60話 男の正体。
スタンクはまだ目を覚ましていないが拠点の端で狩人二人に見張られていた。
セリーヌ「まぁ…何かしでかしそうだとは思ってたけど…まさかタークとグリンスに向けて発泡するなんてね…」
セリーヌは腕を組みながら木箱に寄っ掛かっていた。
ターク「…まぁ…問題は…ジェリックが言ってたように…俺の世界の銃を持ってたことだ…」
ジェリック「うん…間違いないんだ…PITの資料でも見たことがない…」
ジェリックはスタンクの持っていたハンドガンにRustFlowerを近付ける。
銃はすぐさま錆びていく…。
ジェリック「…この銃…ずっと持ってて初めて使ったみたいだよ…もう修正が働いてる。」
ヴァルド「…それがなんなのか知らんが…けしからん奴だな…ったく…急に銃を撃つとはよ…男なら正々堂々と正面から撃ちゃぁ良いんだよ…」
ヴァルドは腕を組みながら遠目にスタンクを見る。
マール「でも…何故タークさんとグリンスさんを撃ったのでしょうか…」
タークは考えても分からない…奴に恨みを買わせた覚えはない…。
ターク「わからん…まったくわからん…グリンスは?」
グリンス「私も身に覚えはない…彼とはあまり関わっていなかった。」
その場の皆全員悩んでいた。
ゲマナ「とりあえず…どうするの?あいつ…」
セリーヌ「狩人の館に送り込んで…判断はそっちに仰ごう」
ターク「…」
タークもスタンクを遠目に見ていた、そしてパッとひらめく。
ターク「奴、奴の服装…よく考えたら…こっちの世界にはないようなもんだ…」
ジェリックはそれを聞いてハッとする。
ジェリック「…それに加え…タークくんの世界の銃を持っていた…ってことは…」
ターク「同じ転生者なのか…」
ゲマナは割り込むようの。
ゲマナ「あー…待って待って…分かんないなぁ…タークの事は納得してたからあれだけど…結局転生って何なの…」
マール「…」
そこでグリンスが言う。
グリンス「彼がどこから来たとしても…何か目的があったとしても、現状…攻撃をしてきた脅威だ、少しずれていたら私かタークは致命傷か…あるいは…」
ヴァルド「ま…詳しいことは奴に尋問しようぜ…それが早い…あんな奴なら簡単に吐くだろーよ…」
その時だった。
「おい!どこに行った!」
拠点に大声が響く、ターク達はそれを聞いた瞬間察した…。
"スタンクが逃げた"…と。
ターク「っ…」
皆はスタンクを捕らえていた拠点の端に集まる。
そこにはほどかれたと縄しかなかった。
ターク「…」
ヴァルド「おい…ちゃんと見張ってたのか?」
狩人「当たり前だ!しっかりと見ていた、しかし…気付いたら…」
ヴァルドは見張りの狩人に詰め寄る。
そこにセリーヌは仲裁に…。
セリーヌ「やめなよ…もう…」
ヴァルド「ッチ…クソッ…」
ヴァルドは腕を組んでスタンクのいた場所を見る。
ヴァルド「向こうに足跡が続いてるな…とりあえず…行くしかねぇ…」
ターク「はぁ…そうだな…」
ゲマナ「待って…今から行くの?奴の事だし何か作戦があるのかもしれないし…」
狩人「っ…実は…」
見張りをしていた狩人の一人が話す。
狩人「少し…俺達二人…腹減ってパッと飯を取りに離れたんだ…それで…」
ヴァルド「あぁん!?そういう時は代わりを!」
ターク「待て待て…」
タークはヴァルドの胸に手を当て止める。
ターク「こいつらだって腹くらい減るだろうよ…それに、魔物を狩るのが仕事だったんだ…見張りには慣れてない…とりあえず…探すことを優先だ…今のを聞いて分かった…奴には仲間がいる。」
マールはそれを聞いて不思議そうに。
