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55話 正体

ー回想ー


思い出される。


今でも夢に出る…嘘をつく仕事。


嘘は人を苦しめる、一時は自分さえも。


嘘をついている時に相手が気付いてるような顔に見えるのは嘘をついていると自分で把握しているからだ。


真逆に、嘘をついても…罪悪感も、不安も感じない人間は上手く仕事終わらせる。


俺もそうだった、最初の頃…善良な人間でいたいと思っていた、ただ…気付いたら親と呼べる人間はいなくて、代わりに銃を持ったデカイ男…。


そしてもう一人…心の底から安心できた女性…

けど…


もういない。


チッ…チッ…チッ…木の机、木の本棚…観葉植物…。


この中に相手を騙す戦略が隠れている…。


それは何か、観葉植物だ…部屋の3割をしめている。


ポトス…サンスベリア…ガジュマル…シェフレラ

パキラ…。


壁にかかっていて、床に置いてあって、天井から下げられている。


緑色は人間を安心させる…相手を油断させるのだ。


ギキ…どんな高級な椅子でも静寂を断ち切る音を鳴らす。


ターク「それで…安心を求めてここに…?

ええ、勿論…頑丈な金庫が近くにあり…護衛もしっかり揃っています、しかし1億ドルという金額はそうやすやすと受け入れられません。」


タークのデスクの前の椅子、男は座っている。


男「何故だ!紹介ではここは上限はないと聞いた!何が問題なんだ…!提示している金か!

今すぐにでもお金を守りたい!」


タークは目の前の男を鋭い目で見る。


ターク「…そこまで焦るのには訳があるな?例えば…犯罪的なお金だったりとか…」


男「…違う!そんな訳があるか!」


間が空いた…嘘にはプランが必要だ。


こう言われたらこう言い返す…スムーズにやらなければ嘘はバレる…嘘をつく者は嘘をつく者にバレやすい。


ターク「まぁ…良い…俺の仕事も犯罪的にいえば…グレーか黒…そういった感じだ」


嘘は言っていない、嘘はなるべく真実に近いもの…そして自分でもこれは嘘じゃないと思えるような相手を騙す言葉を準備しておく。


こちらは既に一度引いた、信憑性は上がる…。

そして相手は焦っている、決断は早まる…。


ターク「わかった…本来そこまでの大きな金額は受けないが、あんたは今切羽詰まってる訳だ…

数日の内だけなら良いだろう、追加料金もなしだ」


男「っ…!本当か!」


ターク「あぁ…廊下を出て左の部屋…書類はその部屋の者から受け取ってくれ」


男「わかった!」


ガッ!と勢い良く椅子から立った男はあっという間に行ってしまう。


ピッピ…机の上の固定電話を繋げる。


ターク「Hをを二人…MLを二人…Hには近くの工場で…と言っておいてくれ…」


カチャ…受話器を置く…。


ガチャリ…ドアが開く。


女「ったく…かったりぃなぁ…ボス…新人が使えねぇぞ」


ターク「おい…ノックくらいしろよ…」


タークは机に手をついてゆっくり立ち上がり霧吹きで観葉植物に水をあげる。


女「けっ…」


女は部屋を見て回るように。


女「ボス…あんた植物学とか読むのかよ」


ターク「うるさいぞ…他に用件は?」


女はとにかくイラついた様子で。


女「新人教育しねーとまじでMT(MagicTrick)の名が廃れるっての…」


ターク「俺達みたいな集団は名なんて無い方が良いだろ…」


そう、俺は現実世界で人を騙していた…。


詐欺集団だった。



ピヨピヨ…ピヨ…


外から鳥のさえずり。


ターク「ん…」


ルニャA「にゃぁ…?」


ターク「っ!うわっ!」


朝、目を覚ましたらルニャAが目の前で顔を覗いていたのだ。


ターク「なんだよ!ビックリさせやがってよ…」


ルニャA「ボス…もう9時になるにゃ…急いで起きないとグリンスに置いてかれるにゃ…」


ターク「…あ…あぁ…(っ…いつもは6時起きなんだがな…夢が狂わせたか…。)…すぐ行く…。」


ターク達は狩人の館からガシア漠のキャンプに戻っていた。


装備のホルスターを腰に。


銃はカグヤに使ってから隠す必要がなくなったのだ、セリーヌがみんなに話してくれた…。

前は足につけていたがその必要がなくなった。


そうしてテントを出る。


グリンスの姿を遠くに発見しそっちの方に歩いていくと。


ジェリック「おっはよー!タークくん!今日は起きるの遅いねー?心配したんだよー?」


ジェリックが横から腕にくっついてくる。


ターク「なんだよ…そんなにくっついて…」


ジェリック「いやぁ…あのねぇ…タークくんの銃は現実世界からのって思うと…科学者として…ちょーっと見たいなって…」


ジェリックは人差し指でタークをつつくように。


ターク「は?いや…これは奥の手なんだよ…そうやすやすと渡せねぇって…」


ジェリック「お願いー!なんでもするから!」


ターク「…なんでも?」


タークの足が止まる。


ジェリック「うん!なんでも!」


ターク「…お前科学者だったよな…?」


ジェリック「え…?うん」


ターク「関係あるか知らんが…調査とかそういうのは出来るか?」


ジェリック「出来るよ!」


ジェリックはえへんと胸を叩く。


ターク「よーし…なら!地質調査をしてこい!」


ジェリック「地質調査…?」


続く


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