隣にはグリンスがいた、グリンスより早く目を覚ますのは久しぶりだった。


ターク「…」


視線をずらすと、テントの床にはタークのグレーのシャツと、グリンスの身につけていた衣服、インナーが、無造作に重なり合って落ちていた。


タークは朝から心が踊っていた、ようやくグリンスと想いが通じ合ったのだ、長かった、思い返せば、グリンスの事は船で見た時から好きだったのかもしれない。


グリンスを起こさないようゆっくりとテントのベットから出る。


ターク「…(なんて…良い朝なんだ…いやぁ!心地が良い!)」


そうしてシャツを着てテントを出ていく。


ターク「よっ!」


狩人1「お、ど…どうも」


ターク「よう!おはよう!」


狩人2「元気ね…ターク」


ターク「調子は?」


狩人3「絶好調だぜ!」


タークはなんだか目覚めが良くいつもより心地の良い朝に感じた。


マール「あ、タークさん」


マールが前から歩いてきて話しかけてくる。


ターク「おっ…おはよう…」


マール「おはようございます…グリンスさん起きてますかね…資料の事で聞きたくて…」


ターク「あぁ…えーっと…テントの前で声かけてから少し待ってやってくれ…それじゃ!」


タークはいつもより爽やかに言うのだった。


マール「は…はい…」


そうして、その日も…狩人達の1日が始まるのだった。


空は青い、そんな青い空を渡って…マジリカでは…。


ピヨピヨ…コッケコッコー!


朝を知らせるニワトリが鳴いた。


ルリィ「ん…」


ハウィ邸、ルリィは目覚めが良い、なんだか張り切った気持ちで起き上がる。


パジャマからメイド服に着替えて鏡を見る、念入りに自身の見た目を整えていざ一階へ、自身の部屋を開けた瞬間コーヒーの匂いがする、これはハウィが既に起きている証拠。


一階へ降りては…


ルリィ「おはようございます!」


ハウィ「おはようさん…最近はやけに朝から元気だね」


ハウィは微笑みながらルリィに言う。


ルリィ「えへへ…そうですかねっ…」


そう言って朝食を作り出す…。


今日も鋳鉄製の薪ストーブの上でじっくりとビーフシチューを煮込む…。


しばらくして火を消すと…


ハウィがコーヒーを一口飲んでから…。


ハウィ「ルリィ、先にターサーとリリーの元に持ってくと良い、私は私の分を自分でよそうさ…」


ルリィ「え…あ、はい!分かりました!」


そうしてルリィは蓋付きのブリキ製の小さなバケツに移してはターサーのいる宿に向かう…。


ハウィ邸を出る前に鏡を見て自身の姿をチェックしてから元気良く…


ルリィ「行ってまいります♪」


そう言う…。


ハウィ「あぁ…気をつけて行くんだよ…はっは…」


ハウィは微笑ましく見送った。


町の住民は相変わらずルリィを見て嫌な顔をするが不思議とルリィは気にならずにすいすいと宿の方へ向かうのだった。



コンコン…


ターサー「…」


ターサーは部屋のドアへ近付いて開ける。


ターサー「ルリィか…」


ルリィ「はい!ターサーさん!えっと…今日も朝食…持ってきてまいりました!」


ルリィはターサーにシチューの入ったバケツを渡すと髪を整えターサーを見上げるように微笑む。


ターサー「食べに行くと行ったんだが…毎朝悪いな…持ってきてもらって」


ルリィ「いえ!良いんです…そういえば…昨日のパンはどうでしたかね…その…もしかしたらあまり…」


ターサー「いや、あれは最高傑作だったと思うぞ、かなり美味かった…」


ルリィ「本当ですか!えへへ…良かったです…。」


ルリィは髪をくるくると指で触りながら微笑んでいた。


その時。


リリー「あ、ルリィさん!」


リリーが起きてきたのかルリィの脚に抱きつく。


リリー「今日も持ってきてくれたんですか?」


ルリィ「はい♪持ってきましたよ、温かい内に召し上がってくださいね♪」


ルリィはリリーに微笑みを浮かべながら。


ルリィ「ふふ…それでは、私はこれで…」


ターサー「あ、待ってくれ…」


ルリィが閉めようとする扉を手で優しく止める。


ルリィ「え…はい…なんですか…♪」


ターサー「今日は時間あるか?この町について詳しく知っておきたくてな…良ければルリィに頼みたいんだが…」


ルリィは予想外の提案に少し目を泳がせながら。


ルリィ「は…はい!大丈夫だと思います…え…えっと、じゃあ…今日の2時くらいに…どうでしょうか…」


ルリィは懐中時計を取り出し見ながらそう言う。


ターサー「あぁ…問題ない…何から何まで助かる…ありがとうな…」


ルリィ「はい…それじゃあ…また…後程に…」


ターサー「あぁ…」


ターサーは微笑みながらゆっくり扉を閉める。


ターサー「さて…食べるか?リリー」


リリー「はい!」


そうして部屋のテーブルにシチューの入ったバケツを置いてゆっくり蓋を開ける、湯気が立ち込めて微かだったいい匂いが、部屋中に広がる。


具は多くゴロゴロしていた、ジャガイモは見て分かる丁度良さ、口の中で蕩けるのは見て分かる。


リリー「わぁー!やっぱりルリィさんは凄いですね…」


ターサー「あぁ…全くだ…」


ターサーはルリィが持ってきた皿にゆっくりとシチューをよそってからリリーの前に置く。


ターサー「今日はルリィに町を案内しにもらってくる、何かあったらハウィを頼ってくれ…それと…最近この町の近くでギャングがのさばっているらしい…町の外だが…気を付けろ…一応…それを今回ルリィには聞いてくるが…」


リリー「はい、分かりました…でも…」


ターサー「ん?」


ターサーはシチューを食べながら。


リリー「い…いえ…別に…ルリィさんとは…

"楽しく"して来た方が良いですよ!」


ターサー「あ…あぁ…」


続く。



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