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66話 サバイバルを教わろう

ーハウィ邸ー


ルリィ「…」


ルリィは身だしなみを綺麗にし、前に仕立て屋にいや~な顔をされながらも綺麗な服を仕立ててもらったのでそれを着る。


白いブラウス、クリーム色のライン、スカートは長くないが膝より上でフワリとしている。

ブラウスの肩は空いていて綺麗な肩が見える。

ちなみに袖もフワリとしている。


そこに茶色いロングブーツ、これはこの街の地面に泥があったりする為少し靴を汚しやすいので履くがそれがお洒落に見えるのだ。


大きめの黒いネッカチーフを首に垂らしたら準備満タン、ルリィハウィに顔を向ける。


ルリィ「行って参ります!」


ハウィ「あぁ、楽しんでくるんだよ…はっは…」


ハウィは笑顔で見送る。


待ち合わせ場所はスルビスの町の噴水、この町はかなり発展している訳ではない、道ははレンガではないし、建物はレンガのもあるが木造のもある。


街灯はなく外に垂らしたランタンか、建物についたガス灯、しかしそれで十分だった。


それがこの町の雰囲気の良さだった…住んでいる人々を除いて…。


昼でも町の酒場は営業している、酒場には昼飯を食べに来る人もいれば酒をその時間に飲む人もいた。


そんな酒場の前、スイングドアの横の男二人。


男1「おいおい…噂をすれば…魔法使いの娘の登場だ…」


男2「ありゃりゃ…あれが…」


ルリィ「っ…」


ルリィは歩きを早歩きにして通りすぎようとする。


ジュゥー…男はタバコを最後に吸い付くして目の前のルリィに投げつける。


ルリィ「あっ…」


ルリィの服の表面が一瞬でも焦げてしまい茶色いシミのようなものが出来る。


ルリィ「っ…な…なにするんですか!」


男1「わりーわりー、この帽子のせいで見えなかったんだよ」


男1はテンガロンハットをわざとらしく被り直すしぐさをする。


男2「はは…」


周りの住民もそれぞれ作業をしながらも笑っている。


ルリィ「っ…」


ルリィは下を向いて目を瞑りただ歩き続ける。


男1「おい…」


男の一人は男2に耳打ちする。


男2「あぁ…」


ルリィが歩く道を横からついていくように歩いてはルリィが泥の近くを歩いた瞬間。


男2「おっとぉ!!」


ブーツで少し高めの場所から着地し泥を跳ねさせてルリィにかけるのだった。


ルリィ「っ…!」


ルリィの新品の服に泥が飛び散り既に汚れてしまう。


ルリィ「な…なんでこんなことを…」


男2「なんでかぁ?俺達の使命みたいなもんかなぁー?この町は守らなくちゃならねーんだよ…あんな魔法使いの娘がここにいちゃぁ…いつ何が起きてもおかしくねーからなぁー!」


男2は不快な声とタバコのにおいで言ってくる。


男2「ま、髪が綺麗なのは認めてやるよ、こんな風にさ…」


男2は泥のついた手袋でルリィの髪に手を伸ばす。


ルリィ「っ……」


ルリィは耐えきれず目をぎゅっと瞑り俯いている事しか出来なかった。


その時…。


ぎゅ!


