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64話 救世主!オカーマン!(ターク命名)

タークはボーッとしながらソニバルドを走らせていた。


周りからみたらきっと死んだ顔をしていただろう。


今回は良いタイミングか悪いタイミングか…グリンスはマールと朝から他の調査に行ってしまったのでタークとルニャAだけで森にソニバルドを走らせていた。


ルニャA「ボス…大丈夫かにゃ…?」


ルニャAは心配そうに顔を上げて見てくる。


ターク「へ、平気だよ…」


全然平気ではなかった、あの時…あの時だけはようやく長い間のモヤモヤが晴れたのに再び大きなモヤモヤに襲われていた…。


グリンスは何故あんなことを言ったのか…俺との夜が思ったのと違ったのか…いや恋愛経験はなかったはず…でも…でもでも…


ルニャA「ボス!ボス!前!前にゃ!」


ソニバルドは従順だ…しかし従順過ぎるが故にたまに前に障害物があったとしても乗せている主が止めないと止まらないのだ。


ドカッ!


ターク「うがっ!?」


ソニバルド「キェァ!!!!」


タークとルニャAはソニバルドから落ち、ソニバルドはその場に倒れる。


ターク「ど…どこだ…ここ…」


見渡すと森ではなく、砂漠の崖に囲まれていた。


しかしそれだけではない…前にゴーレムが見下ろしている、タークを、間違いない、タークを見下ろしていた!


ターク「っ!や…やばい!やばい!おい!ルニャA!」


ルニャA「にゃにゃ!!!ボス!やばいにゃ!」


ゴーレム「…グガァァァァ!!!」


ゴーレムが拳を振り下ろしてくる。


ターク「っ!」


タークは間一髪でルニャAを抱き締めて避ける。


ターク「逃げるぞ!」


タークはルニャAを抱えながら指笛を吹いてソニバルドに逃げるぞと呼びながら走る、ソニバルドに乗っている時間はない!静止してる間に間違いなくやられるのだ、だから走るしかない!


ターク「っ…!」


ドスンドスンドスン!重い足音が鳴り響く…。


ターク「っ…よし…」


タークの見える先、砂漠地帯特有の小さな洞窟、あそこに入れば良い!その一心で目指す!