マール「でも…何故…仲間がいると…?」
グリンスが縄の傍に膝をついて、縄を持ち上げる。
グリンス「この縄はナイフで切られている…きっと仲間が切って逃がした」
ゲマナ「だったら…余計危険なんじゃ…」
ヴァルド「知るか!俺の仲間に手を出したんだ…覚悟してもらうぜ…」
ヴァルドは決意に満ちていた。
ターク「俺も同感だ…遠くに逃げられる前に捕まえないと…俺のこの世界にいる真相を知れなくなるかもしれん…それを知らなければ…俺が修正される事への対策が…」
マール「修正…ですか?」
ジェリック「あぁ…えっと…僕が説明するね…」
ジェリックは説明を始める…。
…
ゲマナ「つまり、タークが消えるかもって…事?」
ジェリックは慌てて否定する。
ジェリック「いやっ…あ…あくまでも…これは仮説だよ…!」
マール「でも…かなり可能性が高い気がします…」
ヴァルド「…」
グリンス「…」
二人は黙って下を向いて考えていた。
セリーヌ「…だったら…とりあえず早く奴を追うことにしよう、逃がせない…」
ターク「あぁ…情報の塊って事だ…だからヴァルド…グリンス…今は力を貸してくれ…捕まえるんだ…」
グリンスとヴァルドはタークを見てうなずく。
ヴァルド「当然、俺ははなっから追うつもりだ…」
グリンス「ただし…ターク、君は私と行動しよう、身を守れるように」
ターク「あぁ…!」
そうしてスタンクの捜索が始まった…。
セリーヌも手伝うことになりヴァルド、セリーヌ、そしてルニャB…。
タークはグリンスとルニャAで捜索する。
ルニャ族は鼻が良いので捜索に役が立つのだ、二つのグループはソニバルドに乗って走りながら捜索する。
~森~
ターク「…暗いな…」
グループはソニバルドを操りながらランタンを手に持ち辺りを照らす。
グリンス「ルニャ、ここら辺ではどうだろうか?」
ルニャA「すんすん…んにゃぁ…嫌な匂いは微かにするにゃ…」
グリンス「この先も見に行ってみよう…やっ!」
ソニバルドを加速させて進み続ける。
一方、ヴァルドとセリーヌ、そしてルニャB。
ルニャB「にゃー…薄く匂いがするにゃん…あの縄についた匂いと同じ匂いにゃ…」
ヴァルド「あぁ…それに…足跡もある…これは間違いなく…スタンクのだ…」
セリーヌ「…」
ヴァルド「どうした、セリーヌ」
セリーヌはなにやら考えてるようだった。
セリーヌ「…仲間がいるんだとして、狩人の見張りが戻ってくる前にあの縄を全て切れる…?」
ヴァルドも薄々考えていた疑問だった。
ヴァルド「切れ味が良かったんだろ…」
そう言ってソニバルドを走り続ける…向かい側に誰かが見える。
ヴァルド「…あぁ…?…グリンス達だ…」
タッタッタッタッ!ソニバルドで走って互いに近づく。
ヴァルド「奴は…?」
グリンス「いない」
ルニャA「完全に逃げられたかにゃ…」
ターク「ばかな…徒歩だ…そんなすぐに離れられる訳が…」
四人は考えていた。
ターク「…何かの方法で逃げたのか…もう見つけられないのか…」
そこにグリンスが言う。
グリンス「まだ終わりじゃない」
ターク「…え…」
グリンス「私達と、ヴァルド達が捜索した道を交換して再び捜索しよう」
ターク「お前それ…」
グリンスは微笑みタークを見る。
グリンス「君の知識は…いつでも役に立つ」
ターク「っ…そうだな…よし!もう一頑張りするぞ!」
セリーヌ「やるしかないわね…これ終わったらもう一度お風呂入りたいわ…」
ヴァルド「よっしゃ!行くぞ…」
互いのグループはソニバルドを走らせて互いに探していた道を交換して再び捜索を始める。
続く…。