男2「いでっ…いででっ…」


ルリィ「えっ…」


ルリィは男の苦しむような顔にハッと目を開けそちらを見る。


ターサー「やめろ」


ターサーだ、力強く握ってるのが分かる、男の着ているレザーのジャケットがギュギュギュ…と音を鳴らしてるからだ。


そして力強く押すように離す。


グチャ!男2は尻から泥に着地する。


男2「な…なんだよお前っ…」


ターサー「こいつの仲間だ」


ルリィ「タ…ターサーさん…」


ルリィは一歩下がる、なにか安心感があった。


男1「っ…てめぇ…バカにしてんのか?俺のダチに何してくれてんだ…」


ターサー「どう考えても俺の台詞だ、で…どうする…この先はお前が決めて良い」


男1は腰にかけたリボルバーに手をかけようとするが…目の前のターサーの圧か何かに押されグリップさえも握れないでいた。


男1「お…覚えてろ…」


男1は尻をついて動けないでいる男2を立ち上がらせ走っていってしまう。


勿論、ルリィの味方をし、ルリィが勝ったように見える状況に町の人々は不服そうな顔をし自身の作業を続けていた。


ターサー「この調子じゃ…町の事を教わるのは今度にした方が良さそうだな…」


ルリィ「は…はい…」


ルリィは悲しげに目を伏せる、下を見ると汚れた自身の服が見える。


ターサー「…ハウィの場所に一緒に戻ろう、いつものお前の服に着替えろ、今日は別の事をしよう。」


ルリィ「別の事…ですか?」


ルリィは中止になるとばかり思っていた。


ターサー「あぁ、ほら…さっさと行くぞ」


ルリィ「は…はい!」


そうしてターサーはハウィ邸にルリィを連れていきハウィに事情を説明してから着替えたルリィを近くの河原に連れていくのだった。


ー河原ー


ターサー「今日の朝、ルリィの持ってきてくれた朝食を食べた後見つけた場所だ…なんて名前の場所か分かるか?」


ルリィ「ここは…ビストリバーですね…」


ターサー「ビストリバーか…」


ビストリバー、石の上で少し歩きにくいがスルビスから良く釣り人が釣りをしに来たりする、この川にはビスというマジリカにしか生息しない25cmほどの黒みがかった魚がいる他に、ビスズエという巻貝が生息している。


どれも食べられるもので最高の一品になる!


ルリィ「で…でも…また町の人達が」


ターサー「追い払った、何やら暴力的な奴らだからな」


ターサーは食い気味に答えながら釣竿を用意しルリィに持たせる。


ターサー「釣りはしたことあるな?」


ルリィ「は…はい!何度か…」


ターサー「ビスを釣って、ビスズエも取って食おう、少し気になってたんだ…」


ルリィは片手に茶色い革手袋をつけその手袋の手で餌を針につけて川に放る。


ルリィは何故だか少し笑ってしまう。


ルリィ「……ふふ…よく分かりませんが…ターサーさんは食べることがお好きなんですか?」


ターサー「まぁ…な…」


ターサーも同じくルリィと少し離れて餌をつけて放る。


ルリィ「ビスを食べるなら…火を起こさないとでしょうかね…」


ターサー「あぁ、焚き火を起こそう、持ち運び出来る網と…グリルスタンドがある。」


ルリィは釣りに集中しながらも。


ルリィ「凄いですね…ターサーさんがいた国は…」


ターサー「まぁな…」


…その後


釣れたビス二匹に取れたビスズエ四つ…。


ビスズエは塩の入った水…の入ったバケツに入れて放置…。


その間…。


ターサー「魚の鱗と…内蔵を取ってくれ…頭はそのままで良い…」


ルリィ「丸焼き…ですね?」


ターサー「そうだ…案外可愛い顔立ちしてこっちの分野も詳しいんだな」


ルリィ「え…えぇ…まぁ…」


ルリィは少し照れながらもナイフを使い魚の鱗を取り…内蔵を取りながら話し始める。


ルリィ「前に話した通り…ここ最近…100年はずっと一人で…スルビスに来るまではちょっとした旅だったので…。」


ターサー「100年の孤独は辛かっただろ」


ルリィ「まぁ…もう今が幸せで…何故か平気なんです…過去をどうとか思っても仕方ないですからね…」


ルリィが下ごしらえを終える。


ターサー「さて…ビスズエの方はどうなったかな…」


ルリィ「そんなすぐに砂が抜けますかね…」


ターサー「簡単だ…せっかちの人へ送られたPIT特製の塩だからな」


カーン!とターサーがナイフでバケツを叩く、すると砂がどんどん内に浮いてくる。


ルリィ「わ…わぁ…あ、味とかに変化はないと良いですけど…」


ターサー「当然の心配だな…」


ターサーがバケツからビスズエを二つ取り出すとルリィに渡し。


ターサー「貝柱を取れ…こっちの二つは俺がやる…」


そうやって二人で作業を進めるのだった。


その後の事…


夕日が出ている…。


ジュー…汁が網に落ちて音を鳴らす…ビスズエから白濁した汁が出てきているのだ…これがうまみである、ビスズエは焼いていると辺りにいい匂いが広がる…これが食欲をさらにそそうのだ。


ビスの方は言うまでもなく焼き目がくっきり出来ている。


ターサー「もう食べられるはずだ…」


ルリィ「っ…な…なんだか久しぶりです…魚の丸焼き…」


ターサー「なら…よく味わえ…」


そう言って二人で竹串の刺さったビスを食べ始める。


一口…パリッ…とした皮の中はしっとりとしていて丁度よい塩気…。


ルリィ「あつっ…フー…フー…ん…!美味しいです…!なんだか…前の時より美味しく感じます…!」


ルリィはあまりの美味しさにたまらず頬を赤くしながら食べ進めていくのだった。


ターサー「こっちも中々いけるぞ…」


そこにはビスズエ…ナイフを刺して取り出すとプリプリの身が出てくる、香ばしい磯の風味がさらに広がる。


ルリィ「ん…これも美味しいです…♪」


噛むほど広がる旨みとコリコリ感が最高なのだ。


このように…この国の人は食事を娯楽の一つとして生きているのだ。


続く…。

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