その時だった…上の崖に人影…。


???「ふふっ…」


シュバ!影が飛ぶ!ターク達の元に。


そして次の瞬間、シュザン!!!と…ゴーレムの砂で出来た腕を切り離す斬撃…。


サー…砂が宙を待って血に落ちていく。


ターク「な…なんだ…?」


タークは落ちてきた男を見る。


???「ふふ…大丈夫だったかしら?」


タークは目を疑った…間違いなく男、クルクルパーマの髪が前髪まで落ちていて、綺麗な黒い瞳、少し長い睫髭も良い感じに整えて頬も顎も鼻下も生やしていた…。

そんな男が間違いなく女のような話し方をしていたのだ。


格好も白い紐シャツに黒いスラッとしたパンツ。


女には見えない。


しかしグリンスのように双剣を持っていた。


???「あなた…さっきから危ない操獣をしてたから見てたのよ…」


その時、その男の背後からゴーレムが再び拳を振り下ろしてくる。


しかし…


???「あらあら…」


男は間一髪で避けて何か丸いものを持つ。


ターク「っ…(あ…あれは?)」


ルニャA「な…何をする気にゃんだ!ありゃぁ!」


ターク「えっ…?」


男はその丸いものをゴーレムの攻撃を避けながらゴーレムの股下を通り背中に投げつけた…。


???「伏っせて~♪!」


その時!バコーン!!丸いような物は爆発する…水が飛び散るように…。


ゴーレムはそのまま地面に溶けて消える…。


???「ふぅ…」


男はパッパッとシャツから軽く砂をはたきおとしてターク達の方を向く。


濡れて少し固まった砂だらけのタークとルニャA…。


男があまりに伏せてと陽気に言うので伏せずに立ってしまっていたタークとルニャAだったのだ。



???「ごめんなさいねー…じっとしてて」


男は箒のような物を取り出してタークとルニャAについた砂を落としてくれる。


ターク「っ…ふぅ…こりゃ酷い…で、あんたは…?誰なんだ?」


パーサン「パーサン…私はパーサン…狩人よ」


パーサンは腰に手を当て優雅に立ち微笑みながら言う。


ターク「あ…あ…はい…なるほど…」


ルニャA「中々キャラが濃いにゃ…」


パーサン「で、私も1つ聞きたいの、なーんであんなボーッとした操獣してたのかしら?」


パーサンはタークのソニバルドを指差して聞いてくる。


タークは不思議とこの人になら…と話してしまう。


恐るべきオカマパワーであった。



パーサン「なるほどねぇ…」


ターク「はぁーあ…俺の長い間の恋は…もう終わってしまうのか…」


パーサンはそれを聞いてポンッとタークの頭を叩く。


ターク「いてっ…」


パーサン「あんたバカねぇ…私がそのグリンスって人なら…押されたら負けちゃうかも…」


ターク「ど…どういうことだ?」


タークは首を傾げて聞く。


パーサン「狩人として…その人の気持ちも分かるの…恋って、戦いにおいて邪魔になるし…大抵の狩人は…狩ることだけが人生だったから…」


パーサンは何か儚い目をしてそう言う。


パーサン「でもね?そんな中、それでも良い…って感じの男らしさ見せられたら!もーう!」


パーサンはとにかく盛り上がっていた。


ターク「あ…は…はぁ…なるほど…」


パーサン「いけないわねぇ…私は真剣よ!?今すぐに伝えて来なさいよ!」


ターク「…」


しかし、パーサンの言うことには一利あった、確かに自分が女だとしたら、それでも…と受け入れてくれる男にはなんとなくなびく…。


ターク「や…やってやんよ…」


パーサンはジトーっと見てくる。


パーサン「あんたまだその感じなんじゃダメね」


ターク「えぇ…」


パーサン「だって男らしさが足りないものぉ…!私がそのグリンスだと思って言ってみて?」


パーサンは姿勢を但し瞬きを素早くして見てくる。


ターク「え…えっと…」


ルニャA「な…なにを見せられてるにゃ…」



夕方…拠点では食料班が既に夕食の準備をしていて、帰還したマールとグリンスはテーブルで何やら資料を見ながら話していた。


マール「今回の調査では、この地域ではバーラムが生息しているようです」


グリンス「なるほど…生態系に異変が起きている…」


そんな事を話している二人の元にタークは立つ…


何か勇ましかった…。


ルニャB「ボス…なんか凄いにゃ…」


ルニャH「あれがオスの背中って奴にゃ…」


ルニャA「どうにゃか…」


ルニャ軍団は遠目でそれを見ていた。


ターク「グリンス…」


グリンスはタークの声に反応し振り向く。


ターク「二人で話したい」


グリンスはマールの方を向く。


マール「あ…えっと…後でも平気ですから先に済ませてきて良いですよ…」


マールは微笑みながらグリンスにそう言うとタークを見て何か察したようにうなずく。



拠点の端、人気が少ない…。


ターク「グリンス…俺はグリンスが気を使ってか…今後の事を考えて…昨夜の事を忘れてくれと言ったのだと思ってる…それが本当なのだとしたら…俺はそれでも…」


グリンス「…」


ターク「それでも…」


タークはあと一言…その一言が出ずにいる…。


グリンス「ター─…」


その時…。


ターク「好きだ…」


言いきった…タークは言いきった。


ターク「グリンスが恋愛にどれだけ疎くても…そんなグリンスが好きだ、だから相棒という形じゃ俺は満足できない。」


タークはグリンスに目を合わせて返事を待つ。


グリンス「…」


グリンスは目を伏せたまま…しかし…好きと言った瞬間…ぎゅっと拳を握ったのは分かった。


何か響いたのは確かだった。


しかし…明らかに間があった、グリンスは答えに困っているのか、ずっと目を伏せたままだった。


ターク「答えられないのならまた今度──…」


そう言ってその場を離れようとした時だった。


グリンスはタークの手を引いて寄せて抱き寄せる…。


グリンス「私も好きだ…」


そのまま唇が重なる…。


決して短くなかった。


抱き締め合いながらキスが続いた。


再び近くの木箱に背を預けてキスが続いた…。


バタン…木箱が倒れる…しかしお構い無しだった。


一度唇が離れ、互いの荒い息遣いが混ざり合う。


しかし言葉を交わす間もなく、今度はタークの方から再び彼女の唇を塞いだ。



ゲマナ「マールー!調査の資料まとめ出来た~?」


マール「資料…あ…えっと明日の朝まで待っていただけると幸いです…。」


続く。

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