54話 見えるは青
2日後…
ピヨ…ピヨピヨ…
少し離れた場所からかすかに話し声が聞こえる…。
???1「光への耐性は問題ないはずだ…昏睡中に少しずつ慣らした…」
???2「流石だな…エプソンよ…今度医療技術を習いたいくらいだ…」
んん…
光が目に差し込んでいる…。
光…?
リリー「んんっ…」
ゆっくり目が開く。
リリー「ま…眩し…っ…ま…眩しい…?眩しい!ま…眩しい!」
リリーは辛いのではなかった…ただ眩しいという事実に胸が高鳴る。
すぐに分かったのだ、本来見えるべきものが見えると…。
ガバッ!勢いよく飛び起きてベットから出る。
少しフラッとしながらも部屋を見渡す。
リリー「っ…こ…これが…」
その時だった…ガチャリ…。
ターサー「っ…リリー…」
ターサーが部屋に入ってくる。
リリー「…ぁ…あ!ターサーさん!」
リリーはターサーに走って抱きつく。
ターサー「っ…見えるか?俺が…」
リリー「見える…見えます…」
リリーはターサーの脚に抱きついたまま顔を上げ目をウルウルさせている。
ターサー「…俺が俺だと分かるんだな…」
リリー「……分かるんです…」
リリーは再び顔を脚に埋めて抱きついたまま。
リリー「この…温もりは…ターサーさん…」
リリーは涙を流しながら脚に頬を擦り付ける。
リリー「ターサーさん以外…あり得ない…」
ターサーはただ微笑みリリーを見る。
そして部屋の外、ドアを開けて見ていた。
エプソン「この瞬間は…俺の医者人生で一番好きな瞬間なんだ…」
ラルフィ「はは…俺も…中々気に入った…」
二人は腕を組ながらただ見ていた…。
…
ーハウィ邸ー
ルリィ「…ふ~ふふ~ん♪」
ルリィはご機嫌に朝食を作っていた。
ハウィ「やけにテンションが高いな…ルリィ」
ハウィが階段から降りて笑顔で言う。
ルリィ「あ、おはようございます♪だって…今日がリリーさんが起きる見込みの日なので♪」
ハウィ「はっは…そうか…女の子が一人…救われる日か…」
その時…コンコン…ドアのノック音が聞こえる。
大きなノック音と小さなノック音が二回ずつ…。
そして…。
「すみませ~ん」
と可愛らしい小さい娘の声が。
ルリィ「ふふ…」
ルリィはハウィに顔を合わせて笑いドアに向かう。
ルリィ「は~い♪」
そしてゆっくりドアを開ける…。
開けた先にターサー、視線を落とすとリリー…。
リリーはとにかく笑顔でルリィを見上げていた。
リリー「ターサーさんがお世話になったって聞きました!私…リリーって言います!」
ルリィ「ふふ…」
ルリィはターサーに目配せをしてリリーの方に視線を変え、傍にしゃがむ。
ルリィ「私はルリィって言います…よろしくお願いしますね♪」
リリー「ルリィ…さん…お願いします!」
リリーは銀色の綺麗な瞳でルリィを見ていた。
リリー「綺麗な…青い瞳ですね…」
ルリィ「ふふっ…分かります♪?」
ルリィは笑顔を返し、言葉も返す…優しく、ゆっくり…。
ルリィ「リリーさんの瞳もすっごく綺麗ですよ…」
リリー「あ…ありがとうございます!」
リリーは少し頬を赤らめ嬉しそうにそう言った。
リリー「ねぇっ…ターサーさん!私、少し色を見てきたいです!」
ターサー「え?あぁ…そうか…なら…」
そこにゆっくり歩いてハウィが来る。
ハウィ「リリーは私に任せなさい、二人はここでゆっくりしてて良いからね…。」
ハウィはルリィとターサーにそう言った後リリーの傍に膝をついて。
ハウィ「綺麗な場所、見に行こうか」
リリー「っ…よろしくお願いします!」
ハウィ「あぁ、よろしくね…ハウィって言うよ…」
そう言って二人は外に出ていく。
歩いていくリリーは見て分かるほどはしゃいでいた。
ルリィ「凄く…嬉しそうですね、リリーさん…」
ルリィはそう優しい声で呟く。
ターサー「俺には一生分からないだろうな…あの喜びは…」
ルリィ「ふふ…そりゃあ…長い間頑張ったリリーさんの特権ですから?」
ルリィは微笑んでそう言う。
ターサー「言えてるな…。」
ルリィは少し間を置いてターサーに聞く。
ルリィ「これから、ターサーさんはどうするんですか…?」
ターサー「また一つ仕事を成し遂げた、みんなのおかげでな…次の場所に行って誰かを助けるとする…」
ルリィはそれを聞いて微笑みながら俯く。
ルリィ「そうですか…良ければ…なんですけど…」
ターサー「…?」
ルリィ「少しの間…ここにいて欲しいです…私…結構シチューに自信があるんですよ?」
ターサーはくすっと笑い。
ターサー「そうなのか?なら…少し甘える…どこかの宿に止まりながら…いただきに来る…」
ルリィ「ふふっ…ありがとうございます…そうとなれば…より頑張らないとですね♪」
ルリィは頑張ります…と両手を前に意思表示をする。
ターサーは微笑んでルリィから外で遊んでるリリーを見る。
リリー「あれは何て言うんですか…?」
ウキウキで聞くリリー。
ハウィ「てんとう虫だね…」
それに優しく答えるハウィ…。
リリー「すっごく綺麗な生き物ですね…。」
リリーは静かにそう粒やいた。
続く




